WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 10 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値 実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

45366

曜日指定

悪性黒色腫 BRAF変異解析(ベムラフェニブ)BRAF (B-Raf proto-oncogene, serine/threonine kinase)

8C155-9951-075-862

未染スライド
5枚(5μm厚)

30

常温

リアルタイムPCR法

検出せず

包括5000

D004-2 1ロ

遺染

4~10日

項目
コード
検査項目

45366

曜日指定

悪性黒色腫 BRAF変異解析(ベムラフェニブ)BRAF (B-Raf proto-oncogene, serine/threonine kinase)

8C155-9951-075-862

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法
未染スライド
5枚(5μm厚)

30

常温

リアルタイムPCR法
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

検出せず

包括5000

D004-2 1ロ

遺染

4~10日

備考

項目

  • 受付曜日:月~金曜日(休日は受付不可)
  • コンパニオン診断薬を用いた検査です(ベムラフェニブ)。
  • BRAF p.V600Eを検出します。本検査の場合、p.V600Eは、p.V600Kとp.V600Dとの交差反応性が認められます。

依頼

  • 『遺伝子検査依頼書』をご利用ください。

検体

  • ブロックおよびパラフィン切片での受託不可。
  • 病理組織診断にて腫瘍が認められた部位を本検査で必要な腫瘍細胞含有率が50%以上となるようにマーク(実線で囲む)したHE染色スライドを併せてご提出ください。HE染色スライドの提出がない場合やマークがない場合には、スライド全体を使用します。
  • FFPE処理後12カ月以内、未染スライド作製後60日以内にご提出ください。
  • 強酸による脱灰操作をした検体は検査できません。
  • ホルマリン固定検体では、固定条件によって核酸の断片化が著しく、解析不能となる場合があります。組織検体の推奨固定時間は6~48時間です。微小な組織検体や細胞検体では固定時間の短縮化が望ましいとされています。腫瘍細胞含有率は面積ではなく、全有核細胞に対する総腫瘍細胞数で判断してください。検体の取り扱いについては、日本病理学会「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」をご参照ください。

参考

  • コンパニオン診断薬などの情報については、PMDAのwebサイトにて最新情報をご確認ください。

「遺伝子関連検査」分野共通の特記事項

  • [お願い]「遺伝子解析検査のご依頼について」(チャート参照)をご確認ください。
    [ご参考]「弊社の倫理方針」(チャート参照)を掲載しています。

診療報酬

  • 保険名称:悪性腫瘍組織検査/悪性腫瘍遺伝子検査/処理が複雑なもの
  • 実施料:包括5000
  • 診療報酬区分:D004-2 1ロ
  • 判断料区分:遺伝子関連・染色体検査

厚生労働省通知原文「注釈」

■ 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査は、固形腫瘍又は悪性リンパ腫の腫瘍細胞を検体とし、悪性腫瘍の詳細な診断及び治療法の選択を目的として悪性腫瘍患者本人に対して行った、(2)から(4)までに掲げる遺伝子検査について、患者1人につき1回に限り算定する。ただし、肺癌におけるEGFR遺伝子検査については、再発や増悪により、2次的遺伝子変異等が疑われ、再度治療法を選択する必要がある場合にも算定できることとし、マイクロサテライト不安定性検査については、リンチ症候群の診断の補助を目的とする場合又は固形癌の抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的とする場合に、当該検査を実施した後に、もう一方の目的で当該検査を実施した場合にあっても、別に1回に限り算定できる。早期大腸癌におけるリンチ症候群の除外を目的としてBRAF遺伝子検査を実施した場合にあっては、KRAS遺伝子検査又はRAS遺伝子検査を併せて算定できないこととし、マイクロサテライト不安定性検査又は「N005-4」ミスマッチ修復タンパク免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製を実施した年月日を、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

■ 「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるものとは、次に掲げる遺伝子検査のことをいい、使用目的又は効果として、医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品又は医療機器を用いて、リアルタイムPCR法、PCR-rSSO法、マルチプレックスPCRフラグメント解析法又は次世代シーケンシングにより行う場合に算定できる。

