検査項目解説 掲載内容は、2022 年 8 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

09573

梅毒定量 《TP抗体法》

5E075-1352-023-062

血液
2

遠心

 

血清
0.4

 

 

 

01

 

 

2週

冷蔵

LA(ラテックス凝集比濁法)

T.U. (Titer Unit)

10.0 未満

53

D012 6

免疫

2~3日

項目
コード
検査項目

09573

梅毒定量 《TP抗体法》

5E075-1352-023-062

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法
血液
2

遠心

 

血清
0.4

 

 

 

01

 

 

2週

冷蔵

LA(ラテックス凝集比濁法)
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

T.U. (Titer Unit)

10.0 未満

53

D012 6

免疫

2~3日

備考

基準

  • 判定保留10.0~19.9
    陽性20.0 以上

日数

  • 陽性の場合、確認検査を行うため、ご報告が遅れるときがあります。

参考

  • 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。

診療報酬

  • 保険名称:感染症免疫学的検査/梅毒トレポネーマ抗体定量
  • 実施料:53
  • 診療報酬区分:D012 6
  • 判断料区分:免疫学的検査

容器

容器番号01:汎用容器(分離剤入り)

  • 容量:
    6mL・8.5mL
  • 添加剤:
    凝固促進剤
  • 保管方法・有効期間:

    容器および箱表示
  • 主な検査項目:

臨床的意義

性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。

 梅毒の血清学的診断法には脂質抗原(cardiolipin)を用いるSTS(serologic test for syphilis)と、梅毒病原体(Treponema pallidum)を抗原として用いる方法の2種類がある。

1)脂質抗原試験(STS)
 主にRPR法が行われており、梅毒トレポネーマと交叉抗原性を有する脂質カルジオリピンに対する抗体を検出する。発見者の名前をとり、一般にワッセルマン反応といわれる。感度に優れ、比較的早期から陽性になる反面、生物学的偽陽性(*)には常に留意が必要である。

 RPRテスト(Rapid Plasma Reagin Test)はcardiolipin-lecithin抗原を吸着させた炭素粒子と、患者血清とを混和してできる凝集塊の有無により判定する。サークルカード・テストとも呼ばれる。
*生物学的偽陽性反応
(BFP:biological false positive reaction)

 肝疾患、ウイルス感染症、自己免疫疾患などで非特異的に抗体が産生される結果、抗カルジオリピン抗体保有者となり、梅毒に感染していないにもかかわらず陽性反応を示すことがある。これをBFPと呼び、確定診断にはTP抗体法HAやFTA-ABS法を併用する。

2)梅毒病原体(TP)抗原試験
 TP抗体法とFTA-ABS法があり、両者ともTreponema pallidum(Nichols株)に対する特異抗体を検出する。
1. TP抗体法:血球に梅毒病原体Treponema pallidumの菌体成分を吸着させたラテックス粒子がT.pallidum抗体によって凝集反応を起こすもの。
2. FTA-ABS法:スライドに梅毒病原体Treponema pallidumの菌体成分を吸着させ、T.pallidum抗体を間接蛍光抗体法で検出するもの。

 いったん抗体を獲得すると、TP抗体法やFTA-ABSではほぼ生涯にわたり長期間陽性となるため、梅毒の既往を知るには有用である。その反面、治癒後も陽性を保つため治療効果の判定には、STSの方が適しており、治療が奏効すると低下する。現在、梅毒の血清診断にはSTSとTP抗体法やFTA-ABSを併用する施設が多い。通常は、まず感染10日後頃にIgM抗体が産生され、第1期の終わり頃にはSTSやFTA-ABSが陽性となる。次いで、TP抗体法が陽転し、治療後はSTSが陰性化してもTP抗体法、FTA-ABSは陽性が続く。これを血清学的瘢根という。しかし、一度に侵入する菌量が多いため、STSとTP抗体法が同時に陽性となる例も多いという。


【高値を示す病態】
 梅毒、生物学的偽陽性(STSのみ)
 自己免疫疾患、肝疾患、抗リン脂質抗体症候群ではSTS陽性となることがある。
 らい、マラリア、レプトスピラ症などでTPHA、FTA-ABSが偽陽性を示すことがある。

参考文献

大里和久, 他: 日本性感染症学会誌 13, 124, 2002.

