研究検査 掲載内容は、2024 年 7 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 健常者参考値 (単位) |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
27552 |
トリコモナス核酸同定 |
単独検体
または
|
指定容器
100
指定容器
101 |
30日 冷蔵
60日 冷蔵 |
TMA | 検出せず |
2~4日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
27552 |
トリコモナス核酸同定 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
単独検体
または
|
指定容器
100
指定容器
101 |
30日 冷蔵
60日 冷蔵 |
TMA |
基準値 (単位) |
所要 日数 |
---|---|
検出せず |
2~4日 |
備考
項目
- チャート参照:「STDマイコプラズマ核酸同定」「トリコモナス核酸同定《TMA》」検査の留意点
検体
- 必ず専用検体としてご提出ください。
容器
- 専用容器は、あらかじめご依頼ください。
チャート
容器
容器番号100:STDうがい液・尿採取セット
- 採取量: 2mL
- 添加剤: ラウリル硫酸リチウム
- 保管方法:常温
- 有効期間:容器および外袋表示
- 主な検査項目: トリコモナス核酸同定《TMA》
容器番号101:STDスワブ採取セット
- 採取量: -
- 添加剤: ラウリル硫酸リチウム
- 保管方法:常温
- 有効期間:容器および外袋表示
- 主な検査項目: トリコモナス核酸同定《TMA》
参考文献
Van Der Pol, B. et al.: J. Clin. Microbiol. 52, 885, 2014.
検査項目解説
測定意義
STDのひとつである腟トリコモナス症の起因菌であるトリコモナスを核酸増幅法で検出する検査である。
トリコモナス症は、Trichomonas vaginalis(チツホネマクムシ)という原虫によって引き起こされる感染症である。性行為感染症(STD)のひとつであり、主に腟炎を起こす他、子宮頸管炎や尿道炎も起こす。
国内での患者数は、感染症法上の性感染症定点報告の対象にはなっていないため正確な数字は分からないが、若い女性によく見られ、日本人女性の5~10 %がトリコモナスに感染しているといわれている。男性に感染した場合は、ほとんど無症状ながら尿道に痒みを感じたり、軽い排尿痛を起こしたりする場合があるが、非常に軽微といわれている。
2016年の日本性感染症学会の発表によると、トリコモナスの陽性率は女性で2.4 %、男性で0.1 %となっている。また、トリコモナス感染のほとんどが性器クラミジアとの重複感染を起こしており、性器クラミジア感染者はトリコモナス検査も行うことが有用とされている。
トリコモナスの同定検査は、主に腟内分泌物の鏡検によって行われてきたが、鏡検の検査感度は低いといわれている。本検査は研究用試薬(保険適用外)を用いているため、診断には使用できない。しかし、鏡検に比べて感度が高いため、腟炎、子宮頸管炎や尿道炎を対象とした検診での測定やSTD患者の治療に有用であると考えられる。
掲載論文
- 感染症の診断・治療・疫学における遺伝子検査─赤痢アメーバ,マラリア原虫,膣トリコモナス
浅井隆志: 臨床と微生物, 26(増刊), 626-631, 1999[link]