検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
27468 |
抗p53抗体5D560-0000-023-052 |
遠心
|
01 |
1週 冷蔵 |
CLEIA | U/mL 1.30 以下 |
包括163 D009 19 生Ⅱ |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
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27468 |
抗p53抗体5D560-0000-023-052 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
1週 冷蔵 |
CLEIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
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U/mL 1.30 以下 |
包括163 D009 19 生Ⅱ |
2~3日 |
備考
診療報酬
- 保険名称:腫瘍マーカー/抗p53抗体
- 実施料:包括163
- 診療報酬区分:D009 19
- 判断料区分:生化学的検査(Ⅱ)
臨床的意義
癌抑制遺伝子p53が変異して生じた、異常蛋白に対する抗体。既存の腫瘍マーカーとは相補的で、食道、大腸、乳癌で早期から上昇。
p53蛋白質は分子量53kDaで、393個のアミノ酸からなる核内蛋白質である。第17番染色体(17p13.1)に局在する癌抑制遺伝子「p53遺伝子」により産生される「p53蛋白」は、細胞周期進行の制御、遺伝子修復酵素の活性化、アポトーシス誘導能など多彩な働きがあり、遺伝子の異常から生体を守る機能を持っている。
p53遺伝子に突然変異が発生し、変異型p53蛋白が産生されると、正常なp53蛋白の機能が損なわれ、癌が発生すると考えられている。
ヒト癌細胞におけるp53遺伝子の変異は、大腸、胃、食道、乳腺、肺、脳など多様な臓器に認められ、異常な機能を獲得した変異型p53蛋白の蓄積が、種々の腫瘍組織において観察されている。そして血中の「抗p53抗体」出現は、p53遺伝子変異と非常に高い相関が報告されている。これは、正常細胞にはp53蛋白はごく少量しか存在しないのに対し、p53遺伝子に変異が生ずることで半減期が延長した結果、変異型p53蛋白が細胞核内に蓄積し、さらに高次構造の変化に起因して抗p53抗体が出現するためと考えられている。このように、癌組織で起こっている遺伝子変異を、血中抗体で測定できるのが本項目の特徴である。
【高値を示す病態】
癌(頭頸部癌、食道癌、大腸癌、子宮体癌、乳癌など)
(2014年4月現在、保険診療では食道、大腸、乳癌が強く疑われる患者にのみ適応が認められている)
【低値を示す病態】
低値側での臨床的意義は少ない
参考文献
橋本礼輔, 他: 医学と薬学 75, (8), 955, 2018.