  • ア 肺癌におけるEGFR遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査、ALK融合遺伝子検査、BRAF遺伝子検査(次世代シーケンシングを除く。)、METex14遺伝子検査(次世代シーケンシングを除く。)、KRAS遺伝子変異(G12C)検査
  • イ 大腸癌におけるRAS遺伝子検査、BRAF遺伝子検査
  • ウ 乳癌におけるHER2遺伝子検査
  • エ 固形癌におけるマイクロサテライト不安定性検査
  • オ 濾胞性リンパ腫におけるEZH2遺伝子検査


■ 「1」の「イ」の「(2)」その他のものとは、次に掲げる遺伝子検査のことをいい、PCR法、SSCP法、RFLP法等により行う場合に算定できる。
  • ア 肺癌におけるKRAS遺伝子検査
  • イ 膵癌におけるKRAS遺伝子検査
  • ウ 悪性骨軟部組織腫瘍におけるEWS-Fli1遺伝子検査、TLS-CHOP遺伝子検査、SYT-SSX遺伝子検査
  • エ 消化管間葉系腫瘍におけるc-kit遺伝子検査
  • オ 悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節生検に係る遺伝子検査
  • カ 大腸癌におけるEGFR遺伝子検査、KRAS遺伝子検査
  • キ リンチ症候群におけるマイクロサテライト不安定性検査(使用目的又は効果として、医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品を使用した場合を除く。)


■ 「1」の「ロ」処理が複雑なものとは、次に掲げる遺伝子検査のことをいい、使用目的又は効果として、医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品又は医療機器を用いて、次世代シーケンシング等により行う場合に算定できる。
  • ア 肺癌におけるBRAF遺伝子検査(次世代シーケンシング)、METex14遺伝子検査(次世代シーケンシング)、RET融合遺伝子検査、HER2遺伝子検査(次世代シーケンシング)
  • イ 悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子検査(リアルタイムPCR法、PCR-rSSO法)
  • ウ 固形癌におけるNTRK融合遺伝子検査、腫瘍遺伝子変異量検査、RET融合遺伝子検査
  • エ 胆道癌におけるFGFR2融合遺伝子検査
  • オ 甲状腺癌におけるRET融合遺伝子検査、BRAF遺伝子変異検査
  • カ 甲状腺髄様癌におけるRET遺伝子変異検査
  • キ 固形腫瘍(肺癌及び大腸癌を除く。)におけるBRAF遺伝子検査(PCR-rSSO法)
  • ク 悪性リンパ腫におけるBRAF遺伝子検査(PCR-rSSO法)
  • ケ 乳癌におけるAKIT1遺伝子変異検査、PIK3CA遺伝子変異検査、PTEN遺伝子変異検査


■ 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して「1」の「イ」処理が容易なものと「1」の「ロ」処理が複雑なものを実施した場合は、「注1」及び「注2」の規定に基づき、それぞれの検査の項目数に応じた点数を合算した点数により算定する。

■ 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査を算定するに当たっては、(2)から(4)までに掲げる遺伝子検査の中から該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

■ 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査、「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査、「D006-6」免疫関連遺伝子再構成、「D006-14」FLT3遺伝子検査又は「D006-16」JAK2遺伝子検査のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

■ 肺癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のアに規定する肺癌におけるEGFR遺伝子検査と「D006-12」EGFR遺伝子検査(血漿)又は「D006-24」肺癌関連遺伝子多項目同時検査を同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

■ 肺癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のアに規定する肺癌におけるALK融合遺伝子検査と「D006-24」肺癌関連遺伝子多項目同時検査、「N002」免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製の「6」ALK融合タンパク又は「N005-2」ALK融合遺伝子標本作製を併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

■ 乳癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のウに規定する乳癌におけるHER2遺伝子検査と「N005」HER2遺伝子標本作製を併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

