検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値 実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

45617

曜日指定

RAS-BRAF遺伝子変異解析

8C241-9951-070-898

8C241-9951-070-898

未染スライド
5枚(5μm厚)

または

組織
30mg(3mm角)

30

 

27

常温

 

-70℃以下

PCR-rSSO法

変異陰性

包括4000

D004-2 1

遺染

4~7日

項目
コード
検査項目

45617

曜日指定

RAS-BRAF遺伝子変異解析

8C241-9951-070-898

8C241-9951-070-898

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法
未染スライド
5枚(5μm厚)

または

組織
30mg(3mm角)

30

 

27

常温

 

-70℃以下

PCR-rSSO法
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

変異陰性

包括4000

D004-2 1

遺染

4~7日

備考

項目

  • 受付曜日:月~金曜日(休日とその前日は受付不可)
  • チャート参照:コンパニオン診断薬として用いられる検査項目と対象医薬品
  • KRAS遺伝子およびNRAS遺伝子のそれぞれcodon12、13、59、61、117および146のアミノ酸置換およびBRAF遺伝子のcodon600のアミノ酸置換を伴うV600Eの遺伝子変異を検出し、変異の有無と変異型をご報告します。

依頼

  • 『遺伝子検査依頼書』をご利用ください。

検体

  • 病理組織診断にて腫瘍が認められた部位をマーク(実線で囲む)したHE染色スライドを併せてご提出ください。
  • 本検査で必要な腫瘍細胞含有率は10%以上です。
  • FFPE処理後12カ月以内、未染スライド作製後60日以内にご提出ください。
  • 強酸による脱灰操作をした検体は検査できません。
  • ホルマリン固定検体では、固定条件によって核酸の断片化が著しく、解析不能となる場合があります。検体の取り扱いについては、日本病理学会「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」および日本臨床腫瘍学会「大腸がん診療における遺伝子関連検査等のガイダンス」をご参照ください。

「遺伝子関連検査」分野共通の特記事項

  • [お願い]「遺伝子解析検査のご依頼について」(チャート参照)をご確認ください。
    [ご参考]「主な腫瘍関連遺伝子記号と別称」(チャート参照)、 「弊社の倫理指針」(チャート参照)を掲載しています。

診療報酬

  • 保険名称:悪性腫瘍組織検査/悪性腫瘍遺伝子検査/処理が容易なもの(2項目)
  • 実施料:包括4000
  • 診療報酬区分:D004-2 1
  • 判断料区分:遺伝子関連・染色体検査

「悪性腫瘍遺伝子検査」、「造血器腫瘍遺伝子検査」、「免疫関連遺伝子再構成」、「FLT3遺伝子検査」または「JAK2遺伝子検査」のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定できます。

患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して悪性腫瘍遺伝子検査を実施した場合は、次の通り算定します。2項目:4000点。3項目:6000点。4項目以上:8000点。

大腸癌患者における治療方針の決定として、「RAS遺伝子検査」、「BRAF遺伝子検査」の2項目包括点数として4000点を算定できます。

早期大腸癌におけるリンチ症候群の除外を目的に本検査を実施した場合は、「BRAF遺伝子検査」として2500点のみ算定できます。RAS遺伝子検査の所定点数を併せて算定することはできません。また、マイクロサテライト不安定性検査を実施した年月日を、診療報酬明細書の摘要欄にご記載ください。

チャート

コンパニオン診断薬として用いられる検査項目と対象医薬品

容器

容器番号30:遺伝子検査用標本スライド容器

  • 採取量:
  • 添加剤:
  • 保管方法・有効期間:
    常温
  • 主な検査項目:
    EGFR遺伝子変異解析等癌関連遺伝子検査,肺がんALK《FISH法》

