検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2018年10月1日時点の情報です。

分野別:
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項目名 胃がんリスク層別化検査(ABC分類)
ABC classification
実施料
未収載
判断料区分  
検査方法
ペプシノゲン LA(ラテックス凝集比濁法)/ヘリコバクター・ピロリ抗体 EIA
検査材料
血清
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 血清 0.6
01
冷蔵
報告所要日数
2~5日
基準値  

※チャート欄参照

臨床的
意義 
ペプシノゲンと抗ヘリコバクター・ピロリIgG抗体の血中濃度を同時に測定することで、萎縮性胃炎と胃癌のリスクを推定する検査。
   ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori、ピロリ菌とも呼ばれる)は体長約2.5~4μmの、らせん形をしたグラム陰性桿菌である。ヒトの胃内に生息し、毒素を産生することで胃十二指腸潰瘍や胃癌の発症に関わっている。H. pyloriによる感染が年余にわたり持続すると、やがて慢性胃炎から萎縮性胃炎、腸上皮化生を経て胃癌発生に至る過程が推定されている。(ヘリコバクター・ピロリの項参照)

一方ペプシンは、蛋白質消化に与る消化管の酵素である。その前駆体ペプシノゲン(PG)の動態は、胃液の分泌状態を反映するため、胃粘膜の老化や萎縮性胃炎の診断に応用されている(ペプシノゲンの項参照)。

胃癌の診断に内視鏡は必須の検査である。しかし検診が目的の場合、コストや患者への侵襲を考えれば無制限に繰り返す訳には行かず、ある程度ハイリスク患者の絞り込みも必要である。この目的を達成するためABC(D)分類が考案された。

ABC(D)分類は、採血によりA,B,C,Dの4段階でリスク評価する検査手法である。胃癌の一因と目されるH. pyloriに対するIgG抗体価と、ペプシノゲンの2項目が測定される。いわば「胃粘膜の萎縮度」を血液で評価し、胃癌のリスクを推定する検査と捉えることができる。A,B,C,D各群は以下のように分類される。

 A群:H. pyloriの感染がなく、胃粘膜萎縮も進んでいない患者群(H. pylori抗体陰性・PG陰性)
 B群:H. pyloriに感染しているが、胃粘膜萎縮は進んでいない患者群(H. pylori抗体陽性、PG陰性)
 C群:H. pyloriに感染しており、胃粘膜萎縮も進行した患者群(H. pylori抗体陽性・PG 陽性)
 D群:H. pyloriの感染がなく、胃粘膜萎縮が進んでいる患者群(H. pylori抗体陰性・PG陽性)

 A群<B群<C群<D群の順に胃がん発症のリスクが大きくなるため、検診頻度を高める必要がある。このようにABC(D)分類では、少量の血液で「胃の健康度」が推定できるが、必要に応じ内視鏡等の併用も忘れてはならない。
備  考

ペプシノゲンとヘリコバクター・ピロリ抗体を実施し、それぞれの判定とABCDEの5分類をご報告致します。

胃がんリスク層別化検査におけるヘリコバクター・ピロリ抗体は2017年4月よりEIA法(Eプレート'栄研'Hピロリ抗体Ⅱ)にて実施しております。従来のLA法では実施しておりません。

 

※ご依頼の際は依頼書に[M74]胃がんリスク層別化検査(D分類)とご記入下さい。
伝送でご依頼の際は次の3項目をご依頼下さい。
[05084]ペプシノゲン《LA》、[30315]ヘリコバクター・ピロリ抗体/ABC《EIA》、[20083]胃がんリスク層別化検査(D分類)

※ピロリ菌の除菌治療を受けた方は当該検査対象外となるため、ピロリ抗体とペプシノゲンの測定値をご報告し、ABCD判定は行わず、E(Eradication)群としてご報告致します。
ご依頼の際は依頼書に[M75]胃がんリスク層別化検査/E群(D分類)とご記入下さい。
伝送でご依頼の際は次の3項目をご依頼下さい。
[05084]ペプシノゲン《LA》、[30315]ヘリコバクター・ピロリ抗体/ABC《EIA》、[20084]胃がんリスク層別化検査/E群(D分類)

※明らかな上部消化器症状のある方、上部消化器疾患治療中の方、プロトンポンプ阻害剤服用中の方、胃切除後の方、腎不全の方、ヘリコバクター・ピロリ菌の治療を受けた方は正しい結果が得られない場合がありますので、予めご注意下さい。
ご依頼に当たっては、ヘリコバクター・ピロリ除菌歴の有無をご確認下さい。未感染者と既感染者ではリスク程度が異なると考えられており、既感染者がA群に編入される可能性があります。
A群はおおむね健康的な胃粘膜で、胃の病気になる可能性は低く、未感染の可能性が高いですが、一部にはピロリ菌の感染や感染の既往がある方が含まれます。一度は内視鏡検査などの画像検査を受けることが理想的です。
E群は除菌により胃がんになるリスクは低くなりますが、決してゼロになるわけではありませんので、除菌後も内視鏡検査による経過観察が必要です。

チャート 

胃がんリスク層別化検査(ABC分類)の判定基準と胃の健康度

容  器 
提出容器

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