検査項目解説 掲載内容は、2021 年 12 月 01 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

34153

蛋白分画 (PR-F)

3A020-0000-023-237

溶血不可

血液
2

遠心

 

血清
0.4

 

 

 

 

01

 

 

 

1週

冷蔵

キャピラリー電気泳動法

包括18

D007 4

生Ⅰ

2~3日

項目
コード
検査項目

34153

蛋白分画 (PR-F)

3A020-0000-023-237

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法

溶血不可

血液
2

遠心

 

血清
0.4

 

 

 

 

01

 

 

 

1週

冷蔵

キャピラリー電気泳動法
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

包括18

D007 4

生Ⅰ

2~3日

備考

項目

  • 造影剤などの薬剤を投与された場合には検査値に影響がみられる可能性があります。

検体

  • 溶血検体でのご依頼は避けてください。

基準

  • チャート参照:「蛋白分画」基準値

参考

  • チャート参照:透析管理料の対象項目です。
  • 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。

診療報酬

  • 保険名称:血液化学検査/蛋白分画
  • 実施料:包括18
  • 診療報酬区分:D007 4
  • 判断料区分:生化学的検査(Ⅰ)

「蛋白分画」、「総蛋白」、「アルブミン」を併せて測定した場合は、主たるもの2つの所定点数を算定できます。

チャート

「蛋白分画」基準値

容器

容器番号01:汎用容器(分離剤入り)

  • 容量:
    6mL・8.5mL
  • 添加剤:
    凝固促進剤
  • 保管方法・有効期間:
    常温
    容器および箱表示
  • 主な検査項目:

臨床的意義

血清中の蛋白質の構成比より、さまざまな病態の把握を行う基本的な検査。数値よりも分画パターンが重要。

 血清中の蛋白質は無数の蛋白成分より構成され、その主なものはアルブミン、グロブリン、リポ蛋白などである。これらの蛋白質は生体を維持する上でそれぞれ独特の役割を持つが、この構成比からさまざまな病態の把握を行うのが蛋白分画の検査である。個々の蛋白測定に比べ、疾患特異性や感度は劣るが、迅速、簡便かつ安価に血清蛋白全体の状況が把握できる利点を持つ。このため日本臨床検査医学会の提案する「日常診療における基本的臨床検査」に採用されている。

 それぞれの分画に含まれるおもな蛋白を次項に示すが、実際は各分画で量的にもっとも多い蛋白1~2種類の変動が大きく反映される。たとえばα1分画では急性相反応物質であるα1アンチトリプシンが主体で、炎症性疾患で上昇する。

 α2分画ではハプトグロビンが主体で、炎症で増加する。β分画ではリポ蛋白とトランスフェリンが主体で、前者は高脂血症で増加、後者は腎糸球体障害や慢性消耗性疾患で減少する。γ分画ではIgGがもっとも多く、炎症性疾患やM蛋白血症で増加する。

 これらの動きは個々の分画の数字で見るべきではなく、電気泳動によって得られた分画像をデンシトメータにより表した曲線のパターンで判別する。すなわち健常人の蛋白分画パターンは、アルブミンを左側に記載した場合、 それぞれの頂点がα1<α2<β<γとほぼ単調増加のパターンをとる。もしこの大小関係に破綻がみとめられれば、その分画に存在する蛋白(前述の代表的蛋白である場合が多い)に量的変動があったと推定される。

 なお、α2、α2などの名称は電気泳動を行った場合の泳動先を意味する。アルブミンに近い順、すなわち陽極の近くからα1、α2、β、γと名付けられており、ちょうどマラソンで言えば先頭集団、第2集団・・・に相当する。蛋白名称の冒頭に付けられるα-xxなどの名称もこれに則ったものが多い。

以下に各分画成分に含まれるおもな蛋白質を列挙する。
・[アルブミン分画] アルブミン(これより陽極側にはプレアルブミンが存在する)
・[α1グロブリン分画] α1アンチトリプシン、α1酸性糖蛋白、HDLなど
・[α2グロブリン分画] α2HS糖蛋白、α2マクログロブリン、ハプトグロビン、セルロプラスミンなど
・[βグロブリン分画] C3、C4、トランスフェリン、βリポ蛋白、ヘモペキシンなど
・[γグロブリン分画] 免疫グロブリン(IgA、IgM、IgG、IgD、IgE)
※これらの分画成分に含まれる蛋白質が疾患等により増減すると構成比が変化し、特有の泳動パターンを示す。なお、M蛋白では特有のMピークが出現し、その同定には、免疫電気泳動が必要である。

【異常を示す病態】
 [急性炎症型] Alb↓、α1↑、α2
 [慢性炎症型] Alb↓、α1↑、α2↑、β↓、γ↑
 [急性肝障害型] Alb↓、α2↓、経過と共にγ↑(血清総蛋白量低下)
 [慢性肝障害型] Alb↓、α2↓、γ↑(増加したγ分画がβに迫りβ-γ bridgingとなる。)
 [蛋白不足型] Alb↓、α2↓、β↓、γ↓(血清総蛋白量低下)
 [ネフローゼ型] Alb↓、α2↑、β↑、γ↓(血清総蛋白の著明な低下)
 [M蛋白血症型] 細く狭い蛋白帯(M peak)が主にγグロブリン領域に出現
 [妊娠型] Alb↓、β↑(血清総蛋白量低下)

参考文献

伊藤喜久: Medical Technology 39, (3), 278, 2011.
藤川麻由美,他: 医学検査 62, (Suppl), 37, 2013.