容器番号27:滅菌スピッツ管

  • 容量:
    10mL
  • 添加剤:
  • 保管方法・有効期間:
    常温
  • 主な検査項目:
    尿細菌検査

臨床的意義

細胞膜に存在し、種々のシグナルを細胞内や核に伝えるRas蛋白の遺伝子検査。点突然変異でシグナルのoffが効かなくなり、抗EGFR抗体薬の効果が減少。

 RAS(ラス)遺伝子の産物であるRAS蛋白は、細胞膜の内側に局在し、細胞内にシグナル伝達を行う分子量21Kdの蛋白質である。上皮成長因子受容体(epidermal growth factor: EGFR)をはじめとする細胞外の各種刺激を、それぞれの受容体で受け取り、細胞内のチロシンキナーゼを活性化することで、細胞外の刺激を細胞内や核内に伝達する役割を担っている。

 大腸癌の日本での患者数は、食生活の欧米化などに伴い1950年頃から増加し続けている。40歳以降の中高年者に多いのが特徴で,2018年の統計で罹患者数は男性が約9万人(胃癌、肺癌に次いで第3位)、女性では約7万人(乳癌に次いで2位)に達し、女性のがん死亡者数で第1位、男性でも第3位となっている。

 多くの大腸がん患者においてEGFRが高度に発現していることが判明し、以降、その発現を抑制するため、人工的に合成された抗EGFR抗体が癌の治療に用いられるようになった。抗EGFR抗体薬はEGFRとEGFの結合を阻害することでシグナル伝達を遮断するが、RAS遺伝子に変異があると、EGFR活性を阻害してもシグナル伝達は抑制されないため、腫瘍増殖にストップをかけることが出来ない。すなわちこの種の抗癌剤の薬効は期待薄と判定される。

 ヒトのRAS遺伝子には、KRAS, NRAS, HRASの3種類が存在する。このうち大腸癌はKRAS, NRAS遺伝子の変異が多く認められ、エクソン2、3、4いずれかに変異が存在すれば、抗EGFR抗体薬は奏効し難いとされる。大腸がんにおけるras遺伝子変異の頻度は、COSMIC(Catalogue Of Somatic Mutations In Cancer)databaseによると野生型に対しKRAS遺伝子34.6%、NRAS遺伝子3.7%、HRAS遺伝子0.2%とされており、中でもKRASエクソン2(コドン12,コドン13)の変異が多くを占める。抗EGFR抗体薬は高価なため、適応の有無の予測は患者負担を考える上でも有用である。なお、日本臨床腫瘍学会による「大腸がん診療における遺伝子関連検査等のガイダンス 第4版」によれば、KRASおよびNRAS遺伝子のコドン12、13、59、61、117、146の変異の有無を測定することが望ましいとの記載がある。本検査はその基準を満たすもので、抗EGFR抗体薬適応の有無判定や治療効果予測に有用な情報を提供する検査と位置づけられる。

参考文献

日本臨床腫瘍学会: 大腸癌診療における遺伝子関連検査のガイダンス, (第3版), 2016.

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記載内容について

記載内容について

検査項目名称

すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし、それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました。ただし、アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました。また、略号が通例化しているものは、略号をもって検査項目名称としました。

「検査項目名」欄:JLAC10コード

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

検査材料に関する主な用語

検査材料 概要
血液 検査のために採取していただく肘静脈血を表します。
~加血液 採血後速やかに添加剤を混和した血液を表します。
添加剤の種類により、「EDTA加血液」、「ヘパリン加血液」、「クエン酸加血液」、「NaF加血液」などと表示します(所定の添加剤入り弊社指定容器に血液を採取してください)。
~血漿 採血後速やかに添加剤を混和し、遠心分離によって得られた血漿を表します。添加剤の種類により、「EDTA血漿」、「ヘパリン血漿」、「クエン酸血漿」などと表示します。なお、単に「血漿」とあるものについては、「備考」欄に添加剤の種類を別記しています。
血清 採血後、血餅の収縮を待って遠心分離して得られた上清を表します。特に添加剤を用いる必要のある場合は、その旨を「備考」欄に記載しています。
尿 原則として自然排尿された尿を表します。なお、「蓄尿」を要する場合、「備考」欄に使用する防腐剤の種類を別記しています。採尿方法については,以下を参考としてください。 1) 普通尿の場合: 新鮮尿を清潔な乾燥した容器に直接排尿するか,清潔な乾燥した携帯便器に排尿させ,指定の検体容器に直接 移し替えます. 2) 中間尿の場合: 清潔な排尿容器を手に持ち,放尿を開始します.最初は便器に排尿し,大体排尿が半ばに達した頃,排尿を中断 せずにそのまま採尿容器に放尿し,終わりに近づいた頃,再び便器に放尿します. 3) 無菌尿の場合: 男女とも陰部を刺激の少ない消毒液で洗浄しておき,清潔で乾燥した容器に中間尿を採尿します.細菌検査など の場合には,膀胱カテーテル法を用いて採尿しても構いません.

