検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

35027

MRSAスクリーニング 〈スタンプ〉

6B050-0000-099-750

スタンプ培地

常温

培養・同定

4~6日

項目
コード
検査項目

35027

MRSAスクリーニング 〈スタンプ〉

6B050-0000-099-750

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法
スタンプ培地

常温

培養・同定
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

4~6日

備考

容器

  • ※ブドウ球菌専用スタンプをご利用ください。

方法

  • Clinical microbiology procedures handbook/ Manual of clinical microbiologyに準拠。

「微生物学検査」分野共通の特記事項

  • [お願い]微生物学検査をご依頼の際は、専用依頼書をご使用ください(項目に依頼書の指定があるものを除く)。また、注意事項がありますので、「微生物学検査のご依頼について」(チャート参照)をご確認ください。
    喀痰をご提出の場合は、「喀痰の品質評価について」(チャート参照)をご参照ください。
    検査の報告表記については、「塗抹検査の報告表記」(チャート参照)、「培養同定検査の報告表記」(チャート参照)をご参照ください。

臨床的意義

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が抗菌薬への耐性を獲得したもので、メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)という。MRSAの拡大阻止のためにも院内感染対策が求められる。

 代表的なグラム陽性球菌である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は、各種の化膿性疾患、肺炎、食中毒、敗血症の原因菌である。基本的にブドウ球菌は、ペニシリン系、セフェム系などβ-ラクタム環を持つ抗生剤に感受性を示す。しかし1980年代初頭より、これらに耐性を獲得したメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)が出現、国内に広く分布するに至った。現在、患者から検出される黄色ブドウ球菌の半数近く(施設によっては過半数)がMRSAとなっている。MRSAは、本邦の代表的な院内感染原因菌として注目を集めるに至っている。いわば免疫能が低下した患者を巨大な培地としてMRSAは増殖し、医療スタッフの不十分な手洗いや、菌を含んだ喀痰等の飛散を介して、周囲に伝播される。さらに1990年頃からは、「市中獲得MRSA」と呼ばれる病院外のMRSA保菌者が増加し、これらの人々が入院することで、周囲の免疫能低下患者に感染を広げる恐れが指摘されている。

 MRSAの場合、菌の検出イコール感染症の発生を意味するものではない。MRSAは弱毒菌であるため、先に述べたように、健常保菌者がかなりの割合で存在する。したがって検出された場合には、単なる菌の定着(colonization)である可能性も考慮し、実際に菌が検出された部位に炎症が起こっている事を確認してはじめてMRSA感染症とすべきである。一方、免疫能が低下しているcompromised hostでは、MRSAが術後感染症や、敗血症、骨髄炎、心内膜炎、膿胸、腸炎、肺炎、気管支炎など種々の重症感染症を引き起こす。このため、免疫能が低下した者を、いかにしてMRSAの接触から回避させるかが、院内感染対策の要となる。

 MRSAの薬剤耐性は、本菌に特徴的なペニシリン結合蛋白(Penicillin Binding Protein; PBP)によりもたらされる。β-ラクタム系抗生剤は、細菌が細胞壁を作る際必要な「細胞壁合成酵素群」と特異的に結合し、壁合成を阻害することで抗菌力を発揮する。PBPはこの酵素群の一種で、通常の黄色ブドウ球菌はPBP1~4を持っているが、MRSAではこのほかにPBP2'という酵素をもつ。PBP2'の名称は、分子量がPBP1と2の中間であることに由来する。厄介なことにPBP2'は、PBP1~4よりもβ-ラクタム系抗生剤との親和性が低く、また抗生剤の濃度に比例して産生されるという特性をもつ。このため、たとえβ-ラクタム系抗生剤が存在しても、MRSAの細胞壁合成はPBP2'のおかげで支障なく行われる結果となり、増殖が可能となる。

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記載内容について

記載内容について

検査項目名称

すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし、それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました。ただし、アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました。また、略号が通例化しているものは、略号をもって検査項目名称としました。

