WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

01633

クロム 〈尿〉
(Cr)chromium

3K115-0000-001-274

単独検体

 

尿
1

指定容器 

 

59

 

3週

冷蔵

原子吸光法

μg/L

6~12日

項目
コード
検査項目

01633

クロム 〈尿〉
(Cr)chromium

3K115-0000-001-274

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法

単独検体

 

尿
1

指定容器 

 

59

 

3週

冷蔵

原子吸光法
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

μg/L

6~12日

備考

検体

  • 必ず指定容器を使用し、専用検体としてご提出ください(同じ容器を用いる項目は同一検体でも可)。

基準

  • 産業衛生関連検査としてご依頼の場合の基準値は、チャート参照:産業衛生関連検査一覧

チャート

産業衛生関連検査一覧

容器

容器番号59:金属分析用容器(尿)

  • 容量: 10mL
  • 添加剤: -
  • 保管方法:常温
  • 有効期間:容器表示
  • 主な検査項目: 尿中鉄,尿中銅,
    亜鉛,マンガン,
    クロム,水銀

検査項目解説

臨床的意義

欠乏により脂質やタンパク質代謝系に障害を生じる微量必須金属を測定する検査である。

 クロム(Cr)は、人体には必須な元素であるが、過剰に摂取すると有害な作用をもたらす。

 Crの人体内における主な生理作用は、糖代謝、コレステロール代謝、タンパク質代謝、結合織代謝への関与である。例えばCr含有耐糖因子(GTF)と呼ばれるCr化合物は、欠乏すると糖尿病が発症することから、糖代謝で重要な役割が推定されている。糖の摂取時にはCrの血中濃度が増加し、ついで尿中に排泄されるため尿中Cr排泄量も増加する。さらに、Crは成長や生殖、寿命などにも関係があるといわれる。

 クロム欠乏症の例としては、高カロリー輸液の長期施行時にCr欠乏による血糖上昇(糖尿病)がみられるが、本邦での報告は少ない。

 一方、クロム中毒は一般に産業医学の分野でよく知られており、Cr精練作業者や重クロム酸ソーダ製造作業者、写真製版業者などにCr暴露の恐れがある。その症状はアレルギー性の皮膚炎、潰瘍や皮膚癌に加え、吸引による喘息や呼吸器系の潰瘍(鼻中隔穿孔など)や腫瘍が知られている。しかし、生体内濃度と中毒との関係はあまり明確ではない。

 Crを含有する化学物質には六価クロム(Cr6+)、クロム酸(H2CrO4)、クロム酸カリウム(K2CrO4)、二クロム酸ナトリウム(Na2Cr2O7)などがある。

 非暴露者の尿中Cr濃度は一般に1 μg/L未満であるが、Crを扱う産業従事者では数倍高く、特に溶接作業直後は一過性に高値を示す。

【高値を示す疾患】

クロム中毒危険因子への職業的曝露

関連疾患

T56.2.1:クロム中毒 T51-T65:薬用を主としない物質の毒作用
Z57:危険因子への職業的曝露 Z55-Z65:危険因子への曝露
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.

フリーワード検索

複数ワードはスペース区切り:

記載内容について

記載内容について

検査項目名称

すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし,それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました.ただし,アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました.また,略号が通例化しているものは,略号をもって検査項目名称としました.

