WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 11 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

02880

TRACP-5btartrate-resistant acid phosphatase 5b

3B222-0000-023-025

単独検体

血液
1

遠心

血清
0.3

 

01

02

 

 

 

EIA

mU/dL

M 170~590
F(YAM) 120~420

包括156

D008 25

生Ⅱ

2~3日

項目
コード
検査項目

02880

TRACP-5btartrate-resistant acid phosphatase 5b

3B222-0000-023-025

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法

単独検体

血液
1

遠心

血清
0.3

 

01

02

 

 

 

EIA
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

mU/dL

M 170~590
F(YAM) 120~420

包括156

D008 25

生Ⅱ

2~3日

備考

項目

  • [骨形成マーカー]BGP、BAP、total P1NP。
    [骨吸収マーカー]NTX、TRACP-5b、DPD。

検体

  • 同一検体での他項目との重複依頼は避けてください(凍結融解により測定値が低下傾向となる場合があります)。

参考

  • YAM:若年者成人平均値
  • 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。

診療報酬

  • 保険名称:内分泌学的検査/酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)
  • 実施料:包括156
  • 診療報酬区分:D008 25
  • 判断料区分:生化学的検査(Ⅱ)

厚生労働省通知原文「注釈」

■ 各種ホルモンの日内変動検査は、内分泌学的検査の該当する項目の測定回数により算定するが、その回数については妥当適切な範囲であること。

■ 「25」の酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)は、代謝性骨疾患及び骨転移(代謝性骨疾患や骨折の併発がない肺癌、乳癌、前立腺癌に限る)の診断補助として実施した場合に1回、その後6月以内の治療経過観察時の補助的指標として実施した場合に1回に限り算定できる。また治療方針を変更した際には変更後6月以内に1回に限り算定できる。本検査と「25」のI型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTX)、「26」のオステオカルシン(OC)又は「39」のデオキシピリジノリン(DPD)(尿)を併せて実施した場合は、いずれか一つのみ算定する。なお、乳癌、肺癌又は前立腺癌であると既に確定診断された患者について骨転移の診断のために当該検査を行い、当該検査に基づいて計画的な治療管理を行った場合は、「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」を算定する。

代謝性骨疾患および骨転移(代謝性骨疾患や骨折の併発がない肺癌、乳癌、前立腺癌に限る)の診断補助として実施した場合に1回、その後6月以内の治療経過観察時の補助的指標として実施した場合に1回に限り算定できます。
治療方針を変更した際には変更後6月以内に1回に限り算定できます。
「NTX」、「オステオカルシン」または「DPD」を併せて実施した場合は、いずれか1つのみ算定できます。

容器

容器番号01:汎用容器(分離剤入り)

  • 容量: 6mL・8.5mL
  • 添加剤: 凝固促進剤
  • 保管方法:常温
  • 有効期間:容器および箱表示
  • 主な検査項目: -

容器番号02:汎用容器

  • 容量: 4mL・10mL
  • 添加剤: -
  • 保管方法:常温
  • 主な検査項目: 血清,血漿提出用

参考文献

三木隆巳,他: 医学と薬学 55, 443, 2006.

検査項目解説

臨床的意義

破骨細胞が分泌する酸性フォスファターゼの一種である。破骨細胞の数を反映し、骨吸収活性のマーカーに用いられる。

 酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(tartrate-resistant acid phosphatase:TRACP)は、酸性フォスファターゼ(ACP)という酵素の一種で、酒石酸で活性を阻害されない特徴がある。ACPとは、至適pHを酸性領域に持つフォスフォモノエステラーゼ(リン酸のエステル結合を切る酵素)のことで、骨代謝と関係が深い。例えば前立腺癌は骨転移を起こしやすいことで知られるが、その血中マーカーとして知られる前立腺性酸性フォスファターゼ(PAP)は、酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼの一種である。

 TRACPのうち、骨由来のアイソザイム成分には、5aと5bの2つのアイソフォームが存在する。このうち5aはマクロファージに、5bは破骨細胞にのみ局在している。

 TRACP-5bは、破骨細胞による骨吸収の際、血中に放出されるため、破骨細胞の数を反映し、骨吸収活性を反映するマーカーである。

 従来の骨代謝マーカーは、骨組織を形成するコラーゲンの架橋マーカーが多く、デオキシピリジノリン(DPD)やNTxなどがその代表である。これらは尿中濃度を測定されることが多く、日内変動や腎機能の影響を受けるため、採取時刻やクレアチニン補正などの制約が存在する。

 これに対し、TRACP-5bの検体は血清であるため腎機能の影響を受けにくく、日内変動や食事による影響も小さいため、採取時刻の制約は基本的に存在しない。

【高値を示す疾患】

転移性骨腫瘍副甲状腺機能亢進症骨粗鬆症

関連疾患

M81.9.1:骨粗鬆症 M80-M85:骨の密度・構造の疾患
C79.5.39:転移性骨腫瘍 C76-C80:その他の部位不明腫瘍
E21.3.2:副甲状腺機能亢進症 E20-E35:その他の内分泌疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.

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