検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
25920 |
HTLV-Ⅰ抗体 (ATLA抗体)《スクリーニング》5F450-1430-023-117 |
遠心
|
01 |
3週 冷蔵 |
PA | 16 倍 未満 |
85 D012 13 免疫 |
2~4日 |
項目 コード |
検査項目 |
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25920 |
HTLV-Ⅰ抗体 (ATLA抗体)《スクリーニング》5F450-1430-023-117 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
3週 冷蔵 |
PA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
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16 倍 未満 |
85 D012 13 免疫 |
2~4日 |
備考
報告
- 検査結果が陽性の場合には、「確認試験」の実施を推奨します。
診療報酬
- 保険名称:感染症免疫学的検査/HTLV-Ⅰ抗体半定量
- 実施料:85
- 診療報酬区分:D012 13
- 判断料区分:免疫学的検査
臨床的意義
妊婦健康診査におけるウエスタンブロット法での「判定保留」例におけるHTLV-1感染の確定診断に有用。
HTLV-1は成人T細胞白血病(Adult T-cell Leukemia;ATL)の原因ウイルスで、ヒトリンパ球DNA中にプロウイルスDNAとして組み込まれ、持続感染し、そのごく一部の患者が白血病を発症する。
その感染経路には、輸血等による血液の注入、母子感染(主に母乳)、性行為による感染などがあり、感染リンパ球が移行することにより感染が成立する。
現在、日本に約100万人、世界で約3,000万人以上のキャリアがいるといわれている。
このウイルスは、インフルエンザウイルス等とは異なり、感染しても全く自覚症状がないが、一度感染するとリンパ球の中で生き続け、潜伏期間は40年以上といわれている。
HTLV-1は感染力の非常に弱いウイルスなので、大量のウイルスが体内に入らないと感染は起こらないが、現在、母乳中に含まれるHTLV-1に感染したT細胞を乳児が大量に摂取してしまう母子感染が問題となっている。そのため厚生労働省の決定により、平成22年度よりヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)抗体検査は妊婦健康診査の標準的検査となっている。
なお、HTLV-1感染の診断は、スクリーニング検査の陽性者に対してウエスタンブロット法で確認試験を行っていたが、「判定保留」となる比率が10~20%と比較的高いことが問題となっている。
本検査はPCR法を用いた定性検査で、ウエスタンブロット法での「判定保留」例におけるHTLV-1感染の確定診断に有用である。
参考文献
宮本寛治, 他: 医学と薬学 23, 351, 1990.