「検査項目名」欄:JLAC10コード

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

検査材料に関する主な用語

検査材料 概要
血液 検査のために採取していただく肘静脈血を表します.
~加血液 採血後,直ちに添加剤と混和した血液を表します.
添加剤の種類により,「EDTA加血液」,「ヘパリン加血液」,「クエン酸加血液」,「NaF加血液」などと表示します(所定の添加剤入り弊社指定容器に血液を採取してください).遠心分離は不要です.
~血漿 採血後,直ちに添加剤と混和し遠心分離によって得られた上清を表します.添加剤の種類により,「EDTA血漿」,「ヘパリン血漿」,「クエン酸血漿」などと表示します.なお,単に「血漿」とあるものについては,「備考」欄に添加剤の種類を別記しています.
血清 採血後,室温で静置し,凝固を確認後,遠心分離によって得られた上清を表します.特に添加剤を用いる必要のある場合は,その旨を「備考」欄に記載しています.
尿 原則として自然排尿された尿を表します.なお,「蓄尿」を要する場合は,「備考」欄に使用する防腐剤の種類を別記しています.採尿方法については,以下を参考としてください.
1) 普通尿の場合: 新鮮尿を清潔な乾燥した容器に直接排尿するか,清潔な乾燥した携帯便器に排尿させ,指定の検体容器に直接移し替えます.
2) 中間尿の場合: 清潔な排尿容器を手に持ち,放尿を開始します.最初は便器に排尿し,大体排尿が半ばに達した頃,排尿を中断せずにそのまま採尿容器に放尿し,終わりに近づいた頃,再び便器に放尿します.
3) 無菌尿の場合: 男女とも陰部を刺激の少ない消毒液で洗浄しておき,清潔で乾燥した容器に中間尿を採尿します.細菌検査などの場合には,膀胱カテーテル法を用いて採尿しても構いません.

「容器」欄の番号

検体採取および提出時に用いる容器の種類は,巻末「容器一覧表」の頁に掲載する容器番号で表しています.また,容器番号の網掛け色は容器キャップの色を表しています.

「保存方法」欄の用語

提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません).検査項目によっては,検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください.

必ず凍結(-10℃以下)保存してください.凍結温度指定のあるものは,その旨を記載しています.なお,凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします.
冷蔵 4℃前後で保存してください.また,数日以上にわたって保存される場合は,凍結していただくようお願いします.なお,凍結不可の材料については,その旨を記載しています.
常温 常温保存してください(20℃前後).

「保存方法」欄:検体の安定性

適正な検査結果をお届けすることができる,検体採取後における提出用材料の保存安定性の維持期間です.

「基準値」欄の用語

M:男性(Male) F:女性(Female)

「基準値」欄の単位記号

L liter(=1,000mL)
dL deciliter(=100mL)
mL milliliter
mm3 cubicmillimeter
μ3 cubicmicron
g gram
mg milligram(=0.001g)
μg microgram(=0.001mg)
ng nanogram(=0.001μg)
pg picogram(=0.001ng)
U Unit
UA Allergen Unit
mU milli Unit(=0.001U)
μU micro Unit(=0.001mU)
IU International Unit
AU Arbitrary Unit
BU Bethesda Unit
RLU Relative Light Unit
R.U. RPR Units
T.U. Titer Units
U mmol millimole(=0.001mol)
μmol micromole(=0.001mmol)
nmol nanomole(=0.001μmol)
pmol picomole(=0.001nmol)
fmol femtomole(=0.001pmol)
mEq milli Equivalent
FE Fibrinogen Equivalent
BCE Bone Collagen Equivalent
mOsm milli Osmole
sec second
U min minute
h hour
% percent
permill
SI Stimulation Index
cpm count per minute
RBC Red Blood Cell
LogIU Log International Unit

マーク表記の一覧

マーク一覧
倫理対象 遺伝学的検査など倫理的な配慮が必要な項目です.
曜日指定 指定曜日のみ受託可能です.
単独検体 他の項目とは別に,専用の検体としてご提出ください.
複数検体 ペア検体での出検が必要な項目です.
指定容器 必ず指定容器でご提出ください.
溶血不可 溶血検体は検査値に影響を及ぼすため避けてください.
酸性蓄尿不可 酸性蓄尿は検査値に影響を及ぼす場合がありますので避けてください.
開栓不可 コンタミネーション防止などのため,検体採取後は容器を開栓しないでください.
遠心 遠心分離してください.
冷遠 冷却下(4℃)で遠心分離してください.
遮光 直射日光や蛍光灯などを避け,遮光した容器でご提出ください.
診療報酬算定における,慢性維持透析患者外来医学管理料の包括対象となる項目です.
診療報酬算定における,手術前医学管理料の包括対象となる項目です.
FAX 緊急報告値が検出された場合に,速やかにご報告する項目です.
総合検査依頼書(弊社の標準的な依頼書)のマークチェックでご依頼が可能な項目です.
指定依頼書 使用する依頼書の種類に指定があります.備考欄に記しています.
専用依頼書 使用する依頼書の種類が通常外です.専用の依頼書があります.
遺伝学依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】」です.
先天依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【先天異常・染色体検査】」です.
本年度版で新たに掲載された検査項目です.