検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
03642 |
α2プラスミンインヒビター・プラスミン複合体 (PIC)2B280-0000-022-062 |
遠心
|
15 ↓ 02 |
凍 |
LPIA | μg/mL 0.8 未満 |
包括154 D006 22 血液 |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
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03642 |
α2プラスミンインヒビター・プラスミン複合体 (PIC)2B280-0000-022-062 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
15 ↓ 02 |
凍 |
LPIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
μg/mL 0.8 未満 |
包括154 D006 22 血液 |
2~3日 |
備考
検体
- 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
- 検体提出(容器番号 02番)は、4mL容器をご使用ください。
- 3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、1,500×g、15分間遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください(遠心力の換算表チャート、およびCLSI/NCCLSドキュメントH21-A5参照)。
- チャート参照:出血凝固検査において、多項目同時依頼の際の必要血漿量は、[0.40 + (0.10 x 依頼項目数)]mLが目安となります。
診療報酬
- 保険名称:出血・凝固検査/プラスミン・プラスミンインヒビター複合体(PIC)
- 実施料:包括154
- 診療報酬区分:D006 22
- 判断料区分:血液学的検査
チャート


容器
臨床的意義
測定の難しい血中プラスミンの動きを直接的に反映する指標。血栓溶解療法のモニタリングやDICの診断に有用。
生体内には線溶亢進を阻止する蛋白があり、中でも最も強力なものが、α2プラスミンインヒビター(α2PI)である。これは分子量約70,000の糖蛋白で、肝臓で産生される。α2PIは、生体内では凝固因子Ⅷaによってフィブリンに架橋結合し、フィブリンの線溶に対する抵抗性を高める。プラスミンとα2PIが1:1で複合体を形成すればプラスミンは失活し、線溶系が阻止される。この複合体をPICという。
一方、プラスミンは、分子量80,000~87,000ダルトンの糖蛋白であるプラスミノーゲンが、プラスミノーゲンアクチベーターによって活性化されて生ずる蛋白分解酵素である。プラスミンは、フィブリンを分解してFDPにすることで、線溶系では促進的に働いているが、α2PIとの複合体PICを形成すると、プラスミンの作用は失われ線溶系が阻止される。
プラスミンの半減期は0.1秒ときわめて短いために直接測定することはできないが、プラスミンとα2PIとの複合体であるPICの量が、プラスミン活性を反映する。すなわち、PICの定量は、血中のプラスミンの動きを直接的に反映するため、血栓溶解療法のモニターやDICの診断に有力な手段となる。
【高値を示す病態】
肝障害、DIC、悪性腫瘍、ウロキナーゼ投与時
【低値を示す病態】
低値側の臨床的意義は少ない
参考文献
徐 吉夫, 他: 機器・試薬 16, 1107, 1993.