WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 11 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
05344 |
HCV群別 |
遠心
|
01 |
冷蔵 |
CLEIA | 包括215 D013 11 免疫 |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
05344 |
HCV群別 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
冷蔵 |
CLEIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
包括215 D013 11 免疫 |
2~3日 |
診療報酬
- 保険名称:肝炎ウイルス関連検査/HCV血清群別判定
- 実施料:包括215
- 診療報酬区分:D013 11
- 判断料区分:免疫学的検査
C型肝炎の診断が確定した患者に対して、C型肝炎の治療法の選択の目的で実施した場合に、患者1人につき1回に限り算定できます。
容器
容器番号01:汎用容器(分離剤入り)
- 容量: 6mL・8.5mL
- 添加剤: 凝固促進剤
- 保管方法:常温
- 有効期間:容器および箱表示
- 主な検査項目: -
参考文献
長谷川瞳, 他: 医学と薬学 70, (3), 633, 2013.
検査項目解説
臨床的意義
HCVの遺伝子型を血清学的に判定する検査である。遺伝子型1型をグループ1、遺伝子型2型をグループ2と報告する。
C型肝炎ウイルス(HCV)は、ヒトに慢性の肝障害を引き起こすフラビウイルス科のRNAウイルスである。主な感染経路は輸血をはじめとする血液とされるが、明らかな感染のきっかけが不明の症例も多い。HCVは、急性肝炎を起こす他、ウイルスが排除されない場合は慢性化し、10年以上の長い年月を経て肝硬変から肝細胞癌に進行する。
HCVは、塩基配列の相同性により、現在8種類の遺伝子型(ジェノタイプ)に分類されている。世界的には遺伝子型は1~3型が主であるが、本邦では主に1型(60~70 %)と2型に二分され、3型以降はまれで通常、検査は行われない。1型、2型はサブタイプとして1a,1b,2a,2bの4種類に分けられる。
この相違が、グループ特異性抗原を示す非構造領域遺伝子のNS3~NS4領域に基づくことが見出され、アミノ酸相同性をもとに大きく2つのグループに分別可能なことが判明した。本検査はこの相違に着目し、遺伝子型を2種類の抗原(C14-1、14-2)をもとに血清学的に同定するものである。本検査では1a,1bグループ1に、2a,2bをグループ2と分類する。
遺伝子型1型はインターフェロン(IFN)治療が奏効しにくいことが知られており、遺伝子型を問わずIFNを使用しない(IFN-free)直接型抗ウイルス薬(direct acting antivirals:DAA)も使用されているが、INFフリーDAAも遺伝子型によって適応が異なるものがあり、治療を行う上で遺伝子型を知ることが重要である。
なお、C型肝炎患者におけるC14抗体陽性率はかなり高いが、一部(数パーセント程度)の患者でC14抗体を保有していないことがあり、このような患者では本検査が陰性になり得る。また、ごく少数にC14-1およびC14-2抗原両方に反応しグルーピングが不能になる場合も存在する。これらの場合、本法での型別判定は難しいため、PCR法によるHCVサブタイプ系統解析(遺伝子型解析)が必要となる。