「容器」欄の番号

検体採取および提出時に用いる容器の種類は、巻末「容器一覧表」の頁に掲載する容器番号で表しています。また、容器番号の網掛け色は容器キャップの色を表しています。

「保存方法」欄の用語

提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません)。検査項目によっては、検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください。

必ず凍結(-10℃以下)保存してください。凍結温度指定のあるものは、その旨を記載しています。なお、凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします。
4℃前後で保存してください。また、数日以上にわたって保存される場合は、凍結していただくようお願いします。なお,凍結不可の材料については、その旨を記載しています。
常温保存してください(20℃前後)。

「保存方法」欄:検体の安定性

適正な検査結果をお届けすることができる、検体採取後における提出用材料の保存安定性の維持期間です。

「基準値」欄の用語

M:男性(Male) F:女性(Female)

「基準値」欄の単位記号

L liter(=1,000mL)
dL deciliter(=100mL)
mL milliliter
mm3 cubicmillimeter
μ3 cubicmicron
g gram
mg milligram(=0.001g)
μg microgram(=0.001mg)
ng nanogram(=0.001μg)
pg picogram(=0.001ng)
U Unit
UA Allergen Unit
mU milli Unit(=0.001U)
μU micro Unit(=0.001mU)
IU International Unit
AU Arbitrary Unit
BU Bethesda Unit
RLU Relative Light Unit
R.U. RPR Units
T.U. Titer Units
U mmol millimole(=0.001mol)
μmol micromole(=0.001mmol)
nmol nanomole(=0.001μmol)
pmol picomole(=0.001nmol)
fmol femtomole(=0.001pmol)
mEq milli Equivalent
FE Fibrinogen Equivalent
BCE Bone Collagen Equivalent
mOsm milli Osmole
sec second
U min minute
h hour
% percent
permill
SI Stimulation Index
cpm count per minute
RBC Red Blood Cell
LogIU Log International Unit

マーク表記の一覧

マーク一覧
倫理対象 遺伝学的検査など倫理的な配慮が必要な項目です。
曜日指定 指定曜日のみ受託可能です。
単独検体 他の項目とは別に,専用の検体としてご提出ください。
複数検体 ペア検体での出検が必要な項目です。
指定容器 必ず指定容器でご提出ください。
溶血不可 溶血検体は検査値に影響を及ぼすため避けてください。
酸性蓄尿不可 酸性蓄尿は検査値に影響を及ぼす場合がありますので避けてください。
開栓不可 コンタミネーション防止などのため,検体採取後は容器を開栓しないでください。
遠心 遠心分離してください。
冷遠 冷却下で遠心分離してください。
遮光 遮光 直射日光や蛍光灯などを避け,遮光した容器でご提出ください。
診療報酬算定における,慢性維持透析患者外来医学管理料の包括対象となる項目です。
診療報酬算定における,手術前医学管理料の包括対象となる項目です。
FAX 緊急報告値が検出された場合に,速やかにご報告する項目です。
総合検査依頼書(弊社の標準的な依頼書)のマークチェックでご依頼が可能な項目です。
指定依頼書 使用する依頼書の種類に指定があります.備考欄に記しています。
専用依頼書 使用する依頼書の種類が通常外です.専用の依頼書があります。
遺伝学依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】」です。
先天依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【先天異常・染色体検査】」です。
本年度版で新たに掲載された検査項目です。