■ 卵巣癌又は前立腺癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のエに規定する固形癌におけるマイクロサテライト不安定性検査又は「1」の「ロ」処理が複雑なもののうち、(4)のウに規定する固形癌におけるNTRK融合遺伝子検査若しくは腫瘍遺伝子変異量検査と「D006-18」BRCA1/2遺伝子検査の「1」腫瘍細胞を検体とするものを併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

■ 次世代シーケンシングを用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として特定の遺伝子の変異の評価を行う際に、包括的なゲノムプロファイルを併せて取得している場合には、包括的なゲノムプロファイルの結果ではなく、目的とする遺伝子変異の結果についてのみ患者に提供すること。また、その場合においては、目的以外の遺伝子の変異に係る検査結果については患者の治療方針の決定等には用いないこと。

■ リンチ症候群の診断の補助を目的としてマイクロサテライト不安定性検査を行う場合でも、使用目的又は効果として、医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品を用いる場合には「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるものの所定点数を算定する。

悪性腫瘍遺伝子検査として、固形腫瘍または悪性リンパ腫の腫瘍細胞を検体とし、悪性腫瘍の詳細な診断および治療法の選択を目的として悪性腫瘍患者本人に対して行った場合に、患者1人につき1回に限り算定できます。ただし、肺癌における「EGFR変異解析」については、再発や増悪により、2次的遺伝子変異等が疑われ、再度治療法を選択する必要がある場合にも算定できます。
悪性腫瘍遺伝子検査の算定に当たっては、該当する遺伝子検査を診療報酬明細書の摘要欄に記載する必要があります。
「悪性腫瘍遺伝子検査」、「造血器腫瘍遺伝子検査」、「免疫関連遺伝子再構成」、「FLT3遺伝子検査」または「JAK2遺伝子検査」のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定できます。

容器

容器番号30:遺伝子検査用標本スライド容器

  • 採取量: -
  • 添加剤: -
  • 保管方法:常温
  • 主な検査項目: 癌関連遺伝子検査,
    肺癌 ALK融合遺伝子解析

参考文献

和田 誠, 他: 最新医学 69, (11), 66, 2014.

検査項目解説

臨床的意義

悪性黒色腫患者に対して、ベムラフェニブの適応を判定するための補助検査である。

 悪性黒色腫(malignant melanoma:メラノーマ)は、一般にほくろのがんとも言われるメラニン細胞由来の悪性腫瘍である。本邦における新規発症者数は年間1,300~1,400人とされる。発生頻度には人種差が認められるとされる。

 悪性黒色腫は代表的な予後不良の悪性腫瘍として知られており、皮膚癌における悪性黒色腫の割合がわずか約4 %に過ぎないにもかかわらず、皮膚癌による死亡患者の約80 %を占めるといわれる。早期に所属リンパ節に転移し、さらに脳や肝臓、肺などの多彩な臓器に転移するため、治療が難しい場合が多い。

 ベムラフェニブ(商品名:ゼルボラフ(R))は、BRAF阻害剤である。BRAF遺伝子変異の大部分がキナーゼ・ドメインのcodon600のT→A塩基置換であり、この変異によりアミノ酸のバリンがグルタミン酸に置換され、BRAF遺伝子 p.V600E変異を起こす。ベムラフェニブはATP競合的なRAF阻害剤であり、BRAF遺伝子 V600変異を含む活性化変異型のBRAFキナーゼ活性を阻害することによって、BRAF遺伝子 V600変異を有する腫瘍の増殖を抑制する抗悪性腫瘍剤である。

 BRAF遺伝子変異は、悪性黒色腫症例の2~4割に認められ、全ての悪性黒色腫患者に認められるものではない。本検査は、悪性黒色腫患者に対しコンパニオン診断薬を用いて、ベムラフェニブの適応を判定するための補助検査である。本検査では、BRAF遺伝子 p.V600Eを検出する。なお、p.V600Eは、p.V600Kとp.V600Dとの交差反応が認められる。

【陽性を示す疾患】

悪性黒色腫

関連疾患

C43.9.2:悪性黒色腫 C43-C44:皮膚腫瘍
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.

INFORMATION

※ 3年分のINFORMATION へのLinkを掲載しています.

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