WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 11 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
07213 |
マイクロサテライト不安定性検査(MSI) |
複数検体
および
|
※
※ |
常温
冷蔵 |
PCR法/キャピラリー電気泳動法 | 包括2100 D004-2 1イ(2) 遺染 |
7~13日 |
項目 コード |
検査項目 |
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07213 |
マイクロサテライト不安定性検査(MSI) |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
複数検体
および
|
※
※ |
常温
冷蔵 |
PCR法/キャピラリー電気泳動法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
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包括2100 D004-2 1イ(2) 遺染 |
7~13日 |
備考
項目
- 受付曜日:月~金曜日(休日は受付不可)
- 家族性非ポリポーシス大腸癌(リンチ症候群)の遺伝学的検査として実施の場合にご依頼ください。
- 倫理的な配慮が必要な項目です。
依頼
- 『遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】』をご利用ください。
- 免疫チェックポイント阻害剤におけるマイクロサテライト不安定性検査のご依頼方法については、同じ遺伝子関連検査分野「癌関連遺伝子」のページをご参照ください。
検体
- ※チャート参照:マイクロサテライト不安定性検査(リンチ症候群)の材料
- ブロックおよびパラフィン切片での受託不可。
- 病理組織診断にて腫瘍が認められた部位を本検査で必要な腫瘍細胞含有率が50%以上となるようにマーク(実線で囲む)したHE染色スライドを併せてご提出ください。HE染色スライドの提出がない場合やマークがない場合には、スライド全体を使用します。
- 癌部位、非癌部位を別容器に入れ、ラベルにおのおのの部位名(癌部位、非癌部位)を明記し、同時にご提出ください。
- 強酸による脱灰操作をした検体は検査できません。
- ホルマリン固定検体では、固定条件によって核酸の断片化が著しく、解析不能となる場合があります。組織検体の推奨固定時間は6~48時間です。微小な組織検体や細胞検体では固定時間の短縮化が望ましいとされています。腫瘍細胞含有率は面積ではなく、全有核細胞に対する総腫瘍細胞数で判断してください。検体の取り扱いについては、日本病理学会「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」をご参照ください。
「家族性腫瘍遺伝子解析」中分類共通の特記事項
- 検査に当たり、被検者へ十分な説明を行ってください。被検者ご自身の承諾が文書で得られた場合にのみ、検査を受託します。依頼書の被検者名は匿名化など個人情報保護へのご配慮をお願いします。また、必要に応じて検査前後の被検者への十分なカウンセリングを併せてお願いします。
診療報酬
- 保険名称:悪性腫瘍組織検査/悪性腫瘍遺伝子検査/処理が容易なもの/その他のもの
- 実施料:包括2100
- 診療報酬区分:D004-2 1イ(2)
- 判断料区分:遺伝子関連・染色体検査
悪性腫瘍遺伝子検査として、固形腫瘍または悪性リンパ腫の腫瘍細胞を検体とし、悪性腫瘍の詳細な診断および治療法の選択を目的として悪性腫瘍患者本人に対して行った場合に、患者1人につき1回に限り算定できます。ただし、肺癌における「EGFR変異解析」については、再発や増悪により、2次的遺伝子変異等が疑われ、再度治療法を選択する必要がある場合にも算定できます。
患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して悪性腫瘍遺伝子検査を実施した場合は以下の点数で算定します。
「処理が容易なもの」2項目:4000点、3項目:6000点、4項目以上:8000点。
「処理が複雑なもの」2項目:8000点、3項目以上:12000点。
悪性腫瘍遺伝子検査の算定に当たっては、該当する遺伝子検査を診療報酬明細書の摘要欄に記載する必要があります。
「悪性腫瘍遺伝子検査」、「造血器腫瘍遺伝子検査」、「免疫関連遺伝子再構成」、「FLT3遺伝子検査」または「JAK2遺伝子検査」のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定できます。
チャート
参考文献
澤田元太, 他: 大腸がんperspective 1, (2), 115, 2014.
検査項目解説
臨床的意義
5種類のマイクロサテライトマーカーについて解析し判定する検査であり、MSIの検出は、リンチ症候群の診断補助として有用である。
マイクロサテライト領域とは、ヒトゲノム上で数塩基の繰り返し単位が直列して存在する領域のことである。同じ塩基配列を繰り返すマイクロサテライト領域は、DNA複製の際に反復回数の誤りを起こしやすいものの、正常であればDNAのミスマッチ修復(mismatch repair:MMR)機能によりエラー部分が除去される。しかしながら、MMR機能に欠損があるとこれを修復できず、腫瘍細胞においてエラーが蓄積し、マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability:MSI)という状態を生じる。
代表的な遺伝性大腸癌であるリンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸癌(hereditary non- polyposis colorectal cancer:HNPCC))において、その90 %以上にMSIが認められるとされている。また、散発性大腸癌のうち、MMRタンパク質(MLH1,PMS2,MSH2,MSH6)の機能欠損に起因するものもMSI陽性といわれている。
本検査は、5種類のマイクロサテライトマーカーについて解析し判定する検査であり、MSIの検出は、リンチ症候群の診断補助として有用である。
【異常を示す疾患】
遺伝性非ポリポーシス大腸癌,リンチ症候群
関連疾患
C18.9.4:遺伝性非ポリポーシス大腸癌 → C15-C26:消化器腫瘍
C80.9.4:リンチ症候群 → C76-C80:その他の部位不明腫瘍
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.
INFORMATION
※ 3年分のINFORMATION へのLinkを掲載しています.