検査項目解説 掲載内容は、2022 年 6 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00658 |
ベンス・ジョーンズ蛋白定性[尿検査]1A110-0000-001-920 |
|
26 |
冷蔵 |
Putnum法 | (-) |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
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00658 |
ベンス・ジョーンズ蛋白定性[尿検査]1A110-0000-001-920 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
|
26 |
冷蔵 |
Putnum法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
(-) |
2~3日 |
備考
報告
- 検査結果が陽性の場合には、免疫学的同定を推奨します。
「尿検査」中分類共通の特記事項
- [ご参考]「尿検体の採取方法」(チャート参照)を掲載しています。
臨床的意義
特異な熱凝固性を有する単クローン性の免疫グロブリンL鎖。多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症で出現。
健康人の尿中に出現する蛋白質は通常、アルブミンがごく微量に認められる程度である。
しかし、多発性骨髄腫など病的な状態では量的にも質的にも変化をきたす。なかでもベンスジョーンズ蛋白(BJP)は免疫グロブリン分子の一部であり、特異な熱凝固性(40℃で混濁、60℃で凝固するが、100℃加熱で再溶解)を示す事で知られる。
BJPは免疫グロブリンの構成ポリペプチド鎖のうち、遊離のL鎖が単クローン性に血中や尿中に出現したものである。多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症患者の約60%に尿中BJPが出現し、同患者の約5%には、血清中に骨髄腫蛋白(M蛋白)を認めず、血中・尿中BJP陽性のみの所見を示す場合もある。このほかアミロイドーシス、本態性M蛋白血症(MGUS)・骨肉腫・リンパ性白血病などで尿中BJP陽性が報告されているが、その頻度はまれで、蛋白量も多発性骨髄腫に比べると僅かである。
なお、BJPは分子量が小さいため、通常の尿試験紙法では蛋白として検出されない。このため腰痛などで多発性骨髄腫が疑われる患者にBJPの有無をみる場合には、本法のような定性検査が別に必要である。
なお、本検査はBJPの有無を温度の変化によって確認するものであるが、感度や特異性の点でより正確を期するのであれば、免疫電気泳動法による確認を行うべきである。BJPが存在すると、免疫電気泳動では抗κまたはλ抗体にてM-bowが認められ、抗H鎖抗体で同じ易動度にM-bowは認められない。
【陽性を示す病態】
多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症、B細胞型慢性リンパ性白血病などで尿中に排泄される。
(陽性の場合は免疫電気泳動法で確認すべきである)
参考文献
大谷英樹: 検査と技術 20, (増), 82, 1992.