検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2021年11月1日時点の情報です。

入力コード 26054  統一コード 5G121 
項目名 抗ARS抗体
anti-ARS antibody
実施料
包括190
判断料区分 免疫 
健康保険名称  自己抗体検査/抗ARS抗体 
検査方法
EIA
検査材料
血清
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 血清 0.3
01
冷蔵
報告所要日数
3~9日
基準値(単位)  

陰性(-)
index 25.0 未満

臨床的
意義 
骨格筋に特異的な自己抗体8種のうち、5種類を網羅的に測定する検査。抗Jo-1抗体を含み、多発性筋炎、皮膚筋炎の25~30%で陽性。
   多発性筋炎(polymyositis:PM)は自己免疫疾患の一種で、おもに体幹や四肢の近位筋(大腿、上腕など)を中心に、慢性に進行する筋力低下と筋委縮を来す難病である。PMに皮疹を伴う病態をとくに皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)と呼ぶ。わが国の統計では全国に約17,000人のPM/DM患者がおり、男女比は約1:3で、中年以降の女性に多い疾患である。

 PM/DMに認められる自己抗体としては、筋炎特異的自己抗体(myositis-specific autoantibodies;MSA)と、他の自己免疫疾患でもみられる筋炎関連自己抗体(myositis-associated autoantibodies;MAA)が知られている。

 このうちMSAには多くの種類があり、本項目である抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体はそのうちの1つである。

 ARSとは、アミノ酸とそれに対するtRNAの結合を触媒する酵素群であり、各々のアミノ酸に対し計約20種類のARSが知られている。PM/DMの少なくとも一部では、このARSに対する自己抗体が産生される。古くからPM/DMの血中マーカーとして知られる抗Jo-1抗体は、ヒスチジルtRNA合成酵素を認識する抗体であり、いわば抗ARS抗体の一種と考えることができる。

 抗ARS抗体陽性患者では、抗合成酵素抗体症候群(anti-synthetase syndrome;ASS)あるいは「抗ARS抗体症候群」という、特徴的な症候群を呈する。すなわち、筋炎のほか間質性肺炎を高率に合併し、慢性化しやすいことでも知られ、レイノー現象や多発関節炎、手指の特異的な変形を伴う「機械工の手」など特徴的な身体的症状が報告されている。

 現在、抗ARS抗体には8種類が知られており、本検査はEIA法によりそのうち5種類、すなわち抗Jo-1、抗PL-7、抗PL-12、抗EJ、抗KS抗体を網羅的に検出するものである。個々の抗体を個別に定量することはできない。残りの3つの抗体である抗OJ、抗Ha(抗YRS)、抗Zo抗体は報告例がほとんど無い等の理由で、本検査には含まれていない。

 PM/DM患者の約25~30%に抗ARS抗体が認められるといわれ、抗Jo-1抗体より広範囲にわたる多発性筋炎、皮膚筋炎の診断に有用と考えられている。

【高値を示す病態】
 多発性筋炎、皮膚筋炎
【低値を示す病態】
 低値側での臨床的意義は少ない
関連項目 抗Jo-1抗体 《免疫拡散法》, 抗Jo-1抗体 《CLEIA》,
算定備考

「抗ARS抗体」と「抗Jo-1抗体」を併せて実施した場合は主たるもののみ算定できます。

容  器 
提出容器

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