検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 最低希釈倍率 | 実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00687 |
風疹 IgG《EIA》5F395-1431-023-023 |
遠心
|
01 |
4週 冷蔵 |
EIA | 陰性(-) |
206 D012 42 免疫 |
3~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
00687 |
風疹 IgG《EIA》5F395-1431-023-023 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
4週 冷蔵 |
EIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
陰性(-) |
206 D012 42 免疫 |
3~5日 |
備考
基準
- 判定保留2.0~3.9
陽性4.0 以上
診療報酬
- 保険名称:感染症免疫学的検査/グロブリンクラス別ウイルス抗体価(1項目当たり)
- 実施料:206
- 診療報酬区分:D012 42
- 判断料区分:免疫学的検査
同一ウイルスについて「IgG抗体」、「IgM抗体」を併せて実施した場合は、いずれか一方のみ算定できます。
臨床的意義
「三日はしか」といわれる発疹性感染症を引き起こすウイルス。妊娠初期の感染は先天性風疹症候群の原因となる。
風疹は一般に“三日はしか”といわれる発疹性小児感染症である。経気道感染で2~3週の潜伏期間を経て発症し、初夏から夏にかけて流行しやすい。小児では軽症に経過するが、女子の妊娠初期における罹患は、先天性風疹症候群(CRS)の原因となり、児に白内障、難聴、心奇形などをきたす。CRSは不顕性感染によっても引き起こされる。
特にIgM抗体価が陽性の場合は急性感染である可能性が高い。
過去にしばしば流行を繰り返しているが、2012年から2013年にかけて大きな流行があった。
[一般的な風疹HI抗体価の推移]
1)出生時 母体抗体価とほとんど同値(受動的IgGのみ)で、以後次第に下降し、約1年で消失する。
2)以後、感染を受けるまでは陰性(8倍未満)。
3)感染後の潜伏期では陰性(8倍未満)。
4)発病日頃はまだ陰性(8倍未満)。
5)3~4病日で陽転(8~32倍)。
6)5病日を経過すると64~128倍陽性。
7)10病日で最高値の512~2048倍に達する。
8)上昇したHI価は1~2年くらいは最高値を維持し、下降し始める。
9)5~10年以後は64~8倍と緩やかに下降し、生涯維持される。
【高値を示す病態】
風疹、先天性風疹症候群
[風疹の合併症として成人の場合] 関節炎、脳炎、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、進行性風疹全脳炎、風疹ウイルスワクチン接種
【低値を示す病態】
HI価8倍未満の場合は未感染またはワクチン未接種、あるいは無効例と考えられる。妊娠5カ月くらいまで罹患しないよう留意が必要。出産後ワクチン接種が望まれる。
参考文献
厚生省監修: 微生物検査必携 ウイルス・リケッチア検査(第3版第Ⅰ分冊), 48, 日本公衆衛生協会, 東京, 1987.