検査項目解説 掲載内容は、2021 年 12 月 01 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

27268

ADAMTS13活性

2B495-0000-022-023

血液
1.8

遠心

 

クエン酸血漿
0.2

15

 

02

 

 

3カ月

EIA

IU/mL

0.10 以上
(10%以上)

400

D006 35

血液

3~5日

項目
コード
検査項目

27268

ADAMTS13活性

2B495-0000-022-023

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法
血液
1.8

遠心

 

クエン酸血漿
0.2

15

 

02

 

 

3カ月

EIA
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

IU/mL

0.10 以上
(10%以上)

400

D006 35

血液

3~5日

備考

検体

  • 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
  • 3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、1,500×g、15分間遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください(遠心力の換算表チャート、およびCLSI/NCCLSドキュメントH21-A5参照)。

報告

  • IU/mL:国際単位表示と%をご報告します。
  • 測定値が0.10 IU/mL未満(10%未満)の場合、TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)と判定されます。健常者参考値:0.78 IU/mL以上(78%以上)

診療報酬

  • 保険名称:出血・凝固検査/ADAMTS13活性
  • 実施料:400
  • 診療報酬区分:D006 35
  • 判断料区分:血液学的検査

他に原因を認めない血小板減少を示す患者に対して、血栓性血小板減少性紫斑病の診断補助を目的として測定した場合またはその再発を疑い測定した場合に算定できます。

血栓性血小板減少性紫斑病と診断された患者またはその再発が認められた患者に対して、診断した日または再発を確認した日から起算して1月以内の場合には、1週間に1回に限り別に算定できます。なお、血栓性血小板減少性紫斑病と診断した日付またはその再発を確認した日付を、診療報酬明細書の摘要欄に記載することが必要です。

チャート

遠心力の換算表

容器

容器番号15:血液凝固検査用容器

  • 採取量:
    1.8mL
  • 添加剤:
    3.2%クエン酸Na 0.2mL
  • 保管方法・有効期間:
    常温
    容器および外袋表示
  • 主な検査項目:
    凝固因子活性,PT,APTT,FIB,AT,血中FDP,その他

容器番号02:汎用容器

  • 容量:
    4mL・10mL
  • 添加剤:
  • 保管方法・有効期間:
    常温
  • 主な検査項目:
    血清,血漿提出用

臨床的意義

止血因子であるフォンウィルブランド因子を特異的に切断する酵素。活性低下で血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)となる。

 ADAMTS13(a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondine type 1 motifs 13)は、フォンウィルブランド因子(VWF)のA2領域における特定部位[tyr(1605)/met(1606)]結合を切断する蛋白融解酵素であり、活性中心に亜鉛分子をもつメタロプロテアーゼである。

 VWFは血漿に存在する糖蛋白であり、血管壁の損傷により露出したコラーゲンや、血小板表面の受容体蛋白質と結合することで、血小板凝集を進める作用を持つ。血管内皮細胞や骨髄巨核球で産生されたVWFは、2,050個のアミノ酸(分子量270kDa)からなるが、できた直後は互いに重合したマルチマーであり、20,000kDaにものぼる巨大な分子構造をしている。マルチマーの形では凝集活性が強いため、血小板凝集を起こしやすい。ADAMTS13は、マルチマーを分解する作用をもつため、適正量のVWFが血中に放出され、適度に抑制された止血機能が維持されている。

 しかし、何らかの原因でADAMTS13活性が低下すると、血液中に過剰のVWFが蓄積する。このため血小板凝集による血栓を起こし易くなり、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP; thrombotic thrombocytopenic purpura)を発症する。

 ADAMTS13活性が低下する原因には、先天的なものとしてADAMTS13遺伝子の変異が、後天的なものとしては自己抗体(インヒビター)の産生によるものとがある。ADAMTS13遺伝子の変異はUpshaw-Schulman症候群という名で知られているが、極めて稀である。インヒビターはADAMTS13活性を阻害するため、超高分子VWFの血中蓄積を招き、微小血管における血小板の過剰な凝集を引き起こす。

 TTPは妊娠、SLEなどの膠原病、悪性腫瘍、シクロスポリンなどの薬剤、HIV感染などに随伴してみられる。血小板減少をきたすが血小板補充は病状を悪化させるため行ってはならず、血漿交換が推奨される。同様に重大な血栓症を招来するHUS(溶血性尿毒症症候群)とTTPは関連性が論じられるが、HUSに比し発症年齢が高い特徴をもつ。

 ADAMTS13活性の測定は、従来SDSアガロース電気泳動法にて行われてきたが、操作法が煩雑で判定が困難であった。近年、ADAMTS13の基質であるVWFの切断箇所を持つ合成ペプタイドや、ADAMTS13により切断されて生じるアミノ末端部位を特異的に認識するモノクローナル抗体が開発され、ELISA法による活性測定法が確立された。このELISA法による活性値を利用したBethesda法によりADAMTS13のインヒビターも検出することが可能である。

【活性値が低下またはインヒビターが陽性となる病態】
 血栓性微小血管障害症(TMA)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

参考文献

Kato, S. et al.: Transfusion 46, 1444, 2006.