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記載内容について

記載内容について

検査項目名称

すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし、それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました。ただし、アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました。また、略号が通例化しているものは、略号をもって検査項目名称としました。

「検査項目名」欄:JLAC10コード

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

検査材料に関する主な用語

検査材料 概要
血液 検査のために採取していただく肘静脈血を表します。
~加血液 採血後速やかに添加剤を混和した血液を表します。
添加剤の種類により、「EDTA加血液」、「ヘパリン加血液」、「クエン酸加血液」、「NaF加血液」などと表示します(所定の添加剤入り弊社指定容器に血液を採取してください)。
~血漿 採血後速やかに添加剤を混和し、遠心分離によって得られた血漿を表します。添加剤の種類により、「EDTA血漿」、「ヘパリン血漿」、「クエン酸血漿」などと表示します。なお、単に「血漿」とあるものについては、「備考」欄に添加剤の種類を別記しています。
血清 採血後、血餅の収縮を待って遠心分離して得られた上清を表します。特に添加剤を用いる必要のある場合は、その旨を「備考」欄に記載しています。
尿 原則として自然排尿された尿を表します。なお、「蓄尿」を要する場合、「備考」欄に使用する防腐剤の種類を別記しています。採尿方法については,以下を参考としてください。 1) 普通尿の場合: 新鮮尿を清潔な乾燥した容器に直接排尿するか,清潔な乾燥した携帯便器に排尿させ,指定の検体容器に直接 移し替えます. 2) 中間尿の場合: 清潔な排尿容器を手に持ち,放尿を開始します.最初は便器に排尿し,大体排尿が半ばに達した頃,排尿を中断 せずにそのまま採尿容器に放尿し,終わりに近づいた頃,再び便器に放尿します. 3) 無菌尿の場合: 男女とも陰部を刺激の少ない消毒液で洗浄しておき,清潔で乾燥した容器に中間尿を採尿します.細菌検査など の場合には,膀胱カテーテル法を用いて採尿しても構いません.

「容器」欄の番号

検体採取および提出時に用いる容器の種類は、巻末「容器一覧表」の頁に掲載する容器番号で表しています。また、容器番号の網掛け色は容器キャップの色を表しています。

「保存方法」欄の用語

提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません)。検査項目によっては、検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください。

必ず凍結(-10℃以下)保存してください。凍結温度指定のあるものは、その旨を記載しています。なお、凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします。
4℃前後で保存してください。また、数日以上にわたって保存される場合は、凍結していただくようお願いします。なお,凍結不可の材料については、その旨を記載しています。
常温保存してください(20℃前後)。

「保存方法」欄:検体の安定性

適正な検査結果をお届けすることができる、検体採取後における提出用材料の保存安定性の維持期間です。

「基準値」欄の用語

M:男性(Male) F:女性(Female)

「基準値」欄の単位記号

L liter(=1,000mL)
dL deciliter(=100mL)
mL milliliter
mm3 cubicmillimeter
μ3 cubicmicron
g gram
mg milligram(=0.001g)
μg microgram(=0.001mg)
ng nanogram(=0.001μg)
pg picogram(=0.001ng)
U Unit
UA Allergen Unit
mU milli Unit(=0.001U)
μU micro Unit(=0.001mU)
IU International Unit
AU Arbitrary Unit
BU Bethesda Unit
RLU Relative Light Unit
R.U. RPR Units
T.U. Titer Units
U mmol millimole(=0.001mol)
μmol micromole(=0.001mmol)
nmol nanomole(=0.001μmol)
pmol picomole(=0.001nmol)
fmol femtomole(=0.001pmol)
mEq milli Equivalent
FE Fibrinogen Equivalent
BCE Bone Collagen Equivalent
mOsm milli Osmole
sec second
U min minute
h hour
% percent
permill
SI Stimulation Index
cpm count per minute
RBC Red Blood Cell
LogIU Log International Unit

マーク表記の一覧

マーク一覧
倫理対象 遺伝学的検査など倫理的な配慮が必要な項目です。
曜日指定 指定曜日のみ受託可能です。
単独検体 他の項目とは別に,専用の検体としてご提出ください。
複数検体 ペア検体での出検が必要な項目です。
指定容器 必ず指定容器でご提出ください。
溶血不可 溶血検体は検査値に影響を及ぼすため避けてください。
酸性蓄尿不可 酸性蓄尿は検査値に影響を及ぼす場合がありますので避けてください。
開栓不可 コンタミネーション防止などのため,検体採取後は容器を開栓しないでください。
遠心 遠心分離してください。
冷遠 冷却下で遠心分離してください。
遮光 遮光 直射日光や蛍光灯などを避け,遮光した容器でご提出ください。
診療報酬算定における,慢性維持透析患者外来医学管理料の包括対象となる項目です。
診療報酬算定における,手術前医学管理料の包括対象となる項目です。
FAX 緊急報告値が検出された場合に,速やかにご報告する項目です。
総合検査依頼書(弊社の標準的な依頼書)のマークチェックでご依頼が可能な項目です。
指定依頼書 使用する依頼書の種類に指定があります.備考欄に記しています。
専用依頼書 使用する依頼書の種類が通常外です.専用の依頼書があります。
遺伝学依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】」です。
先天依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【先天異常・染色体検査】」です。
本年度版で新たに掲載された検査項目です。