検査項目解説 掲載内容は、2022 年 4 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

04790

便中ヘリコバクター・ピロリ抗原

5E068-0000-015-023

 

 

糞便

指定容器 

 

76

 

7日

冷蔵

EIA

(-)

142

D012 24

免疫

2~3日

項目
コード
検査項目

04790

便中ヘリコバクター・ピロリ抗原

5E068-0000-015-023

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法

 

 

糞便

指定容器 

 

76

 

7日

冷蔵

EIA
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

(-)

142

D012 24

免疫

2~3日

備考

項目

  • 除菌判定は、除菌終了後4週以降にご提出ください。

検体

  • チャート参照:「便中ヘリコバクター・ピロリ抗原」検査の検体採取方法

診療報酬

  • 保険名称:感染症免疫学的検査/ヘリコバクター・ピロリ抗原定性
  • 実施料:142
  • 診療報酬区分:D012 24
  • 判断料区分:免疫学的検査

ヘリコバクター・ピロリ感染診断の保険診療上の取扱いについては「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」(平成12年10月31日保険発第180号)に則して行う必要があります。

チャート

「便中ヘリコバクター・ピロリ抗原」検査の検体採取方法

容器

容器番号76:便中H.ピロリ抗原用採便管

  • 採取量:
  • 添加剤:
    ホウ酸
  • 保管方法・有効期間:
    常温
    容器表示
  • 主な検査項目:
    便中ヘリコバクター・ピロリ抗原

臨床的意義

胃・十二指腸潰瘍の起炎菌、ヘリコバクター・ピロリを便中の抗原から検出

 ヘリコバクター・ピロリは1983年、オーストラリアのRobin WarrenとBarry J. Marshallにより分離されたグラム陰性桿菌である。当初はキャンピロバクター・ピロリと命名されたが、1989年に新たにヘリコバクター属が新設され、キャンピロバクター・ピロリはヘリコバクター・ピロリ(Hp)として登録されることになった。「ヘリコバクター」という名称は螺旋状の(helico-)という菌の形態に、「ピロリ」は菌が分離された幽門部(pylorus)に由来している。

 Hpは主として胃前庭部等に生息し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となるばかりでなく、胃癌の発症リスクを高めると考えられている。また、胃癌以外にも胃MALTリンパ腫や、萎縮性胃炎、胃過形成性ポリープにも関連性が指摘されている。しかし、感染者のうち胃痛、胸焼けなど典型的な消化管症状を呈する症例は3割程度とされ、明らかな症候を呈さない感染者も多いといわれている。

 日本ヘリコバクター学会の2003年改訂ガイドラインによれば、感染の診断には、大きく分けて内視鏡による生検組織を必要とする検査法と、必要としない検査法に大別される。前者には迅速ウレアーゼ試験や鏡検法、培養法などがあるが、感染部位が特定され、正しく採取された場合の正診率は高い反面、Hpの濃厚な棲息がみられない腸上皮化生部位からの採取では偽陰性を呈し易いとされる。また、頻回の内視鏡検査に心理的抵抗を訴える患者も少なくない。

 一方、後者には尿素呼気試験、抗Hp抗体測定に加え、本検査である便中Hp抗原も加えられている。抗Hp抗体測定は感染の既往を知る上で意義深いが、除菌効果判定には動きが鋭敏とは言い難い面がある。これに対し便中Hp抗原は、現在感染が存在する否かを直接反映するばかりでなく、少ない侵襲で迅速な判定が可能という利点を有する。本検査の感度/特異度/有効度は、それぞれ93.4%/95.7%/94.5%(キット添付文書による)とされている。検体は採取後、検査に入るまでに冷蔵で5日程度安定とされるが、それ以上保存する場合は、抗原性を失わないよう凍結保存が必要である。

 なお、同ガイドラインによれば、Hp感染の検査は、除菌治療を前提として行われるべきであり、効果判定は除菌治療薬中止後4週以降に行うべきとされる。

【陽性を示す病態】
 ヘリコバクター・ピロリ感染症

参考文献

神谷 茂, 他: 感染症誌 76, 378, 2002.