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記載内容について

記載内容について

検査項目名称

すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし、それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました。ただし、アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました。また、略号が通例化しているものは、略号をもって検査項目名称としました。

「検査項目名」欄:JLAC10コード

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

検査材料に関する主な用語

検査材料 概要
血液 検査のために採取していただく肘静脈血を表します。
~加血液 採血後速やかに添加剤を混和した血液を表します。
添加剤の種類により、「EDTA加血液」、「ヘパリン加血液」、「クエン酸加血液」、「NaF加血液」などと表示します(所定の添加剤入り弊社指定容器に血液を採取してください)。
~血漿 採血後速やかに添加剤を混和し、遠心分離によって得られた血漿を表します。添加剤の種類により、「EDTA血漿」、「ヘパリン血漿」、「クエン酸血漿」などと表示します。なお、単に「血漿」とあるものについては、「備考」欄に添加剤の種類を別記しています。
血清 採血後、血餅の収縮を待って遠心分離して得られた上清を表します。特に添加剤を用いる必要のある場合は、その旨を「備考」欄に記載しています。
尿 原則として自然排尿された尿を表します。なお、「蓄尿」を要する場合、「備考」欄に使用する防腐剤の種類を別記しています。採尿方法については,以下を参考としてください。 1) 普通尿の場合: 新鮮尿を清潔な乾燥した容器に直接排尿するか,清潔な乾燥した携帯便器に排尿させ,指定の検体容器に直接 移し替えます. 2) 中間尿の場合: 清潔な排尿容器を手に持ち,放尿を開始します.最初は便器に排尿し,大体排尿が半ばに達した頃,排尿を中断 せずにそのまま採尿容器に放尿し,終わりに近づいた頃,再び便器に放尿します. 3) 無菌尿の場合: 男女とも陰部を刺激の少ない消毒液で洗浄しておき,清潔で乾燥した容器に中間尿を採尿します.細菌検査など の場合には,膀胱カテーテル法を用いて採尿しても構いません.

「容器」欄の番号

検体採取および提出時に用いる容器の種類は、巻末「容器一覧表」の頁に掲載する容器番号で表しています。また、容器番号の網掛け色は容器キャップの色を表しています。

「保存方法」欄の用語

提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません)。検査項目によっては、検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください。

必ず凍結(-10℃以下)保存してください。凍結温度指定のあるものは、その旨を記載しています。なお、凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします。
4℃前後で保存してください。また、数日以上にわたって保存される場合は、凍結していただくようお願いします。なお,凍結不可の材料については、その旨を記載しています。
常温保存してください(20℃前後)。

「保存方法」欄:検体の安定性

適正な検査結果をお届けすることができる、検体採取後における提出用材料の保存安定性の維持期間です。

「基準値」欄の用語

M:男性(Male) F:女性(Female)

「基準値」欄の単位記号

L liter(=1,000mL)
dL deciliter(=100mL)
mL milliliter
mm3 cubicmillimeter
μ3 cubicmicron
g gram
mg milligram(=0.001g)
μg microgram(=0.001mg)
ng nanogram(=0.001μg)
pg picogram(=0.001ng)
U Unit
UA Allergen Unit
mU milli Unit(=0.001U)
μU micro Unit(=0.001mU)
IU International Unit
AU Arbitrary Unit
BU Bethesda Unit
RLU Relative Light Unit
R.U. RPR Units
T.U. Titer Units
U mmol millimole(=0.001mol)
μmol micromole(=0.001mmol)
nmol nanomole(=0.001μmol)
pmol picomole(=0.001nmol)
fmol femtomole(=0.001pmol)
mEq milli Equivalent
FE Fibrinogen Equivalent
BCE Bone Collagen Equivalent
mOsm milli Osmole
sec second
U min minute
h hour
% percent
permill
SI Stimulation Index
cpm count per minute
RBC Red Blood Cell
LogIU Log International Unit

マーク表記の一覧

マーク一覧
倫理対象 遺伝学的検査など倫理的な配慮が必要な項目です。
曜日指定 指定曜日のみ受託可能です。
単独検体 他の項目とは別に,専用の検体としてご提出ください。
複数検体 ペア検体での出検が必要な項目です。
指定容器 必ず指定容器でご提出ください。
溶血不可 溶血検体は検査値に影響を及ぼすため避けてください。
酸性蓄尿不可 酸性蓄尿は検査値に影響を及ぼす場合がありますので避けてください。
開栓不可 コンタミネーション防止などのため,検体採取後は容器を開栓しないでください。
遠心 遠心分離してください。
冷遠 冷却下で遠心分離してください。
遮光 遮光 直射日光や蛍光灯などを避け,遮光した容器でご提出ください。
診療報酬算定における,慢性維持透析患者外来医学管理料の包括対象となる項目です。
診療報酬算定における,手術前医学管理料の包括対象となる項目です。
FAX 緊急報告値が検出された場合に,速やかにご報告する項目です。
総合検査依頼書(弊社の標準的な依頼書)のマークチェックでご依頼が可能な項目です。
指定依頼書 使用する依頼書の種類に指定があります.備考欄に記しています。
専用依頼書 使用する依頼書の種類が通常外です.専用の依頼書があります。
遺伝学依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】」です。
先天依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【先天異常・染色体検査】」です。
本年度版で新たに掲載された検査項目です。