検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
25875 |
マンデル酸 (EB)3K041-0000-001-205 |
|
25 |
4週 冷蔵 |
LC-MS | g/L |
4~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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25875 |
マンデル酸 (EB)3K041-0000-001-205 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
|
25 |
4週 冷蔵 |
LC-MS |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
g/L |
4~5日 |
備考
検体
- [検体採取時期] 採取日は連続した作業日の2日目以降。
「産業衛生関連検査」中分類共通の特記事項
- 複数項目の「産業衛生関連検査」をご依頼の場合は、25番容器で尿6mLをご提出ください。
作業終了の2時間前に一度排尿し、その後は排尿せずに、作業終了後に採尿したものをご提出ください。
[ご参考]産業衛生関連検査一覧(チャート参照)を掲載しています。
臨床的意義
有機溶剤であるスチレンの尿中代謝物。暴露指標に用いる。
マンデル酸はスチレンの主要な代謝物である。
スチレンは芳香族炭化水素の有機溶剤で合成ゴムやプラスティックなどの合成樹脂の製造などに用いられる、脂肪にはよく溶けるが水にはほとんど溶けない。主に吸入により体内に吸収され、その1%程度がそのまま呼気として排出される。体内に取りこまれたスチレンは、スチレンオキサイド→スチレングリコール→マンデル酸へと代謝され、その約85%が尿中に排泄される。その後は2通りの経路を辿る。1つはフェニルグリコール酸となって尿中に排泄される経路、もう一つはベンジルアルコールから安息香酸、馬尿酸に代謝する経路であるがヒトではこの代謝経路はみられない。
マンデル酸はスチレンのみの代謝物ではない。スチレンと類似の構造をもつ物質、すなわちエチルベンゼンやフェニルグリコール、α-フェニルアミノ酢酸などもマンデル酸に代謝される。また、エタノールの存在下ではスチレンの代謝が抑制され、マンデル酸の排泄が減少するので、尿採取前24時間はエタノールの摂取を避けて検査を行なう。
スチレンに暴露されると頭痛、疲労、眩暈、嗜眠状態、自律神経不安定、視力低下、視野狭窄などのいわゆる「スチレン症」と呼ばれる中毒症状をおこす。
【異常を示す病態】
スチレンの暴露
参考文献
労働省労働基準局労働衛生課(監修): 有機溶剤健康診断のすすめ方, 135, (社)全国労働衛生団体連合会事務局, 東京, 1990.