検査項目解説 掲載内容は、2022 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00184 |
アデノシンデアミナーゼ (ADA) 〈血清〉3B130-0000-023-271 |
遠心
|
01 |
1週 冷蔵 |
酵素法 | U/L 8.6~20.5 |
32 D007 11 生Ⅰ |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
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00184 |
アデノシンデアミナーゼ (ADA) 〈血清〉3B130-0000-023-271 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
1週 冷蔵 |
酵素法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
U/L 8.6~20.5 |
32 D007 11 生Ⅰ |
2~3日 |
診療報酬
- 保険名称:血液化学検査/アデノシンデアミナーゼ(ADA)
- 実施料:32
- 診療報酬区分:D007 11
- 判断料区分:生化学的検査(Ⅰ)
臨床的意義
核酸の代謝酵素。血中濃度は免疫不全症で低値、血液系悪性腫瘍や肝炎で高値。胸水では癌性胸膜炎や心不全と比べ結核性胸膜炎でより高値に。
アデノシンデアミナーゼ(ADA, EC 3.5.4.4.)はアデノシンのアミノ基を加水分解し、イノシンとアンモニアの生成を触媒する酵素である。プリン・サルベージ経路に関与する酵素で、高等動物や微生物、癌細胞など生体内に広く分布しているが、特にリンパ球や単球で活性が高い。本酵素の欠損はTおよびBリンパ球の機能不全を発来し、先天性複合型免疫不全の原因となる。
ADAの遺伝子座は20番染色体(20q13.11)に存在し、この染色体の異常がADA欠損症を引き起こし重症複合免疫不全症の原因となる。本症は常染色体劣性遺伝形式をとり、リンパ球の量的質的異常がみられる。乳幼児期に感染症により死亡することが多く、遺伝子治療が試みられている。
また、肝疾患では急性肝炎で高値を示すが、慢性肝炎や肝硬変でも病態が重症化するに従い高値をとる。
胸水でのADA測定は、胸膜炎の鑑別に用いられる。林 隆次郎ら(1981)によれば、結核性胸膜炎の場合は100 IU/L前後の高値を示すのに対し、癌性胸膜炎では20 IU/L前後、心不全による漏出性胸水症では6 IU/L程度に留まるという。
ADAは血球中に多量に含まれているため、溶血により高値になることがある。よって胸水を採取する場合は、血液の混入に注意が必要である。
なお、ADAにはADA1とADA2の二つのアイソザイムが知られているが、両者を判別定量する検査はあまり行なわれていない。
【高値を示す病態】
白血病、骨髄異形成症候群、伝染性単核症、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、痛風、腸チフス、結核 など
【低値を示す病態】
ADA欠損症
(先天性複合型免疫不全症)
参考文献
山田満廣, 大西将則: 日臨検自動化会誌 17, 135, 1992.