検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
04017 |
メチル馬尿酸 (MHA)3K030-0000-001-205 |
|
25 |
4週 冷蔵 |
LC-MS | g/L |
4~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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04017 |
メチル馬尿酸 (MHA)3K030-0000-001-205 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
|
25 |
4週 冷蔵 |
LC-MS |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
g/L |
4~5日 |
備考
検体
- [検体採取時期] 採取日は連続した作業日の2日目以降。
「産業衛生関連検査」中分類共通の特記事項
- 複数項目の「産業衛生関連検査」をご依頼の場合は、25番容器で尿6mLをご提出ください。
作業終了の2時間前に一度排尿し、その後は排尿せずに、作業終了後に採尿したものをご提出ください。
[ご参考]産業衛生関連検査一覧(チャート参照)を掲載しています。
臨床的意義
厚生労働省「有機溶剤中毒予防規則」で指定された、トルエン(馬尿酸)またはキシレン(メチル馬尿酸)作業従事者の検査。
労働省(当時)「有機溶剤中毒予防規則」で指定の、トルエンまたはキシレン作業従事者で測定が行われる。非芳香族系溶媒に関しては、別項目で検査が必要である。
1. 馬尿酸
有機溶剤であるトルエンの代謝物である。トルエンの主な吸収経路は吸入であり、80%が安息香酸に代謝され、次いでグリシン抱合を受け、馬尿酸として尿中へ排泄される。トルエンの未代謝物としての尿中への排泄はほとんどない。トルエン使用者の暴露指標として用いられ、勤務終了時に採取する。
色々な果物(ベリーやプラム類など)や、食品添加剤に用いられる安息香酸ナトリウムの摂取により高値になることがあるので注意を要する。
2. メチル馬尿酸
有機溶剤であるキシレンの代謝物である。吸収の主な経路は吸入であり、約95%がメチル安息香酸に代謝され、グリシン抱合を受けメチル馬尿酸として尿中に排泄される。3日以内にほとんど完全に排出されるため、作業終了後24時間以内に採取する。馬尿酸と異なり通常尿中に存在しないため、暴露前の対照は必要としない。なお、肝機能障害時にはメチル馬尿酸の代謝が低下することがある。
【高値を示す病態】
[馬尿酸] トルエンの暴露
[メチル馬尿酸] キシレンの暴露
参考文献
労働省労働基準局労働衛生課(監修): 有機溶剤健康診断のすすめ方, 135, (社)全国労働衛生団体連合会事務局, 東京, 1990.