検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2021年4月1日時点の情報です。

入力コード 00455  統一コード 5E079 
項目名 梅毒定性 《FTA-ABS》
syphilis serology test, FTA-ABS, qualitative
実施料
138
判断料区分 免疫 
健康保険名称  感染症免疫学的検査/梅毒トレポネーマ抗体(FTA-ABS試験)定性 
検査方法
FAT
検査材料
血清
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 血清 0.4
01
冷蔵
報告所要日数
2~3日

※陽性の場合、確認検査を行うため、ご報告が遅れるときがあります。

基準値(単位)  

(-)

臨床的
意義 
性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。
   梅毒の血清学的診断法には脂質抗原(cardiolipin)を用いるSTS(serologic test for syphilis)と、梅毒病原体(Treponema pallidum)を抗原として用いる方法の2種類がある。

1)脂質抗原試験(STS)
 主にRPR法が行われており、梅毒トレポネーマと交叉抗原性を有する脂質カルジオリピンに対する抗体を検出する。発見者の名前をとり、一般にワッセルマン反応といわれる。感度に優れ、比較的早期から陽性になる反面、生物学的偽陽性(*)には常に留意が必要である。

 RPRテスト(Rapid Plasma Reagin Test)はcardiolipin-lecithin抗原を吸着させた炭素粒子と、患者血清とを混和してできる凝集塊の有無により判定する。サークルカード・テストとも呼ばれる。
*生物学的偽陽性反応
(BFP; biological false positive reaction)

 肝疾患、ウイルス感染症、自己免疫疾患などで非特異的に抗体が産生される結果、抗カルジオリピン抗体保有者となり、梅毒に感染していないにもかかわらず陽性反応を示すことがある。これをBFPと呼び、確定診断にはTP抗体法HAやFTA-ABS法を併用する。

2)梅毒病原体(TP)抗原試験
 TP抗体法とFTA-ABS法があり、両者ともTreponema pallidum(Nichols株)に対する特異抗体を検出する。
1. TP抗体法:血球に梅毒病原体Treponema pallidumの菌体成分を吸着させたラテックス粒子がT.pallidum抗体によって凝集反応を起こすもの。
2. FTA-ABS法:スライドに梅毒病原体Treponema pallidumの菌体成分を吸着させ、T.pallidum抗体を間接蛍光抗体法で検出するもの。


 いったん抗体を獲得すると、TP抗体法やFTA-ABSではほぼ生涯にわたり長期間陽性となるため、梅毒の既往を知るには有用である。その反面、治癒後も陽性を保つため治療効果の判定には、STSの方が適しており、治療が奏効すると低下する。現在、梅毒の血清診断にはSTSとTP抗体法やFTA-ABSを併用する施設が多い。通常は、まず感染10日後頃にIgM抗体が産生され、第1期の終わり頃にはSTSやFTA-ABSが陽性となる。次いで、TP抗体法が陽転し、治療後はSTSが陰性化してもTP抗体法、FTA-ABSは陽性が続く。これを血清学的瘢根という。しかし、最近の感染報告では、一度に侵入する菌量が多いため、STSとTP抗体法が同時に陽性となる例も多いという。


 梅毒の疑われる患者では、3~4週後に再検査を行い、抗体価の変動を見る必要がある。特に感染初期や、不完全な治療を施した症例では、経過を追って検査が必要になる。また、血清梅毒反応が陰性でも感染直後であれば、患者血清には感染力があり、取り扱いには注意が必要である。

 STSとTP抗原反応における成績判定はチャート欄を参照。
高値を示す病態 
梅毒、
生物学的偽陽性(STSのみ)
自己免疫疾患、肝疾患、抗リン脂質抗体症候群ではSTS陽性となることがある。
らい、マラリア、レプトスピラ症などでTPHA、FTA-ABSが偽陽性を示すことがある。
関連項目 抗カルジオリピン・β2GPⅠ複合体抗体 (抗CL-β2GP1抗体), 抗カルジオリピン抗体IgG,
 

※手術前医学管理料-5の対象項目ではありません。

※総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。

チャート 

STSとTP抗原反応における成績判定

容  器 
提出容器

ページを閉じる