検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2021年10月1日時点の情報です。

入力コード 01158  統一コード 3E045 
項目名 ケトン体分画 〈静脈血〉
ketone bodies fractionation, vein blood
実施料
59
判断料区分 生Ⅰ 
健康保険名称  血液化学検査/ケトン体分画 
検査方法
酵素法
検査材料
血清
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 血清 0.3
01
凍結(-70℃以下)
検査材料備考

※早朝空腹時採血(静脈)。
採血後、速やかに血清分離し、凍結してください。

報告所要日数
2~3日
 
μmol/L

※チャート参照:「ケトン体分画(静脈血)」基準値

臨床的
意義 
脂肪酸の分解産物。静脈血中では糖尿病の重症化に伴うケトアシドーシスで高値。動脈血ではケトン体比により肝機能の指標に。
   ケトン体はアセト酢酸(AcAc)、3-ヒドロキシ酪酸(3-OHBA)、アセトンの3種類の物質から構成される。本検査は、その中でケトアシドーシスなどの診断に重要なAcAcと3-OHBAの2物質を分画定量するものである。

 ケトン体は脂肪酸がβ酸化されたものであり、さまざまな筋肉で利用される。AcAc、3-OHBAは酸性なのでこれらが高値になり予備量を越えるとケトアシドーシスを引き起こす。特に1型糖尿病では3-ハイドロキシ酪酸が著明に増加する。また、アセトンは健常人血中にはほとんど認められないが、産生された場合には、揮発性のため呼気中にケトン臭として観察される。

 静脈血中において血中濃度が高値になる要因は、一般に利用低下よりも、肝での脂肪酸酸化によるケトン体生成亢進によるものが多い。たとえば摂取栄養量の低下により体脂肪を動員する場合のように、エネルギー代謝が脂肪酸に偏った状態は、肥満患者の治療に低エネルギー食療法を行った際にみられる。また、1型糖尿病(IDDM)における、インスリン欠乏によるブドウ糖利用の低下、脂肪酸動員の亢進状態でも増加し、速やかにインスリンを投与するなどの処置が必要となる。

 動脈血中では、ケトン体は肝細胞におけるミトコンドリア機能を反映するため、動脈血ケトン体比(AcAc/3-OHBA比)をとることにより、肝機能の予備能の把握などに用いられる。一般に、肝予備能を評価するためには古くからインドシアニングリーン(ICG)試験や複合因子H(ヘパプラスチンテスト)が用いられているが、動脈血ケトン体比はICG最大除去率(ICGRmax)と良く相関するといわれている。

 なお、ケトン体の中で特にAcAcは不安定でこわれやすいため速やかに血清分離し、ただちに検査に入ることができない場合は-70℃での保存が推奨される。

【異常を示す病態】 静脈血: 異常の際は高値を示す(糖尿病の重症化に伴うケトアシドーシス、下痢や嘔吐、脱水によるアシドーシス、飢餓、発熱による消耗状態、グルカゴノーマ など)
 動脈血: 異常の際は低下する(肝硬変、肝臓癌、重症肝疾患、肝機能低下、肝切除前の肝予備能の把握、肝移植時の肝予備能の把握、など)
関連項目 尿中一般物質定性半定量検査 尿中ケトン体, インスリン (IRI), 糖定量[尿検査], アセトン 〈血清〉, アセトン 〈尿〉,
 

※総ケトン体にアセトンは含まれません。

算定備考

「ケトン体」、「ケトン体分画」の検査を併せて実施した場合は、「ケトン体分画」の実施料のみ算定できます。

チャート 

「ケトン体分画(静脈血)」基準値

容  器 
提出容器

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