WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 4 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

胃がんリスク層別化検査(ABC分類)

3B347-0000-023-920

血液
2

遠心

血清
0.6

 

 

01

 

 

冷蔵

ペプシノゲン LA(ラテックス凝集比濁法)ヘリコバクター・ピロリ抗体 LA(ラテックス凝集比濁法)

1~2日

項目
コード
検査項目

胃がんリスク層別化検査(ABC分類)

3B347-0000-023-920

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法
血液
2

遠心

血清
0.6

 

 

01

 

 

冷蔵

ペプシノゲン LA(ラテックス凝集比濁法)ヘリコバクター・ピロリ抗体 LA(ラテックス凝集比濁法)
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

1~2日

備考

項目

    • 明らかな上部消化器症状のある方、上部消化器疾患治療中の方、プロトンポンプ阻害剤服用中の方、胃切除後の方、腎不全の方、ピロリ菌の除菌治療を受けた方は正しい結果が得られない場合がありますので、あらかじめご注意ください。
    • ご依頼の際は、ピロリ菌の除菌歴の有無をご確認ください(未感染者と既感染者ではリスク程度が異なると考えられており、既感染者がA群に編入される可能性があります)。
    • A群はおおむね健康的な胃粘膜で、胃の病気になる可能性は低く、未感染の可能性が高いですが、一部にはピロリ菌の感染や感染の既往がある方が含まれます(一度は内視鏡検査などの画像検査を受けることが理想的です)。
    • E群は除菌により胃がんになるリスクは低くなりますが、決してゼロになるわけではありませんので、除菌後も内視鏡検査による経過観察が必要です。

依頼

  • 伝送依頼の際は、次の3項目をご依頼ください。
    [05084]ペプシノゲン《LA》、
    [12385]ヘリコバクター・ピロリ抗体/ABC:LA、
    [12359]胃がんリスク層別化検査(D分類)
  • ピロリ菌の除菌治療を受けた方は当該検査対象外となるため、ピロリ抗体とペプシノゲンの測定値をご報告し、ABCD判定は行わず、E(Eradication)群としてご報告します。
    • ご依頼の際は、依頼書の胃がん/E群(除菌)のマークにチェックしてください。
    • 伝送依頼の際は、次の3項目をご依頼ください。
      [05084]ペプシノゲン《LA》、
      [12385]ヘリコバクター・ピロリ抗体/ABC:LA、
      [12358]胃がんリスク検査/E群(D分類)

方法

  • 胃がんリスク層別化検査におけるヘリコバクター・ピロリ抗体はLA法(H.ピロリ-ラテックス「生研」)にて実施しています。

基準

  • チャート参照:「胃がんリスク層別化検査(ABC分類)」判定基準と胃の健康度

報告

  • ペプシノゲンとヘリコバクター・ピロリ抗体の検査を実施し、それぞれの判定とABCD、Eの分類をご報告します。

参考

  • 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。

チャート

「胃がんリスク層別化検査(ABC分類)」判定基準と胃の健康度

容器

容器番号01:汎用容器(分離剤入り)

  • 容量: 6mL・8.5mL
  • 添加剤: 凝固促進剤
  • 保管方法:常温
  • 有効期間:容器および箱表示
  • 主な検査項目: -

参考文献

乾 純和, 他: Helicobacter Res. 11, 554, 2007.
井上和彦, 他: 日本がん検診・診断学会誌 12, 138, 2005.
井上和彦: Helicobacter Res. 11, 562, 2007.

検査項目解説

臨床的意義

ペプシノゲンとヘリコバクター・ピロリ抗体の血中濃度を同時に測定することで、萎縮性胃炎と胃癌のリスクを調べる検査である。

 ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori、ピロリ菌とも呼ばれる)は、体長約2.5~4 μmの、らせん形をしたグラム陰性桿菌である。ヒトの胃内に生息し、毒素を産生することで胃十二指腸潰瘍や胃癌の発症に関わっている。H. pyloriによる感染が年余にわたり持続すると、やがて慢性胃炎から萎縮性胃炎、腸上皮化生を経て胃癌発生に至る過程が推定されている。(ヘリコバクター・ピロリの項参照)

 ペプシンは、タンパク質消化に与る消化管の酵素である。その前駆体ペプシノゲン(PG)の動態は、胃液の分泌状態を反映するため、胃粘膜の老化や萎縮性胃炎の診断に応用されている(ペプシノゲンの項参照)。

 ABC(D)分類は、採血によりA,B,C,Dの4段階でリスク評価する検査手法である。胃癌の一因と目されるH. pyloriに対するIgGの抗体価と、ペプシノゲンの2項目が測定される。いわば胃粘膜の萎縮度を血液で評価し、胃癌のリスクを推定する検査と捉えることができる。

 A,B,C,D各群は以下のように分類される。

[A群]

  • H. pyloriの感染がなく、胃粘膜萎縮も進んでいない患者群(H. pylori抗体陰性・PG陰性)
[B群]
  • H. pyloriに感染しているが、胃粘膜萎縮は進んでいない患者群(H. pylori抗体陽性・PG陰性)
[C群]
  • H. pyloriに感染しており、胃粘膜萎縮も進行した患者群(H. pylori抗体陽性・PG陽性)
[D群]
  • H. pyloriの感染がなく、胃粘膜萎縮が進んでいる患者群(H. pylori抗体陰性・PG陽性)
 A群<B群<C群<D群の順に胃癌発症のリスクが大きくなるため、検診頻度を高める必要がある。ABC(D)分類では、少量の血液で胃の健康度が推定できるが、必要に応じ内視鏡などの併用も忘れてはならない。

【異常を示す疾患】

胃癌萎縮性胃炎

関連疾患

C16.9.8:胃癌 C15-C26:消化器腫瘍
K29.4.1:萎縮性胃炎 K20-K31:食道・胃・十二指腸の疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.

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