検査項目解説 掲載内容は、2022 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00243 |
ハプトグロビン (Hp) (型判定)5C041-0000-023-235 |
遠心
|
01 |
冷蔵 |
TIA/薄層アクリルアミドゲル電気泳動法 | mg/dL 1-1型 43~180 |
132 D015 14 免疫 |
4~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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00243 |
ハプトグロビン (Hp) (型判定)5C041-0000-023-235 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
冷蔵 |
TIA/薄層アクリルアミドゲル電気泳動法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
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mg/dL 1-1型 43~180 |
132 D015 14 免疫 |
4~5日 |
備考
報告
- 感度(10mg/dL)未満の場合は型判定不能でご報告します。
診療報酬
- 保険名称:血漿蛋白免疫学的検査/ハプトグロビン(型補正を含む。)
- 実施料:132
- 診療報酬区分:D015 14
- 判断料区分:免疫学的検査
臨床的意義
ヘモグロビンと特異的に結合する糖蛋白質。溶血で減少し、炎症性疾患で血中に増加。
ハプトグロビン(Hp)分子は、ヘモグロビンと特異的に結合する糖蛋白質で、肝実質細胞や細網内皮系組織で生成される。
血液中の遊離型ヘモグロビンと結合して複合体を形成し、クッパー細胞などに速やかに取り込まれ、分解処理される。すなわち、遊離型ヘモグロビンの毒性中和と腎からの喪失防止という役割を持つ。また、Hpは急性の炎症性病変、顆粒球からの産生亢進により血中で増加するという急性相反応物質という側面を持つ。
一方、Hpの減少は、溶血性疾患による消費の亢進、肝実質障害による産生低下、尿中等への喪失で認められる。
一般にハプトグロビンはHp1-1、Hp2-1、Hp2-2の三つの表現型に分類され、それらの蛋白構造は一般式(α1β)2、(α1β)m(α2β)n、(α2β)nで表されるポリマーを形成している。
平均分子量も約10万、20万、40万と異なるため、抗原抗体反応を利用した定量に際しては注意が必要である。すなわち、個人によって上記三者のうち通常いずれか一つの遺伝型をもち、Hpはその遺伝型により、疾病での増加頻度に差が認められる。Hp1-1は急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病で、Hp2-1は心筋梗塞や原発性卵巣癌で、また、Hp2-2では本態性高血圧、IDDM、SLEなどでの増加頻度が高いといわれている。
各遺伝型の日本人での出現頻度はそれぞれ約7%、35%、58%の割合である。
【高値を示す病態】
感染症、膠原病、悪性腫瘍(急性相反応蛋白として)、薬剤投与、放射線被曝、うつ病、統合失調症 など
【低値を示す病態】
溶血性疾患(サラセミア、貧血、人工透析)、肝疾患(特に肝実質細胞の障害;ウイルス性肝炎、アルコール性肝硬変など)、免疫抑制剤投与時(検体の溶血でも低値となるので注意)、ネフローゼ症候群
参考文献
河合 忠, 他: 臨床病理(特集第101号), 207, 1996.