検査項目解説

掲載内容は、2014年10月1日までの情報です。ご注意下さい。

入力コード 05103 
項目名 ヘリコバクター・ピロリ抗体 IgG
Helicobacter pylori antibody, IgG
実施料 
80
判断料区分 免疫 
健康保険名称  ヘリコバクター・ピロリ抗体 
検査方法
EIA
検査材料 
血清
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
 1  血清   0.3
01
冷蔵
報告所要日数
2〜4日
基準値  

陰性(−)

(10 U/mL 未満)

臨床的意義  胃・十二指腸潰瘍や胃炎の患者で検出される、らせん状のグラム陰性桿菌。抗体価測定は感染と既往の指標となる。
   ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori; Hp)は1983年にオーストラリアのWarrenとMarshallらによって単離された、オキシダーゼ陽性、微好気性のらせん状に湾曲したグラム陰性桿菌であり、以前はキャンピロバクター・ピロリ(Campylobacter pylori)と呼ばれていた。Hpは胃内に生息する細菌であり胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃炎の患者の粘膜でよく検出され、特に十二指腸潰瘍を伴う慢性萎縮性胃炎患者で高率に認められるため、その原因菌と考えられている。

 HP感染症の検査には培養法をはじめウレアーゼ法、DNA同定、13C-尿素を用いた尿素呼気試験のほか、血中や尿中の抗体価測定等が実用化されている。本検査はこのうち、IgGクラスの抗HP抗体価を測定し、感染の既往、消長をみる検査である。

 HP感染に起因する胃炎と本抗体とは強い相関がみられ、HP感染症診断における本抗体の感度は高い。抗生剤による除菌が奏功すると、抗体の力価は徐々に低下する。しかし陰性となるまで下がるのは稀であり、長期にわたり低下しながらも陽性が持続する場合が多い。したがって初感染の診断には適切な指標とはいえず、陽性の場合は初感染か既往によるものかを鑑別する必要がある。ちなみに日本での抗体保有率は欧米に比較して高く、40才以上での抗体保有者は約60%といわれている(1997年)。

 HP感染の確定診断には、ゴールドスタンダードである培養法の併用が望ましい。しかし内視鏡で胃粘膜を採取する方法に比べ、本検査は非侵襲的なため、スクリーニング目的に用いられる場合もある。また抗菌剤による除菌を行った場合には、長期的な効果判定に用いられる。現在、抗生物質やプロトンポンプ・インヒビターなどを併用した除菌治療法が推奨され、投与8週後に有意な抗体価の低下がみられた場合に除菌治療が有効であったとする報告もある。
陽性を示す病態
ヘリコバクター・ピロリ感染症(胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎)
関連項目 培養・同定 消化器〈胆汁・胃液/その他〉
 

※除菌判定は、除菌後6ヶ月以降。

容  器 
提出容器

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