検査項目解説 掲載内容は、2022 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00248 |
トランスフェリン (Tf)5C060-0000-023-061 |
遠心
|
01 |
1週 冷蔵 |
TIA | mg/dL 190~320 |
60 D015 7 免疫 |
1~2日 |
項目 コード |
検査項目 |
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00248 |
トランスフェリン (Tf)5C060-0000-023-061 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
1週 冷蔵 |
TIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mg/dL 190~320 |
60 D015 7 免疫 |
1~2日 |
備考
検体
- チャート参照:生化学検査・免疫血清学検査などにおいて、多項目同時依頼の際の必要血清量は、[0.45 + (0.05 x 依頼項目数)]mLが目安となります。
参考
- チャート参照:透析管理料の対象項目です。
診療報酬
- 保険名称:血漿蛋白免疫学的検査/トランスフェリン(Tf)
- 実施料:60
- 診療報酬区分:D015 7
- 判断料区分:免疫学的検査
チャート

臨床的意義
主に肝臓で産生され、鉄を運搬する血漿蛋白。鉄代謝や造血機能を反映する。
トランスフェリン(Tf)はβグロブリン分画に属する血漿蛋白で、主に肝臓で合成される。
血清中では鉄と結合して生体内の種々の組織へ鉄を輸送する役割を持つ。1分子のTfはFe3+2原子と結合しうる。正常ではTfの1分子の約3分の1が鉄と結合しているため、さらに血清鉄濃度の2倍量と結合しうる能力(不飽和鉄結合能)を保有している。
Tfは貯蔵する鉄が減少するに従い増加する。妊娠時には貯蔵鉄の枯渇により、その値は単純な鉄欠乏性貧血以上に高値となる。逆に貯蔵鉄が増加した場合(ヘモクロマトーシスなど)、Tfは低下する。また、各種の悪性疾患、炎症、造血能低下状態、肝硬変症などでは肝での産生低下のため減少し、ネフローゼ症候群や蛋白漏出性胃腸症では体外への喪失に伴い低下する。血清中での鉄はすべてTfと結合しており、貯蔵にはヘモジデリンとフェリチンが関与している。よって鉄代謝の把握にはこれらの項目や不飽和鉄結合能の測定が行われる。
なお、アルコール依存症患者の血中には、糖鎖末端にシアル酸、ガラクトース、GlcNAcなどを欠いたTfの比率が高く、糖鎖欠損Tfと呼ばれる。
【高値を示す病態】
鉄欠乏性貧血、真性多血症、急性肝炎(肝細胞からの逸脱による)、妊娠中期・後期
【低値を示す病態】
肝硬変、ネフローゼ症候群(尿中への喪失による)、慢性骨髄性白血病、悪性腫瘍、無トランスフェリン血症
参考文献
島 英明, 他: 医学と薬学 32, 145, 1994.