研究検査 掲載内容は、2024 年 7 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 健常者参考値(単位) | 所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
27109 |
インターロイキン-10 |
遠心
|
14 ↓ 02 |
凍 |
EIA | pg/mL 2.03 以下 |
項目 コード |
検査項目 |
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27109 |
インターロイキン-10 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
14 ↓ 02 |
凍 |
EIA |
基準値 (単位) |
所要 日数 |
---|---|
pg/mL 2.03 以下 |
備考
検体
- 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
- 血清、細胞培養上清も検査可。
「研究検査」分野共通の特記事項
- [ご注意]「研究検査」として掲げる各項目は研究用のため、定常的には検査を実施していません。詳細は、別冊の『研究検査ガイド』をご参照いただくか、または営業担当者にあらかじめお問い合わせください。
容器
検査項目解説
測定意義
Th2細胞で産生される抗炎症性のサイトカインである。Th1細胞のサイトカイン産生を抑制する働きを持つ。
インターロイキン-10(IL-10)は、サイトカインには珍しく、抑制性の性質を持つサイトカインの代表である。分子量35,000~40,000の同型二量体からなる糖タンパクで、1989年にMosmannらにより発見された。一方、IL-10の受容体は、そのβ鎖がIL-20,22,24,26,28などと共有されており、IL-10superfamilyを形成している。
IL-10は、主にTh2細胞・マクロファージ・制御性T細胞(TR細胞、またはサプレッサーT細胞)などから産生される。当初はTh2細胞から産生され、Th1細胞のサイトカイン産生を抑制する因子として同定されたため、サイトカイン産生抑制因子(Cytokine Synthesis Inhibitory Factor:CSIF)と命名されていた。前述の記載と一部矛盾するが、IL-10は抗炎症性サイトカインとして知られる一方、現在では場合により炎症性サイトカインとして働くこともあることが明かにされている。
IL-10は全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患や、さまざまな炎症性疾患の活動性の指標として注目されている。また、TR細胞機能を評価する指標としても用いられている。
一部の卵巣癌でIL-10の過剰発現が確認されているが、他の腫瘍との関連は低く、腫瘍マーカーとしての有用性は乏しいと考えられている。
IL-10は他の多くのサイトカインと同様に、局所で産生され、ネットワークを介して作用をあらわすため、測定値の評価に関しては、さらなる知見が待たれるところである。他のサイトカインと組み合わせて測定することで、より病態に迫れるとの報告もされている。
掲載論文
- IL-10産生制御性T細胞の治療応用にむけて
岩崎由希子, 他: 日本臨床免疫学会誌, 36(1), 40-46, 2013.[link] - The Inverse Association Between Tuberculin Responses and Atopic Disorder
T.Shirakawa et al.: Science, 275(5296), 77-79, 1997.[link] - アレルギー患者末梢血単核球のサイトカイン産生におよぼすBCGの影響について
嶽良博, 他: 免疫アレルギー, 16(2): 76-77, 1998.[link] - Idiopathic hypereosinophilic syndrome assosiated with elevated plasma levels of interleukin-10 and soluble interleukin-2 receptor
N.Kanbe et al.: Br J Dermatol, 139(5), 916-8, 1998.[link]