「検査項目名」欄:JLAC10コード

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

検査材料に関する主な用語

検査材料 概要
血液 検査のために採取していただく肘静脈血を表します。
~加血液 採血後速やかに添加剤を混和した血液を表します。
添加剤の種類により、「EDTA加血液」、「ヘパリン加血液」、「クエン酸加血液」、「NaF加血液」などと表示します(所定の添加剤入り弊社指定容器に血液を採取してください)。
~血漿 採血後速やかに添加剤を混和し、遠心分離によって得られた血漿を表します。添加剤の種類により、「EDTA血漿」、「ヘパリン血漿」、「クエン酸血漿」などと表示します。なお、単に「血漿」とあるものについては、「備考」欄に添加剤の種類を別記しています。
血清 採血後、血餅の収縮を待って遠心分離して得られた上清を表します。特に添加剤を用いる必要のある場合は、その旨を「備考」欄に記載しています。
尿 原則として自然排尿された尿を表します。なお、「蓄尿」を要する場合、「備考」欄に使用する防腐剤の種類を別記しています。採尿方法については,以下を参考としてください。 1) 普通尿の場合: 新鮮尿を清潔な乾燥した容器に直接排尿するか,清潔な乾燥した携帯便器に排尿させ,指定の検体容器に直接 移し替えます. 2) 中間尿の場合: 清潔な排尿容器を手に持ち,放尿を開始します.最初は便器に排尿し,大体排尿が半ばに達した頃,排尿を中断 せずにそのまま採尿容器に放尿し,終わりに近づいた頃,再び便器に放尿します. 3) 無菌尿の場合: 男女とも陰部を刺激の少ない消毒液で洗浄しておき,清潔で乾燥した容器に中間尿を採尿します.細菌検査など の場合には,膀胱カテーテル法を用いて採尿しても構いません.

「容器」欄の番号

検体採取および提出時に用いる容器の種類は、巻末「容器一覧表」の頁に掲載する容器番号で表しています。また、容器番号の網掛け色は容器キャップの色を表しています。

「保存方法」欄の用語

提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません)。検査項目によっては、検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください。

必ず凍結(-10℃以下)保存してください。凍結温度指定のあるものは、その旨を記載しています。なお、凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします。
4℃前後で保存してください。また、数日以上にわたって保存される場合は、凍結していただくようお願いします。なお,凍結不可の材料については、その旨を記載しています。
常温保存してください(20℃前後)。

「保存方法」欄:検体の安定性

適正な検査結果をお届けすることができる、検体採取後における提出用材料の保存安定性の維持期間です。

「基準値」欄の用語

M:男性(Male) F:女性(Female)

「基準値」欄の単位記号

L liter(=1,000mL)
dL deciliter(=100mL)
mL milliliter
mm3 cubicmillimeter
μ3 cubicmicron
g gram
mg milligram(=0.001g)
μg microgram(=0.001mg)
ng nanogram(=0.001μg)
pg picogram(=0.001ng)
U Unit
UA Allergen Unit
mU milli Unit(=0.001U)
μU micro Unit(=0.001mU)
IU International Unit
AU Arbitrary Unit
BU Bethesda Unit
RLU Relative Light Unit
R.U. RPR Units
T.U. Titer Units
U mmol millimole(=0.001mol)
μmol micromole(=0.001mmol)
nmol nanomole(=0.001μmol)
pmol picomole(=0.001nmol)
fmol femtomole(=0.001pmol)
mEq milli Equivalent
FE Fibrinogen Equivalent
BCE Bone Collagen Equivalent
mOsm milli Osmole
sec second
U min minute
h hour
% percent
permill
SI Stimulation Index
cpm count per minute
RBC Red Blood Cell
LogIU Log International Unit

マーク表記の一覧

マーク一覧
倫理対象 遺伝学的検査など倫理的な配慮が必要な項目です。
曜日指定 指定曜日のみ受託可能です。
単独検体 他の項目とは別に,専用の検体としてご提出ください。
複数検体 ペア検体での出検が必要な項目です。
指定容器 必ず指定容器でご提出ください。
溶血不可 溶血検体は検査値に影響を及ぼすため避けてください。
酸性蓄尿不可 酸性蓄尿は検査値に影響を及ぼす場合がありますので避けてください。
開栓不可 コンタミネーション防止などのため,検体採取後は容器を開栓しないでください。
遠心 遠心分離してください。
冷遠 冷却下で遠心分離してください。
遮光 遮光 直射日光や蛍光灯などを避け,遮光した容器でご提出ください。
診療報酬算定における,慢性維持透析患者外来医学管理料の包括対象となる項目です。
診療報酬算定における,手術前医学管理料の包括対象となる項目です。
FAX 緊急報告値が検出された場合に,速やかにご報告する項目です。
総合検査依頼書(弊社の標準的な依頼書)のマークチェックでご依頼が可能な項目です。
指定依頼書 使用する依頼書の種類に指定があります.備考欄に記しています。
専用依頼書 使用する依頼書の種類が通常外です.専用の依頼書があります。
遺伝学依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】」です。
先天依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【先天異常・染色体検査】」です。
本年度版で新たに掲載された検査項目です。