検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
26788 |
フェンタニル |
遠心
|
03 ↓
02 |
30日 凍 |
LC-MS/MS | ng/mL |
5~11日 |
項目 コード |
検査項目 |
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26788 |
フェンタニル |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
03 ↓
02 |
30日 凍 |
LC-MS/MS |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
ng/mL |
5~11日 |
備考
参考
- 主な商品名:アブストラル、イーフェンバッカル
「薬毒物検査」分野共通の特記事項
- [ご注意]血中薬物検査をご依頼の際は、分離剤入り採血管は使用しないでください(測定値が分離剤の影響を受ける場合があります)。
容器
臨床的意義
医療用オピオイド。
医療用オピオイドはがん性疼痛の緩和に優れた効果を発揮し、また、生命予後の改善にも繋がるものとして、WHOによる『三段階除痛ラダー』などでも早期からオピオイドを使用することが推奨されている。
しかしながら、わが国の緩和医療におけるオピオイド使用率は他の先進国に比べて低水準に留まってきた。その背景には薬物依存や副作用に対する懸念もあるが、オピオイド鎮痛薬の処方・使用方法が必ずしも標準化されておらず、医師の経験に委ねられることも一因と思われる。
実際、オピオイドの必要量の個体差は大きく、患者個々のオピオイド感受性が数倍に及ぶとの報告もある。理論的に、オピオイドが鎮痛効果を発揮するには“最低有効鎮痛濃度(minimum effective analgesic concentration)”を超える必要があるが、その血中濃度は患者の肝機能・腎機能はもとより、薬物代謝酵素の遺伝子多型などの諸要因の影響を受ける。こうしたさまざまな課題がありつつ、“麻薬”として法的規制の対象でもあるオピオイドの血中濃度測定は一般に行われておらず、投与量と鎮痛効果の間の明確なエビデンスが未だ乏しいことは否めない。
医療用オピオイドの適正使用のため、投与量-血中濃度相関のデータ蓄積などの手段に利用されることを期待している。
参考文献
久保田敬乃, 他: 炎症と免疫 24, (2), 135, 2016.
住谷昌彦: クリニックマガジン 43, (3), 15, 2016.
日本緩和医療学会: がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2014年版.