検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 | 実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
45638 |
MPL遺伝子W515L/K変異解析8C492-9951-019-862 8C492-9951-046-862 |
開栓厳禁
または
|
13
指定容器 22 |
冷蔵
冷蔵 |
リアルタイムPCR法 | 検出せず |
2100 D006-2 遺染 |
4~10日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
45638 |
MPL遺伝子W515L/K変異解析8C492-9951-019-862 8C492-9951-046-862 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
開栓厳禁
または
|
13
指定容器 22 |
冷蔵
冷蔵 |
リアルタイムPCR法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
検出せず |
2100 D006-2 遺染 |
4~10日 |
備考
項目
- 受付曜日:月~金曜日(休日とその前日は受付不可)
依頼
- 『遺伝子検査依頼書』をご利用ください。
検体
- コンタミネーション防止などのため、検体採取後は容器を開栓しないでください。
算定
- 造血器腫瘍遺伝子検査は検体検査管理加算(Ⅱ)、(Ⅲ)または(Ⅳ)を届け出た医療機関において行われた場合に算定が可能です。外注検査での算定(D006-2)は各自治体により判断が異なっており、算定の可否については審査機関などにご確認ください。
「遺伝子関連検査」分野共通の特記事項
「その他造血器腫瘍」中分類共通の特記事項
- [ご参考]「造血器腫瘍の疾患別関連項目(FISH法,PCR法,他)と染色体異常」(チャート参照)を掲載しています。
診療報酬
- 保険名称:造血器腫瘍遺伝子検査
- 実施料:2100
- 診療報酬区分:D006-2
- 判断料区分:遺伝子関連・染色体検査
容器
臨床的意義
骨髄増殖性腫瘍(MPN)のなかでも本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)に関連するMPL遺伝子のW515L変異、W515K変異の有無を判定する。
MPL は、巨核球系細胞の分化と血小板産生に関わるサイトカイン、トロンボポエチン(TPO)の特異的受容体をコードする遺伝子である。骨髄増殖性腫瘍(MPN)のなかでも本態性血小板血症(ET)および原発性骨髄線維症(PMF)のそれぞれ5~10%にMPL遺伝子変異を認め、そのほとんどは、exon10領域の515番アミノ酸がトリプトファン(W)からロイシン(L)あるいはリジン(K)に置換するMPL W515 L/K変異であることが判明している。MPL W515L/K変異はTPO非依存的な造血シグナル伝達経路の活性化を介してETの発症をもたらすと考えられ、MPNのドライバー変異のひとつに位置付けられている。
MPL遺伝子変異の検出はETおよびPMFの診断基準項目に挙げられており、JAK2遺伝子、CALR遺伝子(後出)と併せて測定することが推奨される。MPL遺伝子変異は先天性無巨核球性血小板減少症(CAMT)や遺伝性MPNでも報告例を認めるが、それぞれ変異パターンを異にし、W515L/K変異は孤発性MPNに特徴的といえる。
本検査は、MPL遺伝子のW515L変異ならびにW515K変異の有無を個別に判定する。
参考文献
大蘆裕子, 他: 天理医学紀要 19, (1/2), 51, 2016.
枝廣陽子: 最新医学 72, (11), 1544, 2017.