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記載内容について

記載内容について

検査項目名称

すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし、それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました。ただし、アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました。また、略号が通例化しているものは、略号をもって検査項目名称としました。

「検査項目名」欄:JLAC10コード

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

検査材料に関する主な用語

検査材料 概要
血液 検査のために採取していただく肘静脈血を表します。
~加血液 採血後速やかに添加剤を混和した血液を表します。
添加剤の種類により、「EDTA加血液」、「ヘパリン加血液」、「クエン酸加血液」、「NaF加血液」などと表示します(所定の添加剤入り弊社指定容器に血液を採取してください)。
~血漿 採血後速やかに添加剤を混和し、遠心分離によって得られた血漿を表します。添加剤の種類により、「EDTA血漿」、「ヘパリン血漿」、「クエン酸血漿」などと表示します。なお、単に「血漿」とあるものについては、「備考」欄に添加剤の種類を別記しています。
血清 採血後、血餅の収縮を待って遠心分離して得られた上清を表します。特に添加剤を用いる必要のある場合は、その旨を「備考」欄に記載しています。
尿 原則として自然排尿された尿を表します。なお、「蓄尿」を要する場合、「備考」欄に使用する防腐剤の種類を別記しています。採尿方法については,以下を参考としてください。 1) 普通尿の場合: 新鮮尿を清潔な乾燥した容器に直接排尿するか,清潔な乾燥した携帯便器に排尿させ,指定の検体容器に直接 移し替えます. 2) 中間尿の場合: 清潔な排尿容器を手に持ち,放尿を開始します.最初は便器に排尿し,大体排尿が半ばに達した頃,排尿を中断 せずにそのまま採尿容器に放尿し,終わりに近づいた頃,再び便器に放尿します. 3) 無菌尿の場合: 男女とも陰部を刺激の少ない消毒液で洗浄しておき,清潔で乾燥した容器に中間尿を採尿します.細菌検査など の場合には,膀胱カテーテル法を用いて採尿しても構いません.

「容器」欄の番号

検体採取および提出時に用いる容器の種類は、巻末「容器一覧表」の頁に掲載する容器番号で表しています。また、容器番号の網掛け色は容器キャップの色を表しています。

「保存方法」欄の用語

提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません)。検査項目によっては、検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください。

必ず凍結(-10℃以下)保存してください。凍結温度指定のあるものは、その旨を記載しています。なお、凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします。
4℃前後で保存してください。また、数日以上にわたって保存される場合は、凍結していただくようお願いします。なお,凍結不可の材料については、その旨を記載しています。
常温保存してください(20℃前後)。

「保存方法」欄:検体の安定性

適正な検査結果をお届けすることができる、検体採取後における提出用材料の保存安定性の維持期間です。

「基準値」欄の用語

M:男性(Male) F:女性(Female)

「基準値」欄の単位記号

L liter(=1,000mL)
dL deciliter(=100mL)
mL milliliter
mm3 cubicmillimeter
μ3 cubicmicron
g gram
mg milligram(=0.001g)
μg microgram(=0.001mg)
ng nanogram(=0.001μg)
pg picogram(=0.001ng)
U Unit
UA Allergen Unit
mU milli Unit(=0.001U)
μU micro Unit(=0.001mU)
IU International Unit
AU Arbitrary Unit
BU Bethesda Unit
RLU Relative Light Unit
R.U. RPR Units
T.U. Titer Units
U mmol millimole(=0.001mol)
μmol micromole(=0.001mmol)
nmol nanomole(=0.001μmol)
pmol picomole(=0.001nmol)
fmol femtomole(=0.001pmol)
mEq milli Equivalent
FE Fibrinogen Equivalent
BCE Bone Collagen Equivalent
mOsm milli Osmole
sec second
U min minute
h hour
% percent
permill
SI Stimulation Index
cpm count per minute
RBC Red Blood Cell
LogIU Log International Unit

マーク表記の一覧

マーク一覧
倫理対象 遺伝学的検査など倫理的な配慮が必要な項目です。
曜日指定 指定曜日のみ受託可能です。
単独検体 他の項目とは別に,専用の検体としてご提出ください。
複数検体 ペア検体での出検が必要な項目です。
指定容器 必ず指定容器でご提出ください。
溶血不可 溶血検体は検査値に影響を及ぼすため避けてください。
酸性蓄尿不可 酸性蓄尿は検査値に影響を及ぼす場合がありますので避けてください。
開栓不可 コンタミネーション防止などのため,検体採取後は容器を開栓しないでください。
遠心 遠心分離してください。
冷遠 冷却下で遠心分離してください。
遮光 遮光 直射日光や蛍光灯などを避け,遮光した容器でご提出ください。
診療報酬算定における,慢性維持透析患者外来医学管理料の包括対象となる項目です。
診療報酬算定における,手術前医学管理料の包括対象となる項目です。
FAX 緊急報告値が検出された場合に,速やかにご報告する項目です。
総合検査依頼書(弊社の標準的な依頼書)のマークチェックでご依頼が可能な項目です。
指定依頼書 使用する依頼書の種類に指定があります.備考欄に記しています。
専用依頼書 使用する依頼書の種類が通常外です.専用の依頼書があります。
遺伝学依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】」です。
先天依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【先天異常・染色体検査】」です。
本年度版で新たに掲載された検査項目です。