検査項目解説

掲載内容は、2014年10月1日までの情報です。ご注意下さい。

入力コード 03151 
項目名 尿素呼気試験《IR》
13C urea breath test, IR
実施料 
70
判断料区分 微生 
健康保険名称  尿素呼気試験(UBT) 
検査方法
IR(赤外吸収スペクトロメトリー)
検査材料 
呼気
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
 1  呼気   各250
32
常温
報告所要日数
2〜3日
基準値  

2.5 未満

臨床的意義  胃十二指腸潰瘍の原因菌、ヘリコバクター・ピロリの感染を、呼気中の成分から診断する検査。
   ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori; HP)は1983年にオーストラリアのWarrenとMarshallにより発見された比較的新しい細菌で、かつてはキャンピロバクター・ピロリ(Campylobacter pylori)とよばれていた。オキシダーゼ陽性で微好気性のグラム陰性桿菌、形状が螺旋状に湾曲しているのでこの名称が付けられた。

 胃内はpH1〜2という普通の細菌にとって非常に住みにくい環境である。このため、HPは強力なウレアーゼを産生し、自らアンモニアを作ることにより周囲の胃酸を中和して主に胃粘液内や被蓋上皮細胞に棲息している。このウレアーゼ活性を利用してHPを検出するのが尿素呼気試験である。

 具体的手順を示す。まず被検者は尿素の安定同位体である13C標識尿素を服用し、10〜20分間安静にする。もし胃内にHPが棲息していると、HPが持つウレアーゼにより、この13C標識尿素が分解され、13Cで標識されたCO2となって血流に乗り肺に運ばれ呼気中に放出される。いわばニンニクを食べた後に、いくら口内を清潔にしても呼気が匂うのと同じようなものであり、胃内分解産物が呼気に出ることを利用した、非侵襲的検査である。もちろん内視鏡は必要としない。この呼気を採集し、13C標識尿素の投与前、投与後の13CO2含量変化を測定する。13Cの検出には質量分析計(GC-MS)や赤外部分光法(IR)が用いられ、一定量以上の増加があればHP陽性と判断される。

 HPに感染していない場合や、菌が死滅した場合やウレアーゼ活性を失った場合は、13C標識尿素は分解されないため、呼気の13CO2含量も増加しない。

 尿素呼気試験は、感度、特異性において、抗体価測定より優れ、内視鏡による胃粘膜採取に匹敵する精度をもっている。内服と呼気排出という簡便で非侵襲的な検査法であり、HP感染の診断や除菌効果の判定に優れた検査ということが出来る。
異常を示す病態 
ヘリコバクター・ピロリ感染症
(胃十二指腸潰瘍、慢性萎縮性胃炎、胃癌、胃MALTリンパ腫などに深い関連があるとされる)
備  考

尿素服用前および服用後20分の呼気をそれぞれ採取し、必ずペアにしてご出検下さい。

提出容器として用いる呼気採取バッグは市販品(大塚製薬株式会社製)です。貴院にて予めご購入の上、ご出検下さい。

※チャート欄参照

 

※除菌判定は、除菌後4週以降。

チャート 

「尿素呼気試験」の実施手順

容  器 
提出容器

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