検査項目解説 掲載内容は、2022 年 5 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
07560 |
B細胞表面免疫グロブリン (Sm-Ig) Sm-IgG5I021-0000-019-662 |
|
13 |
常温 |
フローサイトメトリー法 | 3~12 % |
157 D016 1 免疫 |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
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07560 |
B細胞表面免疫グロブリン (Sm-Ig) Sm-IgG5I021-0000-019-662 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
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13 |
常温 |
フローサイトメトリー法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
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3~12 % |
157 D016 1 免疫 |
2~3日 |
備考
項目
- 受付曜日:月~土曜日
- チャート参照:細胞性免疫検査のご依頼について
「細胞性免疫検査」分野共通の特記事項
- [お願い]細胞性免疫検査をご依頼の際は、専用依頼書をご使用ください。また、注意事項がありますので、「細胞性免疫検査のご依頼について」(チャート参照)をご確認ください。
「細胞形態検査」中分類共通の特記事項
- 土曜日受付可能な項目も日曜日、月曜日が連休となる場合は受託できません。
診療報酬
- 保険名称:細胞機能検査/B細胞表面免疫グロブリン
- 実施料:157
- 診療報酬区分:D016 1
- 判断料区分:免疫学的検査
チャート

容器
臨床的意義
B細胞表面の免疫グロブリン。クラスパターンから、モノクロナリティーやB細胞性白血病、リンパ腫の細胞分化度を判定できる。
B細胞はその成熟過程において、細胞表面に表現される免疫グロブリン(Sm-Ig)のクラスが変化する、クラススイッチングと呼ばれる現象をおこすことが知られている。すなわち、遺伝子であらかじめプログラムされたステップに従い、μ鎖(IgMの重鎖)にはじまり、IgD、さらにIgGやIgAに分化していくのが通常の成熟パターンとされている。これを利用してB細胞の分化、免疫記憶の状況を調べるのが本検査の目的である。
単分子の免疫グロブリンは、1対2本の重鎖(γ、α、μ、δ、ε、それぞれIgG、A、M、D、Eに対応)と1対2本の軽鎖(κ、λ)からなり、1つの成熟B細胞には1種類ずつの発現がみられる(チャート欄参照)。免疫グロブリン分子はB細胞のマーカーであると同時にB細胞の分化増殖の受容体としての役割も担っており、形質細胞への分化とともにB細胞の表面からは消失する。
リンパ性白血病や悪性リンパ腫については、B細胞表面免疫グロブリンの重鎖(H鎖)や軽鎖(L鎖)の型を詳細に検討することで、B細胞のどの成熟段階での単クローン性増殖であるかを推測できる。
また、原発性免疫不全症候群の診断においては、B細胞表面免疫グロブリンの検索で、どの分化段階の障害かを推定できる。さらに、重症複合型免疫不全症やDi George症候群における細胞移植後のB細胞表面免疫グロブリンのクラス・パターンの変化を知ることは、患者の免疫不全の病態指標として有用である。
【高値を示す病態】
CLL 80~90%はSm-Ig陽性のB細胞型
そのうちIgM優位型57%、IgMと他の免疫グロブリン(IgDあるいはIgG)の型が18%、他のIg(DあるいはG)優位の型が25%を占めている。
L鎖は70%がKAPPA(κ)型。
参考文献
田沢裕光, 他: 臨床病理 33, 426, 1985.