検査項目解説 掲載内容は、2022 年 6 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01340 |
第Ⅱ因子活性 (F2)2B350-0000-022-311 |
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
PT法 | % 74~146 |
包括223 D006 30 血液 |
2~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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01340 |
第Ⅱ因子活性 (F2)2B350-0000-022-311 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
PT法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
% 74~146 |
包括223 D006 30 血液 |
2~5日 |
備考
検体
- 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
- 検体提出(容器番号 02番)は、4mL容器をご使用ください。
- 3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、1,500×g、15分間遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください(遠心力の換算表チャート、およびCLSI/NCCLSドキュメントH21-A5参照)。
- チャート参照:出血凝固検査において、多項目同時依頼の際の必要血漿量は、[0.40 + (0.10 x 依頼項目数)]mLが目安となります。
診療報酬
- 保険名称:出血・凝固検査/凝固因子(第Ⅱ因子、第Ⅴ因子、第Ⅶ因子、第Ⅷ因子、第Ⅸ因子、第Ⅹ因子、第ⅩⅠ因子、第ⅩⅡ因子、第ⅩⅢ因子)
- 実施料:包括223
- 診療報酬区分:D006 30
- 判断料区分:血液学的検査
チャート


容器
臨床的意義
プロトロンビンとも呼ばれる、トロンビンの前駆物質。先天性異常による欠乏症のほか、ビタミンKの不足時に低下する。
第Ⅱ因子はプロトロンビンとも呼ばれ、トロンビンの前駆物質である。肝で合成され血中に最も大量に存在する凝固蛋白であり、分子量は約72,000ダルトンである。凝固因子Ⅹa、Ⅴa、Caイオン、リン脂質により活性化され、第Ⅱa因子すなわちトロンビンとなり、フィブリノーゲンをフィブリンに転換する。また、第ⅩⅢ因子をⅩⅢaに活性化し、血小板凝集に関与する一方、トロンビンはトロンボモジュリンと結合してプロテインCを活性化し、凝固抑制に働くなど血液凝固の中心的役割を果たしている。
第Ⅱ因子の単独欠損症は極めて稀有な疾患である。異常症としてはポリペプチド鎖の合成異常であるプロトロンビン異常症が存在する。また、プロトロンビンはビタミンKに依存性であるため、ビタミンKの摂取不足、吸収障害、利用障害で低値を示す。すなわちビタミンKは、主に腸内細菌により産生されるため、腸疾患や経口抗生剤の多用により不足を来す。また、新生児出血症では、腸内細菌叢の未発達によりビタミンKが不足となり、かつ胎児期にビタミンKの需要が大きく、母乳中のビタミンK含有量が少ないために出血をきたす。
また、プロトロンビンは、肝で産生されるため肝障害で低値を示す。
【高値を示す病態】
妊娠
【低値を示す病態】
肝硬変、肝炎など、DIC、先天性プロトロンビン欠乏症または異常症、新生児出血
ビタミンK欠乏症(抗生剤の連用、消化管疾患による吸収障害も含む)
参考文献
安達眞二, 他: Med. Technol. 24, 629, 1996.