検査項目解説 掲載内容は、2022 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01354 |
α1アシドグリコプロテイン (α1AG)5C025-0000-023-061 |
遠心
|
01 |
4週 冷蔵 |
TIA | mg/dL 42~93 |
2~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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01354 |
α1アシドグリコプロテイン (α1AG)5C025-0000-023-061 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
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遠心
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01 |
4週 冷蔵 |
TIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
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mg/dL 42~93 |
2~5日 |
臨床的意義
急性相反応物質に属する糖蛋白。半減期、急性期変動率が異なるCRP等と同時測定し、炎症性疾患等の病態把握に用いる。
α1アシドグリコプロテイン(α1AG)は血清蛋白の一種で、電気泳動上α1分画中に認められる分子量約4万の糖蛋白である。糖含有量がきわめて多く、重量の約4割近くを占める。5本ある糖鎖の分子量は約2400~3100で、それぞれ異なる糖鎖構造をとっており、末端にはシアル酸が付着している。α1AGのシアル酸含量はきわめて多く、電気泳動上の不均一性は糖鎖構造の違いによるものとされている。
α1AGは、C反応性蛋白(CRP)をはじめとする急性相反応物質(acute phase reactants)の一種である。急性相反応物質とは、組織の損傷や感染、急性の炎症に対して非特異的に急性相反応を誘起する物質の総称である。α1AGやCRPのほか、α1アンチトリプシン(α1AT)、セルロプラスミン、ハプトグロビンなどが急性相反応物質に分類され、急性・慢性感染症、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患などにより産生が亢進し、血中濃度が上昇する。また、このほかα1AGには、プロジェステロンと結合し、失活させる作用が知られている。
α1AGは主として肝臓で合成され、一部は単球、リンパ球、多核白血球で合成される。IgGやアルブミンなどに比べ血中半減期は短く、正常成人血清中のα1AGの半減期は約5.2日である。シアル酸含有量が多くなると半減期はさらに短くなり、急性相反応期では異化速度の亢進がみられるが、産生がそれ以上に亢進するため血中濃度は上昇する。
なお、α1AGには、午後10時から午前8時頃に低値を示す日内変動があるといわれるが、その機序は明らかではない。
【高値を示す病態】
炎症性疾患(急性・慢性感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患、膠原病、アレルギー性疾患)、心筋梗塞 など
【低値を示す病態】
肝臓での合成障害(肝硬変、慢性肝炎、低栄養状態など)、体外への喪失(ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症など)
参考文献
山下順香, 他: 医学と薬学 29, 1239, 1993.