検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00523 |
浸透圧 〈透析液〉3H045-0000-095-902 |
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02 |
4週 冷蔵 |
氷点降下法 | mOsm/kg・H2O |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
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00523 |
浸透圧 〈透析液〉3H045-0000-095-902 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
|
02 |
4週 冷蔵 |
氷点降下法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mOsm/kg・H2O |
2~3日 |
備考
報告
- 報告書では文字数の都合でmOsm/kgと表記しています。
臨床的意義
脱水や昏睡状態で必須の体液恒常性の指標。水分摂取や尿濃縮能を反映し、尿量、発汗量により調節される。
生体の体液濃度や量などの恒常性は血清浸透圧により厳密にコントロールされている。
血清浸透圧はNaやKなどの電解質やグルコース(Glu)、尿素窒素(UN)などの濃度により構成されており、次式により概算される。
血清浸透圧=2(Na+K)+UN/2.8+Glu/18
(電解質の単位はmEq/L, GluとUNはmg/dL)
上式があてはまらない例として、著しい高血糖や高脂血症、高ガンマグロブリン血症などがある。
また、他にアルブミン濃度により決定されている膠質浸透圧があるが浸透圧全体に占める割合は小さい。
浸透圧は第一義的には口渇による水分摂取と抗利尿ホルモン(ADH)を介した尿量により調節される。水分摂取量が少ないと、体液量の減少により浸透圧が上昇することでADHの分泌が亢進する。これにより尿細管の水分再吸収が促進され、尿は少量となり濃縮されて尿浸透圧は上昇、血清浸透圧は低下する。このように浸透圧は体液の濃縮・希釈の動態に密接な関係があるため、血中Naの異常やADH分泌異常、腎における尿の希釈や濃縮能異常の原因究明に用いられる。本検査はこの浸透圧をモル凝固点降下の原理で測定するものである。
【高値を示す病態】
[血清] 高Na血症(中枢性尿崩症、脱水によるものなど)、高血糖、糖尿病性昏睡、激しい下痢、発汗、高窒素血症、高尿酸血症、Na過剰摂取 など
[尿] ADH分泌過剰(SIADH、浮腫)、浸透圧利尿、腎不全
【低値を示す病態】
[血清] 低Na血症(SIADH、浮腫)、浸透圧利尿、甲状腺機能低下症、Na摂取不足
[尿] ADH分泌低下、腎糸球体機能低下、腎性尿崩症 など