WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 11 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
15028 |
HIT抗体 [自己免疫関連] |
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
ラテックス凝集法 | U/mL 1.0 未満 |
390 D011 10 免疫 |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
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15028 |
HIT抗体 [自己免疫関連] |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
ラテックス凝集法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
U/mL 1.0 未満 |
390 D011 10 免疫 |
2~3日 |
備考
検体
- 血清は検査不可。
- 3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、温度設定18℃~25℃、1,500×gで15分以上または2,000×gで10分以上遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください([血液学検査]「遠心力の換算表」チャート参照)。
報告
- HIT抗体(IgG、IgMおよびIgA)を測定し、その濃度をご報告しますが、免疫グロブリンの各クラス別の濃度報告は行いません。
診療報酬
- 保険名称:免疫血液学的検査/血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG、IgM及びIgA抗体)
- 実施料:390
- 診療報酬区分:D011 10
- 判断料区分:免疫学的検査
ヘパリン起因性血小板減少症の診断を目的として測定した場合に算定できます。
チャート
容器
容器番号15:血液凝固検査用容器
- 採取量: 1.8mL
- 添加剤:
3.2%クエン酸Na
0.2mL - 保管方法:常温
- 有効期間:容器および外袋表示
- 主な検査項目: 凝固因子活性,
PT,APTT,FIB,
AT,血中FDP
容器番号02:汎用容器
- 容量: 4mL・10mL
- 添加剤: -
- 保管方法:常温
- 主な検査項目: 血清,血漿提出用
参考文献
阪田敏幸: 医学と薬学 68, (3), 547, 2012.
宮田茂樹: 日本検査血液学会雑誌 12, (1), 60, 2011.
検査項目解説
臨床的意義
抗凝固薬であるヘパリン投与で惹起される血小板減少症の診断マーカーである。陽性の場合、ヘパリン使用は禁忌とされる。
HIT抗体(血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体)は、抗凝固薬ヘパリン投与で惹起される血小板減少症の診断マーカーである。
ヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia:HIT)は、治療目的で投与されたヘパリンにより惹起される重篤な副作用のひとつである。
ヘパリンは、血栓症に対する抗凝固療法や血液透析患者に投与されるが、血中で血小板第4因子(PF-4)がヘパリンと結合し、複合体を形成してしまう場合がある。この複合体形成時に、PF-4の構造変化が引き金となり、PF-4/ヘパリン複合体に対する抗体が産生される。さらに、この複合体が、血小板や血管内皮細胞を活性化し、血小板減少や血栓を引き起こすという一連の流れがHITの発症機序とされている。
HITの発症率は、ヘパリン投与患者の0.5~5 %とされ、発症すると血小板数が投与前より30~50 %低下するといわれている。適切な治療を施さないと発症後30日以内に約50 %の患者が血栓塞栓症を合併し、そのうちの約5 %が死に至る。このため本症を疑った場合は迅速な対応が要求される。
HITの診断には、血小板機能検査や4T’sスコアリングシステムを用いた臨床診断を用い、総合的に評価することが重要であるが、HIT抗体を診断補助として検査することで、より正確にHITの診断が可能になると考えられる。
国内でも2006年4月に注射用ヘパリンの添付文書が改訂され、副作用としてHITが追加された。HITの既往がある患者には、ヘパリン投与が原則禁忌となっている。
【高値を示す疾患】
ヘパリン起因性血小板減少症
関連疾患
D69.5.1:ヘパリン起因性血小板減少症 → D65-D69:凝固障害
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.