検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2018年10月1日時点の情報です。

入力コード 27165  統一コード 2B496 
項目名 ADAMTS13インヒビター定量
ADAMTS13 inhibitor,quantitative
実施料
600
判断料区分  
健康保険名称  ADAMTS13インヒビター 
検査方法
Bethesda法
検査材料
クエン酸血漿
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 クエン酸血漿 0.5
15 → 02 ※チャート欄参照
凍結
検査材料備考

※3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、1,500×g、15分間、冷却(2~4℃)遠心分離し、血漿を凍結してご提出下さい(【遠心力の換算表】、およびCLSI/NCCLSドキュメントH21-A5参照)。

報告所要日数
3~5日
基準値  
BU/mL

0.5 未満

臨床的
意義 
止血因子であるフォンウィルブランド因子を特異的に切断する酵素。活性低下で血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)となる。
   ADAMTS13(a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondine type 1 motifs 13)は、フォンウィルブランド因子(VWF)のA2領域における特定部位[tyr(1605)/met(1606)]結合を切断する蛋白融解酵素であり、活性中心に亜鉛分子をもつメタロプロテアーゼである。

 VWFは血漿に存在する糖蛋白であり、血管壁の損傷により露出したコラーゲンや、血小板表面の受容体蛋白質と結合することで、血小板凝集を進める作用を持つ。血管内皮細胞や骨髄巨核球で産生されたVWFは、2,050個のアミノ酸(分子量270kDa)からなるが、できた直後は互いに重合したマルチマーであり、20,000kDaにものぼる巨大な分子構造をしている。マルチマーの形では凝集活性が強いため、血小板凝集を起こしやすい。ADAMTS13は、マルチマーを分解する作用をもつため、適正量のVWFが血中に放出され、適度に抑制された止血機能が維持されている。

 しかし何らかの原因でADAMTS13活性が低下すると、血液中に過剰のVWFが蓄積する。このため血小板凝集による血栓を起こし易くなり、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP; thrombotic thrombocytopenic purpura)を発症する。

 ADAMTS13活性が低下する原因には、先天的なものとしてADAMTS13遺伝子の変異が、後天的なものとしては自己抗体(インヒビター)の産生によるものとがある。ADAMTS13遺伝子の変異はUpshaw-Schulman症候群という名で知られているが、極めて稀である。インヒビターはADAMTS13活性を阻害するため、超高分子VWFの血中蓄積を招き、微小血管における血小板の過剰な凝集を引き起こす。

 TTPは妊娠、SLEなどの膠原病、悪性腫瘍、シクロスポリンなどの薬剤、HIV感染などに随伴してみられる。血小板減少をきたすが血小板補充は病状を悪化させるため行ってはならず、血漿交換が推奨される。同様に重大な血栓症を招来するHUS(溶血性尿毒症症候群)とTTPは関連性が論じられるが、HUSに比し発症年齢が高い特徴をもつ。

 ADAMTS13活性の測定は、従来SDSアガロース電気泳動法にて行われてきたが、操作法が煩雑で判定が困難であった。近年、ADAMTS13の基質であるVWFの切断箇所を持つ合成ペプタイドや、ADAMTS13により切断されて生じるアミノ末端部位を特異的に認識するモノクローナル抗体が開発され、ELISA法による活性測定法が確立された。このELISA法による活性値を利用したBethesda法によりADAMTS13のインヒビターも検出することが可能である。
参考文献:
Medical Technology,Vol.35 No.2,p 120-122.
Medical Technology,Vol.35 No.2,p 161-167.
活性値が低下またはインヒビターが陽性となる病態 
血栓性微小血管障害症(TMA)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
関連項目 血小板数(PLT), フォン・ウィルブランド因子定量(第VIII因子様抗原), フォン・ウィルブランド因子活性(リストセチンコファクター),
備  考

必ず血漿分離の上ご提出下さい。

算定備考

ADAMTS13活性の著減を示す患者に対して、血栓性血小板減少性紫斑病の診断補助を目的として測定した場合またはその再発を疑い測定した場合に算定できます。

後天性血栓性血小板減少性紫斑病と診断された患者またはその再発が認められた患者に対して、診断した日または再発を確認した日から起算して1月以内の場合には、1週間に1回に限り別に算定できます。なお、後天性血栓性血小板減少性紫斑病と診断した日付またはその再発を確認した日付を、診療報酬明細書の摘要欄に記載することが必要です。

チャート 

遠心力の換算表

容  器  
採取容器
提出容器

ページを閉じる