検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2021年9月1日時点の情報です。

分野別:
入力コード 00416  統一コード 5E225 
項目名 エキノコックス抗体
Echinococcus antibody
実施料
未収載
判断料区分  
検査方法
EIA
検査材料
血清
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 血清 0.3
01
凍結
検査材料備考

EDTA、ヘパリンなどの抗凝固剤は使用不可。

報告所要日数
4~8日
基準値(単位)  

陰性(-)

臨床的
意義 
キツネやイヌの糞便からヒトに感染し、肝臓や脳に障害をきたす包虫症エキノコックスの血清診断。
   エキノコックス(Echinococcus)は人畜共通感染症を引き起こす条虫の一種である。単包条虫(E.granulosus)と多包条虫(E.multilocularis)が知られ、広く世界に分布している。単包条虫はおもに家畜間、多包条虫は野生動物間で伝播する。

 エキノコックスの成虫は体長約5mmである。近年問題となっている多包条虫を例にとると、イヌやキツネなどを終宿主として小腸に寄生し、その糞便中に虫卵が排泄される。虫卵を摂取した野ネズミの肝臓で幼虫(包虫)となり、それを捕食した終宿主の体内で成虫となる。

 ヒトが虫卵を摂取した場合は、六鉤幼虫が腸壁を通って侵入し、門脈系に入り込み肝臓に到達した後、無性増殖し肝臓を侵す。また、虫体の一部の原頭節が血流に乗り、他の臓器に到達してさらに増殖する。脳に到達するとさまざまな神経症状を引き起こし、神経疾患と誤診されるおそれもある。診断にはまず動物との接触歴の聴取と本症を疑うことが肝要である。

 日本での発生例は北日本、特に北海道に多く毎年10人程度の患者の報告があり、今後本州方面も含め増加する可能性が懸念されている。また、最終宿主であるキタキツネにおいては、多包条虫成虫の保有率が50%を越えたという報告もある。また、近年ではブタでの包虫症も報告されている。

 エキノコックスに感染すると次のような経過をたどる。

第1期(潜伏期)
 特徴的な症状のないまま経過。数年から十数年にもわたる。

第2期(進行期)
 上腹部の膨満がみられ次第に肝臓の肥大が進行し発熱・黄疸が出現する。

第3期(終末期)
 腹水が貯留し、門脈圧亢進がみられ、肝不全、消化管出血により死に至る。

 本検査はエキノコックス感染を血中の特異抗体で診断するものであり、虫体の証明を必要としない利点がある。

【陽性を示す病態】
 エヒノコックス感染症(単包条虫症、多包条虫症)
 肝腫大・腹水・脳症をきたす
容  器 
提出容器

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