検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2021年9月1日時点の情報です。

入力コード 25990  統一コード 5C120 
項目名 total P1NP (Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド)
type I procollagen N-terminal propeptide,total
実施料
包括169
判断料区分 生Ⅱ 
健康保険名称  内分泌学的検査/Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド(PⅠNP) 
検査方法
ECLIA
検査材料
血清
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 血清 0.3
01
冷蔵
検査材料備考

※溶血検体では測定値が低下傾向となる場合があります。

EDTA血漿も検査可。

報告所要日数
2~3日
基準値(単位)  
μg/L

M(30~83歳) 18.1~74.1
F閉経前(30~44歳) 16.8~70.1
閉経後(45~79歳) 26.4~98.2

臨床的
意義 
骨組織に大量に存在するI型コラーゲン前駆体の代謝産物。骨形成の早期マーカーとして、骨粗鬆症治療薬の効果判定に用いられる。
   膠原線維の素材として知られるコラーゲンは、グリシンを主体とした細長いペプチドが3本、らせん状に巻き付いた構造をとるポリペプチドである。

 ヒト体内には数種類のコラーゲンが存在する。中でもI型コラーゲンは骨に大量に含まれ、骨基質の主成分となる一方、皮膚や腱にも存在し、これら組織の強靭な弾力性に不可欠な素材となっている。II型コラーゲンは軟骨、IV型は腎糸球体の基底膜など、名称によって分布や機能が異なっており、これが骨代謝においてI型コラーゲンを特に重要視する理由となっている。

 骨組織におけるI型コラーゲンの合成は、以下のように行われる。

 まず骨芽細胞内で、前駆物質の「I型プロコラーゲン」として合成され、細胞外に分泌される。次いでプロテアーゼの作用を受け、C末端とN末端の両方が切断されて、中央部分が「Ⅰ型コラーゲン」として使われる。余ったN末端側はI型プロコラーゲン-N-プロペプチド(PINP)、C末端側は同じくC端プロペプチド(PICP)と呼ばれ、血中に放出される。

 PINPは分子量35,000の細長い形状をした蛋白質で、血中には単量体や三量体として存在しており、本検査では単量体および三量体の両方を測定する。

 コラーゲンは、骨を高層ビルに例えると骨組みとなる鉄骨に相当し、骨形成のごく初期段階で産生・使用される。このためコラーゲン量を反映するPINPは、とくに「早期における骨形成の指標」として賞用されている。これに対し、骨型アルカリフォスファターゼやオステオカルシンは、骨基質の成熟・石灰化の過程で産生され、ビルに例えれば壁や床を埋める素材に相当する。

 病態と薬効判定にPINPは、次のように用いられる。

 PINPの濃度と骨量には負の相関が認められる。また、破骨細胞の活動を抑制する骨吸収抑制剤(エストロゲン製剤やビスフォスフォネート製剤など)によってPINP濃度は低下する。さらに、PTH製剤のような骨形成促進剤によりPINP濃度は上昇する。このような変化は鋭敏なため、薬剤投与による骨粗鬆症治療効果のモニタリングに有用とされる。

 一般に、骨代謝マーカーは日内変動が認められるが、PINPは他のマーカーにくらべ比較的小さいとされる。しかし、肝類洞壁に存在する内皮細胞のスカベンジャー・レセプターにより代謝されるため、肝機能低下例では高値になることがあるが、腎機能障害の影響はほとんど受けないとされる。

【高値を示す病態】
 骨代謝が亢進する疾患(甲状腺機能亢進症、骨Paget病、バセドウ病)、原発性・続発性骨粗鬆症、転移性骨腫瘍、肝障害、強皮症
【低値を示す病態】
 低値側の臨床的意義は少ない
 

※[骨形成マーカー]BGP、BAP、total P1NP。
[骨吸収マーカー]NTx、TRACP-5b、Dpyr。

算定備考

「BAP」、「Intact PⅠNP」、「ALPアイソザイム(PAG電気泳動法)」および「total P1NP」のうち2項目以上を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定できます。

容  器 
提出容器

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