検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
15037 |
ループスアンチコアグラント 《リン脂質中和法》[出血凝固検査]5G502-0000-022-311 |
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
リン脂質中和法(SCT) | SCT比 1.16 未満 |
273 D014 35 免疫 |
2~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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15037 |
ループスアンチコアグラント 《リン脂質中和法》[出血凝固検査]5G502-0000-022-311 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
リン脂質中和法(SCT) |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
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SCT比 1.16 未満 |
273 D014 35 免疫 |
2~5日 |
備考
検体
- 遠心分離条件の不適により偽陰性となる場合がありますので、ご注意ください。
- 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
- 検体提出(容器番号 02番)は、4mL容器をご使用ください。
- 3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、1,500×g、15分間遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください(遠心力の換算表チャート、およびCLSI/NCCLSドキュメントH21-A5参照)。
診療報酬
- 保険名称:自己抗体検査/ループスアンチコアグラント定量
- 実施料:273
- 診療報酬区分:D014 35
- 判断料区分:免疫学的検査
抗リン脂質抗体症候群の診断を目的として行った場合に限り算定できます。
チャート

容器
臨床的意義
凝固因子とリン脂質の複合体に対する自己抗体。習慣性流産をきたす抗リン脂質抗体症候群の鑑別に有用。
ループスアンチコアグラント(LA)は、正常人血漿の凝固時間を延長させるSLE患者血漿中の“循環抗凝血素”として見出された。その後の研究から陰性荷電を持つリン脂質、またはプロトロンビンのような凝固因子とリン脂質の複合体に対する自己抗体であることが明らかとなった。現在LAは、その命名の由来となったSLE以外の疾患にも多く検出されることが知られ、「抗リン脂質抗体症候群」と総称される病態のマーカー抗体の一つに位置付けられる。
抗リン脂質抗体症候群では動・静脈血栓症、習慣性流産などの特徴的臨床症状が高頻度に認められる。「抗凝血素」がなぜ血栓症を惹起するのかは、不明な点が多い。
本検査では、ラッセル蛇毒添加による凝固時間(T1)、ラッセル蛇毒および過剰濃度のリン脂質添加による凝固時間(T2)の比に基づいて検体中のループスアンチコアグラント(LA)の有無を判定する。
ラッセル蛇毒は、外因系(凝固経路)の第Ⅶ因子や接触因子、内因系の第Ⅷ因子の活性化過程を要さず、直接に第Ⅹ因子を活性化して凝固反応を惹起する特性をもつ。接触因子異常や第Ⅷ因子欠損等の影響は受けない。このため、希釈ラッセル蛇毒試験によるLA検出は、抗リン脂質抗体症候群の診断や凝固因子欠乏、または凝固因子インヒビターの存在による凝固時間延長との鑑別 に有用な指標となる。
【高値を示す病態】
[抗リン脂質抗体症候群として]
動脈血栓症(脳梗塞など)、静脈血栓症、習慣性流産、血小板減少症 など
【低値を示す病態】
低値側の臨床的意義は少ない
参考文献
合地研吾: 日本臨牀 68, (増刊1), 758, 2010.