検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 有効治療濃度 採血時期 |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
26807 |
バルビツール酸スクリーニング 〈血清〉3L466-0000-023-205 |
遠心
|
03 ↓
02 |
3週 凍 |
LC-MS/MS | μg/mL (基準値) |
6~11日 |
項目 コード |
検査項目 |
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26807 |
バルビツール酸スクリーニング 〈血清〉3L466-0000-023-205 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
03 ↓
02 |
3週 凍 |
LC-MS/MS |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
μg/mL (基準値) |
6~11日 |
備考
項目
- チャート参照:バルビツール酸スクリーニング対象薬物
「薬毒物検査」分野共通の特記事項
- [ご注意]血中薬物検査をご依頼の際は、分離剤入り採血管は使用しないでください(測定値が分離剤の影響を受ける場合があります)。
チャート

容器
臨床的意義
抗てんかん剤や麻酔剤として用いられている。本検査はバルビタール酸系薬物を誘導体別に測定する。
バルビツール酸(Barbiturate)は1864年にドイツのバイエルらによって合成され、150年もの長い歴史をもつ薬物であり、名称は聖バルバラ(Barbara)と尿素(Urea)の合成語に由来するといわれている。
現在でも広く抗てんかん剤や麻酔剤として用いられているが、不眠症治療のための睡眠導入剤としては近年ベンゾジアゼピン系が多く用いられるようになっている。
バルビツール酸は主に抑制的神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)の作用を増強することにより中枢神経系を抑制し、抗けいれん作用を発揮するため、フェノバルビタールなどがてんかん治療に広く用いられている。
精神科領域においては過量服薬がしばしば問題となるが、多くの薬物は生命にかかわることは少ないとされている。しかし、バルビツール酸の服用中における過量服薬では重症化することがあり、特に救急医療の場では救命後の治療のため、服用薬物の同定が有用とされる。また、バルビタールを例にとると最低致死量と最高常用量の差が約10倍と非常に狭く、膨大な量を服用する必要性が低いため、自殺目的に用いられることも珍しくない。
バルビツール酸には簡易検出試薬もあるが、本検査はバルビタール酸系薬物を誘導体別に測定するため、実際に服用された薬物を判別・特定することによる確定検査が可能である。
また、近年、企業の特定薬物検査の必要性が高まっており、職域における濫用を抑制するためにも有用と考えられる。
参考文献
深井康臣, 他: 日本臨牀 62, (増12), 364, 2004.
北元 健: 救急・集中治療 25, (7-8), 834, 2013.