検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01631 |
マンガン (Mn) 〈尿〉3K125-0000-001-274 |
単独検体
|
指定容器
59 |
3週 冷蔵 |
原子吸光法 | μg/L 2.0 未満 |
包括27 D007 8 生Ⅰ |
6~11日 |
項目 コード |
検査項目 |
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01631 |
マンガン (Mn) 〈尿〉3K125-0000-001-274 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
単独検体
|
指定容器
59 |
3週 冷蔵 |
原子吸光法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
μg/L 2.0 未満 |
包括27 D007 8 生Ⅰ |
6~11日 |
備考
検体
- 必ず指定容器を使用し、専用検体としてご提出ください(同じ容器を用いる項目は同一検体でも可)。
基準
- 産業衛生関連検査としてご依頼の場合の基準値は、チャート参照:産業衛生関連検査一覧
診療報酬
- 保険名称:血液化学検査/マンガン(Mn)
- 実施料:包括27
- 診療報酬区分:D007 8
- 判断料区分:生化学的検査(Ⅰ)
1月以上(胆汁排泄能の低下している患者については、2週間以上)高カロリー静脈栄養法が行われている患者に対して、3月に1回に限り算定できます。
チャート

臨床的意義
マンガン鉱山や精錬工場労働者におけるマンガンへの暴露指標。
マンガン(Mn)は人体における必須元素の一つで、成人の体内に約12~18mg含まれている。ホルモンやビタミンなど、生体活性物質の構成成分としては知られていないが、糖転移酵素などある種の酵素群に対しては、触媒として作用することが知られている。また、活性酸素のスカベンジャーであるsuperoxide dismutase(SOD)にもマンガンが必要とされている。
マンガンはさまざまな物質の代謝に関与しているため、欠乏すると骨病変や糖代謝異常、血液凝固異常などを起こす可能性がある。文献的にはマンガン欠乏で、成人では下肢や胸部に掻痒感を伴う水晶様汗疹が、小児では骨形成不全や低身長が報告されている。しかし実際には、マンガン欠乏症例の報告は少ない。通常の食事ではマンガン欠乏症は考えにくいが、長期の経静脈栄養を行っている患者では、場合によっては考慮すべき病態といえる。
マンガンは過剰に摂取されると、神経障害を主とした中毒症状を起こす。マンガン鉱山作業者や精練工場作業者では、職業的暴露により気道から大量に吸入されると、中枢神経障害や精神障害、呼吸器障害などを主徴とするマンガン中毒をひき起こす。
日本人では食餌により1日に平均2~4mgマンガンを摂取するといわれている。体液中のマンガン濃度はきわめて低く、基準範囲も測定者によりさまざまな報告がある。実験的にマンガン欠乏動物を作る時に、マグネシウム欠乏状態に置くと容易にマンガン欠乏になることから、マンガンとマグネシウムは密接な関係があると考えられている。
【高値を示す病態】
マンガン暴露(中枢神経障害、精神障害、呼吸器障害などを呈する)
【低値を示す病態】
マンガン欠乏症(長期の経静脈栄養患者。貧血、皮膚障害、骨異常、脂質代謝異常などを呈する)