WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 11 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

50085

ALK融合タンパク
《高感度IHC法》ALK fusion protein

5D594-0000-075-666

未染標本スライド
4枚(4μm厚)

20

常温

高感度免疫染色法

2700

N002 6

病理

5~8日

項目
コード
検査項目

50085

ALK融合タンパク
《高感度IHC法》ALK fusion protein

5D594-0000-075-666

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法
未染標本スライド
4枚(4μm厚)

20

常温

高感度免疫染色法
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

2700

N002 6

病理

5~8日

備考

項目

  • コンパニオン診断薬を用いた検査です(クリゾチニブ、アレクチニブ、セリチニブ、ブリグチニブ)。

依頼

  • 『病理組織(特殊染色・免疫染色)依頼書』をご利用ください。

検体

  • 非小細胞肺癌を含む組織のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックから作製された未染標本スライドをご提出ください(スライドは剥離防止コートスライドガラスをご使用ください)。

報告

  • 染色と専門の病理医判定を合わせ結果をご報告します。

参考

  • コンパニオン診断薬などの情報については、PMDAのwebサイトにて最新情報をご確認ください。

「病理学検査」分野共通の特記事項

  • [お願い]「病理組織・細胞診検査のご依頼について」(チャート参照)をご確認ください。

「病理組織検査」中分類共通の特記事項

  • [ご参考]「病理組織 材料の提出方法」(チャート参照)を掲載しています。

診療報酬

  • 保険名称:免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製/ALK融合タンパク
  • 実施料:2700
  • 診療報酬区分:N002 6
  • 判断料区分:病理学的検査料

厚生労働省通知原文「注釈」

■ 電子顕微鏡病理組織標本作製、「N000」病理組織標本作製、「N002」免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製のうち、いずれを算定した場合であっても、他の2つの項目を合わせて算定することができる。

■ 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製は、病理組織標本を作製するにあたり免疫染色を行った場合に、方法(蛍光抗体法又は酵素抗体法)又は試薬の種類にかかわらず、1臓器につき1回のみ算定する。ただし、「3」のHER2タンパクは、化学療法歴のある手術不能又は再発乳癌患者に対して、過去に乳癌に係る本標本作製を実施した場合であって、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体抗悪性腫瘍剤の投与の適応を判定するための補助に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品を用いて、HER2低発現の確認により当該抗悪性腫瘍剤の投与の適応を判断することを目的として、本標本作製を再度行う場合に限り、別に1回に限り算定できる(乳癌に係る初回の本標本作成を令和6年3月31日以降に実施した場合にあっては、令和8年5月31日までの間に限る。)。なお、再度免疫染色が必要である医学的な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

■ 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製、「N000」病理組織標本作製又は「N001」電子顕微鏡病理組織標本作製のうち、いずれを算定した場合であっても、他の2つの項目を合わせて算定することができる。

■ 「6」のALK融合タンパクは、以下に掲げる場合において算定できる。

  • ア 非小細胞肺癌患者に対して、ALK阻害剤の投与の適応を判断することを目的として、ブリッジ試薬を用いた免疫組織染色法により病理標本作製を行った場合(当該薬剤の投与方針の決定までの間の1回に限る。)
  • イ 悪性リンパ腫患者に対して、悪性リンパ腫の診断補助を目的として免疫組織染色法により病理標本作製を行った場合(悪性リンパ腫の病型分類までの間の1回に限る。)


■ セルブロック法による病理組織標本に対する免疫染色については、悪性中皮腫を疑う患者又は組織切片を検体とした病理組織標本作製が実施困難な肺悪性腫瘍、胃癌、大腸癌、卵巣癌、悪性リンパ腫若しくは乳癌を疑う患者に対して実施した場合に算定する。なお、肺悪性腫瘍、胃癌、大腸癌、卵巣癌、悪性リンパ腫又は乳癌を疑う患者に対して実施した場合には、組織切片を検体とした病理組織標本作製が実施困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

「肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」と「悪性腫瘍遺伝子検査」および「EGFR変異解析(血漿)」、「ALK融合タンパク」、「ALK融合遺伝子解析」を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定できます。
染色方法または試薬の種類にかかわらず、1臓器につき1回のみ算定できます。
ALK融合タンパクは非小細胞肺癌患者に対して、ALK阻害剤の投与の適応を判断することを目的として当該薬剤の投与方針の決定までの間に1回を限度として算定できます。

容器

容器番号20:プレパラート

  • 容量: -
  • 添加剤: -
  • 保管方法:常温
  • 主な検査項目: 血液像,細胞診

参考文献

Takeuchi, K. et al.: Clin. Cancer Res. 15, (9), 3143, 2009.
竹内賢吾: 病理と臨床 28, (2), 139, 2010.

検査項目解説

臨床的意義

非小細胞肺癌に対して、クリゾチニブ、アレクチニブ塩酸塩の適応を判定するための補助検査である。FISH法と高い相関を示す。

 ALK遺伝子は、2番染色体短腕(2p23)に座位する遺伝子である。ALKタンパクは、細胞の増殖を促進するシグナル伝達に関わっている。

 ALK遺伝子は、さまざまな遺伝子と転座することが知られている。中でもEML4::ALK融合遺伝子は、2番染色体短腕に逆向きに存在するEML4遺伝子と、ALK遺伝子が小さな逆位を形成することで融合した遺伝子であり、非小細胞肺癌の患者の3~5 %程度にみられる。

 ALKタンパクは、リガンド結合によって二量体化し活性化する。しかし、ALK融合タンパクは、リガンドの結合がなくても恒常的にALKチロシンキナーゼを活性化し、細胞増殖シグナルを異常に活性化し続けることで細胞ががん化すると考えられている。

 IHC法は、腫瘍細胞の評価に確実性があるが、肺癌におけるALK遺伝子タンパク質の発現は微量なため、高感度のIHC法を行う必要がある。非小細胞肺癌で遺伝子検査を行う際には、まずIHC法でのスクリーニングを行い、ALK陽性となった症例についてFISH法を実施することが推奨されている。一般的には、ALK陽性例において、FISH法と高感度IHC法の結果は、95 %以上の高い相関率を示す。

 本検査は、非小細胞肺癌患者に対しコンパニオン診断薬を用いて、クリゾチニブ(商品名:アルンブリグ(R))、アレクチニブ塩酸塩(商品名:アレセンサ(R))の適応を判定するための補助検査である。

【陽性を示す疾患】

非小細胞肺癌

関連疾患

C34.9.26:非小細胞肺癌 C30-C39:呼吸器腫瘍
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.

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