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記載内容について

記載内容について

検査項目名称

すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし、それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました。ただし、アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました。また、略号が通例化しているものは、略号をもって検査項目名称としました。

「検査項目名」欄:JLAC10コード

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

検査材料に関する主な用語

検査材料 概要
血液 検査のために採取していただく肘静脈血を表します。
~加血液 採血後速やかに添加剤を混和した血液を表します。
添加剤の種類により、「EDTA加血液」、「ヘパリン加血液」、「クエン酸加血液」、「NaF加血液」などと表示します(所定の添加剤入り弊社指定容器に血液を採取してください)。
~血漿 採血後速やかに添加剤を混和し、遠心分離によって得られた血漿を表します。添加剤の種類により、「EDTA血漿」、「ヘパリン血漿」、「クエン酸血漿」などと表示します。なお、単に「血漿」とあるものについては、「備考」欄に添加剤の種類を別記しています。
血清 採血後、血餅の収縮を待って遠心分離して得られた上清を表します。特に添加剤を用いる必要のある場合は、その旨を「備考」欄に記載しています。
尿 原則として自然排尿された尿を表します。なお、「蓄尿」を要する場合、「備考」欄に使用する防腐剤の種類を別記しています。採尿方法については,以下を参考としてください。 1) 普通尿の場合: 新鮮尿を清潔な乾燥した容器に直接排尿するか,清潔な乾燥した携帯便器に排尿させ,指定の検体容器に直接 移し替えます. 2) 中間尿の場合: 清潔な排尿容器を手に持ち,放尿を開始します.最初は便器に排尿し,大体排尿が半ばに達した頃,排尿を中断 せずにそのまま採尿容器に放尿し,終わりに近づいた頃,再び便器に放尿します. 3) 無菌尿の場合: 男女とも陰部を刺激の少ない消毒液で洗浄しておき,清潔で乾燥した容器に中間尿を採尿します.細菌検査など の場合には,膀胱カテーテル法を用いて採尿しても構いません.

「容器」欄の番号

検体採取および提出時に用いる容器の種類は、巻末「容器一覧表」の頁に掲載する容器番号で表しています。また、容器番号の網掛け色は容器キャップの色を表しています。

「保存方法」欄の用語

提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません)。検査項目によっては、検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください。

必ず凍結(-10℃以下)保存してください。凍結温度指定のあるものは、その旨を記載しています。なお、凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします。
4℃前後で保存してください。また、数日以上にわたって保存される場合は、凍結していただくようお願いします。なお,凍結不可の材料については、その旨を記載しています。
常温保存してください(20℃前後)。

「保存方法」欄:検体の安定性

適正な検査結果をお届けすることができる、検体採取後における提出用材料の保存安定性の維持期間です。

「基準値」欄の用語

M:男性(Male) F:女性(Female)

「基準値」欄の単位記号

L liter(=1,000mL)
dL deciliter(=100mL)
mL milliliter
mm3 cubicmillimeter
μ3 cubicmicron
g gram
mg milligram(=0.001g)
μg microgram(=0.001mg)
ng nanogram(=0.001μg)
pg picogram(=0.001ng)
U Unit
UA Allergen Unit
mU milli Unit(=0.001U)
μU micro Unit(=0.001mU)
IU International Unit
AU Arbitrary Unit
BU Bethesda Unit
RLU Relative Light Unit
R.U. RPR Units
T.U. Titer Units
U mmol millimole(=0.001mol)
μmol micromole(=0.001mmol)
nmol nanomole(=0.001μmol)
pmol picomole(=0.001nmol)
fmol femtomole(=0.001pmol)
mEq milli Equivalent
FE Fibrinogen Equivalent
BCE Bone Collagen Equivalent
mOsm milli Osmole
sec second
U min minute
h hour
% percent
permill
SI Stimulation Index
cpm count per minute
RBC Red Blood Cell
LogIU Log International Unit

マーク表記の一覧

マーク一覧
倫理対象 遺伝学的検査など倫理的な配慮が必要な項目です。
曜日指定 指定曜日のみ受託可能です。
単独検体 他の項目とは別に,専用の検体としてご提出ください。
複数検体 ペア検体での出検が必要な項目です。
指定容器 必ず指定容器でご提出ください。
溶血不可 溶血検体は検査値に影響を及ぼすため避けてください。
酸性蓄尿不可 酸性蓄尿は検査値に影響を及ぼす場合がありますので避けてください。
開栓不可 コンタミネーション防止などのため,検体採取後は容器を開栓しないでください。
遠心 遠心分離してください。
冷遠 冷却下で遠心分離してください。
遮光 遮光 直射日光や蛍光灯などを避け,遮光した容器でご提出ください。
診療報酬算定における,慢性維持透析患者外来医学管理料の包括対象となる項目です。
診療報酬算定における,手術前医学管理料の包括対象となる項目です。
FAX 緊急報告値が検出された場合に,速やかにご報告する項目です。
総合検査依頼書(弊社の標準的な依頼書)のマークチェックでご依頼が可能な項目です。
指定依頼書 使用する依頼書の種類に指定があります.備考欄に記しています。
専用依頼書 使用する依頼書の種類が通常外です.専用の依頼書があります。
遺伝学依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】」です。
先天依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【先天異常・染色体検査】」です。
本年度版で新たに掲載された検査項目です。