検査項目解説 掲載内容は、2022 年 8 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00042 |
リン脂質 (PL)3F025-0000-023-271 |
遠心
|
01 |
1週 冷蔵 |
酵素法 | mg/dL 150~280 |
包括15 D007 2 生Ⅰ |
1~2日 |
項目 コード |
検査項目 |
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00042 |
リン脂質 (PL)3F025-0000-023-271 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
1週 冷蔵 |
酵素法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
mg/dL 150~280 |
包括15 D007 2 生Ⅰ |
1~2日 |
備考
検体
- チャート参照:生化学検査・免疫血清学検査などにおいて、多項目同時依頼の際の必要血清量は、[0.45 + (0.05 x 依頼項目数)]mLが目安となります。
参考
- チャート参照:手術前管理料の対象項目です。
- 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。
診療報酬
- 保険名称:血液化学検査/リン脂質
- 実施料:包括15
- 診療報酬区分:D007 2
- 判断料区分:生化学的検査(Ⅰ)
チャート

臨床的意義
血中での脂質の安定化と代謝に重要な役割を果たすリポ蛋白の構成要素。肝・胆道疾患で異常値を示す。
リン脂質はリン酸基をもつ複合脂質であり、化学的にはグリセロ・リン脂質と、スフィンゴ・リン酸の二つに分類される。生体内の主な成分は、前者に属するレシチン、リゾレシチンと後者のスフィンゴミエリンの三つであり、血中・組織ともにレシチンが最も多く含まれる。
リン脂質の大部分は、脂質とタンパクの複合体であるリポ蛋白の構成要素として、血中での脂質の安定化と代謝に重要な役割を果たしている。また、LCAT(レシチンコレステロール・アシルトランスフェラーゼ)の基質となりコレステロールエステルの生成に関与するほか、生体膜の構成成分としての機能もある。
血中リン脂質の値はほぼコレステロール値と同様の変動を示し、その比もほぼ1:1である。肝での生合成と分解、胆汁中への排泄の障害により大きな影響を受け、胆汁うっ滞をよく反映する。
肝硬変で血清リン脂質値が低下する症例では、一般的にすべての分画成分が低下するが、特にリゾレシチンの減少が顕著といわれる。また、閉塞性黄疸でリン脂質値の上昇する症例ではレシチンは上昇するがリゾレシチンは低下する。
【高値を示す病態】
肝疾患(肝内・肝外胆汁うっ滞)、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、家族性高脂血症(Ⅱa、Ⅱb、Ⅲ、Ⅳ)、LCAT欠損症 など
【低値を示す病態】
肝疾患(劇症肝炎、非代償性肝硬変)、甲状腺機能亢進症、Tangier病、栄養障害 など
参考文献
岡部和彦, 藤井 守: Med. Technol. 8, 1068, 1980.