検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01038 |
17-ケトステロイド分画 (17-KS分画) 3分画4D016-0000-004-203 |
|
25 |
4週 冷蔵 |
GC-MS/MS | mg/day |
包括213 D008 43 生Ⅱ |
5~7日 |
項目 コード |
検査項目 |
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01038 |
17-ケトステロイド分画 (17-KS分画) 3分画4D016-0000-004-203 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
|
25 |
4週 冷蔵 |
GC-MS/MS |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
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mg/day |
包括213 D008 43 生Ⅱ |
5~7日 |
備考
依頼
- 分画数をご指定ください。
検体
- 蓄尿時は冷暗所に保管してください(保存剤による影響はありません)。
基準
- チャート参照:「17-KS分画」基準値
診療報酬
- 保険名称:内分泌学的検査/17-ケトステロイド分画(17-KS分画)
- 実施料:包括213
- 診療報酬区分:D008 43
- 判断料区分:生化学的検査(Ⅱ)
チャート

臨床的意義
ステロイドを3,7および10分画に分け、副腎皮質機能異常を各分画の値により明確に評価が可能。
17-ケトステロイド(17-KS)は男性ホルモンの大部分を占めるC-19化合物のなかで、ステロイド骨格のC-17位にケトン基を有するものの総称である。11-oxy-17-KSと11-deoxy-17-KSに大別されるが、尿中に現れるものとしては副腎皮質で産生されるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)とアンドロステンジオン、およびその代謝物であるコルチゾールなどC-17位に水酸基をもった側鎖酸化物がある。
11-oxy-KSは副腎由来のコルチゾールが代謝を受けたもので、11-ケトアンドロステロン(11-keto-An)、11-ケトエチオコラノロン(11-keto-Et)、11-ハイドロキシアンドロステロン(11-OH-An)、11-ハイドロキシエチオコラノロン(11-OH-Et)が含まれる。一方、11-deoxy-KSには、主に副腎皮質で産生されるDHEAとアンドロステンジオンやテストステロンの代謝物であるアンドロステロン(An)、エチオコラノロン(Et)などが含まれる。17-KSのなかでDHEA、An、Etが総量の50~60%以上を占め、残りが他の4成分による。
尿中に排泄される17-KSは健常成人男性の場合、約2/3が副腎由来、残りの約1/3が性腺由来である。小児や女性の場合はほとんどが副腎由来である。
本検査を行う場合は蓄尿検体を用いる。採尿状態が大きな影響を及ぼすので正しい採尿を行うことはもちろん、尿量に変化がある場合は同時にクレアチニンを測定するのが望ましい。また、一部の薬剤により影響を受けることがあるので注意する。
【高値を示す病態】
副腎癌、Cushing病、異所性ACTH産生腫瘍、先天性副腎皮質過形成、甲状腺機能亢進症、Leydig細胞腫瘍、多嚢胞性卵巣症候群(PCO) など
【低値を示す病態】
ACTH単独欠損症、Addison病、下垂体前葉機能低下症、甲状腺機能低下症、性腺機能低下症、肝硬変、ステロイドホルモン治療中
参考文献
Suzuki, T. et al.: Endocrine J. 50, 571, 2003.