WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 11 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
25519 |
HBVジェノタイプ判定 |
遠心
|
01 ↓ 02 |
凍 |
EIA | 包括340 D013 14 免疫 |
3~9日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
25519 |
HBVジェノタイプ判定 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 ↓ 02 |
凍 |
EIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
包括340 D013 14 免疫 |
3~9日 |
備考
報告
- HBs抗原量が少なく型判定が不能な場合は、判定保留とご報告します。
- 抗原量が十分に存在する場合でも、重複感染や抗体の非特異反応の問題により、判定保留となる場合があります。
- HBVジェノタイプがE~Hの場合は、判定結果がC、Dもしくは判定保留となります。
診療報酬
- 保険名称:肝炎ウイルス関連検査/HBVジェノタイプ判定
- 実施料:包括340
- 診療報酬区分:D013 14
- 判断料区分:免疫学的検査
B型肝炎の診断が確定した患者に対して、B型肝炎の治療法の選択の目的で実施した場合に、患者1人につき1回に限り算定できます。
容器
容器番号01:汎用容器(分離剤入り)
- 容量: 6mL・8.5mL
- 添加剤: 凝固促進剤
- 保管方法:常温
- 有効期間:容器および箱表示
- 主な検査項目: -
容器番号02:汎用容器
- 容量: 4mL・10mL
- 添加剤: -
- 保管方法:常温
- 主な検査項目: 血清,血漿提出用
参考文献
田中靖人, 他: 臨床病理 57, (1), 42, 2009.
検査項目解説
臨床的意義
HBVの遺伝子型をEIA法でA、B、C、Dの4型に判別する検査である。B型肝炎の予後予測と治療薬選択に有用である。
B型肝炎ウイルス(HBV)はヘパドナウイルス科に属し、直径42 nmの環状不完全二本鎖DNAウイルスである。他のDNAウイルスと異なり、DNAから直接DNAを複製するのではなく、プレゲノムと呼ばれるRNA鎖を作成し、これをもとに逆転写酵素(RT)によりDNAを複製する、レトロウイルスに似た複雑なメカニズムにより増殖する。したがって、RNAウイルスには起こりやすく、DNAウイルスに起こりにくい遺伝子変異が、HBVではよくみられる。
従来HBVはaの共通抗原とd,r,y,wの4つの対立抗原による血清型によって分類されていた。遺伝子解析技術が普及し、その遺伝子構造からAからHまで8種類のジェノタイプ(gt)が同定された。地理的分布をみると、欧米はA型(gt-A)、中近東ではgt-D、南米ではgt-F、アジア太平洋地域ではgt-B,Cが多いとされている。本邦では、B型慢性肝炎のほとんどをgt-A,B,C,Dが占めている。地域性が存在し、沖縄や東北地方でgt-Bが比較的よく認められる一方、他の地方では大部分をgt-Cが占める。また、本邦では2000年以降gt-Aが急増し、B型急性肝炎の半数以上を占めるという。
本検査は、PCRなどの核酸増幅は行わず、サンドイッチ酵素免疫測定法(EIA)を用いてHBV遺伝子のpreS2領域に由来する抗原決定基を検出、その組み合わせから遺伝子型A,B,C,Dを判定するものである。ジェノタイプの差は経過や予後、核酸アナログ製剤に対する反応性と関連があり、治療方針決定に有用な情報となる。
本検査に必要なHBs抗原量は1.9~24.8 IU/mL(中央値3.1 IU/mL)であり、これ以上の抗原量が存在すればジェノタイプ判定可能とされている。
なお、本検査では、きわめてまれにしか認められないE,F,G,Hの4種類のgtを同定することはできずPCRなど他法による同定が必要である。
備考
- チャート参照:B型急性肝炎の臨床経過とHBV関連マーカーの動態