研究検査 掲載内容は、2023 年 4 月 1 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 健常者参考値(単位) 所要日数

01575

ヒスタミン

4Z265-0000-022-023

血液
1

冷遠

EDTA血漿
0.3

14

02

 

 

EIA

ng/mL

0.15~1.23

14~21日

項目
コード
検査項目

01575

ヒスタミン

4Z265-0000-022-023

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法
血液
1

冷遠

EDTA血漿
0.3

14

02

 

 

EIA
基準値
(単位)
所要
日数

ng/mL

0.15~1.23

14~21日

備考

検体

  • 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
  • 血清は検査不可。
  • 採血後20分以内に4~10℃、900×gで10分間遠心分離してください。血漿の上部を所定量ご提出ください。

「研究検査」分野共通の特記事項

  • [ご注意]「研究検査」として掲げる各項目は研究用のため、定常的には検査を実施していません。詳細は、別冊の『研究検査ガイド』をご参照いただくか、または営業担当者にあらかじめお問い合わせください。

容器

容器番号14:内分泌学用容器

  • 採取量: 5.5mL
  • 添加剤: EDTA-2Na
  • 保管方法:常温
  • 有効期間:容器および箱表示
  • 主な検査項目: 尿毒症物質3分画,
    レプチン

容器番号02:汎用容器

  • 容量: 4mL・10mL
  • 添加剤: -
  • 保管方法:常温
  • 主な検査項目: 血清,血漿提出用

検査項目解説

測定意義

生物活性アミンで即時型アレルギーの原因となる化学伝達物質である。肥満細胞や好塩基球内に存在しアレルゲンと特異IgE、IgE受容体の架橋形成により細胞外に放出される。

 ヒスタミンはヒスチジン脱炭酸酵素によりヒスチジンから合成される分子量111の生理活性アミンのひとつである。1920年代に発見され、気管支や回腸の平滑筋の収縮や血管系の収縮や弛緩、粘液分泌の亢進などの生理活性を持ち、即時型アレルギーの原因となる化学伝達物質として知られている。ヒスタミンは生体内全ての組織中に微量に含まれているが、そのほとんどが好塩基球や肥満細胞に存在し、免疫学および物理的な刺激により遊離され、アレルギー反応や炎症の発現に介在する物質として働く。血中に放出されたヒスタミンの半減期は1~2分と非常に短く、また血液中のヒスタミンは、その98 %以上が好塩基球に存在しているため、全血中と血漿中の濃度比は約50:1にもなる。そのため、全血中のヒスタミン濃度は末梢血中の好塩基球数と相関するとされ、また血球を分離するまでの放置時間が長い血清検体は測定に適さない。

 マグロ、カツオなどの赤身の魚やチーズやワインに含まれているヒスチジンが、ヒスタミン産生菌により分解されて生成されたヒスタミンによって起こる食中毒も報告されている。

掲載論文

  • 薬理作用から見た理想的な抗ヒスタミン薬治療
    谷内一彦: 日耳鼻, 123, 196-204, 2020.[link]
  • Serum inhibitors for human mast cell growth: possible role of retinol
    S.Ishida et al: Allergy, 58(10), 1044-52, 2003.[link]
  • Involvement of vascular endothelial growth factor in nasal obstruction in patients with nasal allergy
    T.Yamashita et al.: Allergology International, 49(3), 183-188, 2000. [link]
  • Response to cyclosporin and low-dose methylprednisolone in aggressive systemic mastocytosis
    M.Kurosawa et al.: J Allergy Clin Immunol, 103(5),412-420, 1999.[link]
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記載内容について

記載内容について

検査項目名称

すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし、それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました。ただし、アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました。また、略号が通例化しているものは、略号をもって検査項目名称としました。

「検査項目名」欄:JLAC10コード

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

JLAC10コード(日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コード)より設定

検査材料に関する主な用語

検査材料 概要
血液 検査のために採取していただく肘静脈血を表します。
~加血液 採血後速やかに添加剤を混和した血液を表します。
添加剤の種類により、「EDTA加血液」、「ヘパリン加血液」、「クエン酸加血液」、「NaF加血液」などと表示します(所定の添加剤入り弊社指定容器に血液を採取してください)。
~血漿 採血後速やかに添加剤を混和し、遠心分離によって得られた血漿を表します。添加剤の種類により、「EDTA血漿」、「ヘパリン血漿」、「クエン酸血漿」などと表示します。なお、単に「血漿」とあるものについては、「備考」欄に添加剤の種類を別記しています。
血清 採血後、血餅の収縮を待って遠心分離して得られた上清を表します。特に添加剤を用いる必要のある場合は、その旨を「備考」欄に記載しています。
尿 原則として自然排尿された尿を表します。なお、「蓄尿」を要する場合、「備考」欄に使用する防腐剤の種類を別記しています。採尿方法については,以下を参考としてください。 1) 普通尿の場合: 新鮮尿を清潔な乾燥した容器に直接排尿するか,清潔な乾燥した携帯便器に排尿させ,指定の検体容器に直接 移し替えます. 2) 中間尿の場合: 清潔な排尿容器を手に持ち,放尿を開始します.最初は便器に排尿し,大体排尿が半ばに達した頃,排尿を中断 せずにそのまま採尿容器に放尿し,終わりに近づいた頃,再び便器に放尿します. 3) 無菌尿の場合: 男女とも陰部を刺激の少ない消毒液で洗浄しておき,清潔で乾燥した容器に中間尿を採尿します.細菌検査など の場合には,膀胱カテーテル法を用いて採尿しても構いません.

「容器」欄の番号

検体採取および提出時に用いる容器の種類は、巻末「容器一覧表」の頁に掲載する容器番号で表しています。また、容器番号の網掛け色は容器キャップの色を表しています。

「保存方法」欄の用語

提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません)。検査項目によっては、検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください。

必ず凍結(-10℃以下)保存してください。凍結温度指定のあるものは、その旨を記載しています。なお、凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします。
冷蔵 4℃前後で保存してください。また、数日以上にわたって保存される場合は、凍結していただくようお願いします。なお,凍結不可の材料については、その旨を記載しています。
常温 常温保存してください(20℃前後)。

「保存方法」欄:検体の安定性

適正な検査結果をお届けすることができる、検体採取後における提出用材料の保存安定性の維持期間です。

「基準値」欄の用語

M:男性(Male) F:女性(Female)

「基準値」欄の単位記号

L liter(=1,000mL)
dL deciliter(=100mL)
mL milliliter
mm3 cubicmillimeter
μ3 cubicmicron
g gram
mg milligram(=0.001g)
μg microgram(=0.001mg)
ng nanogram(=0.001μg)
pg picogram(=0.001ng)
U Unit
UA Allergen Unit
mU milli Unit(=0.001U)
μU micro Unit(=0.001mU)
IU International Unit
AU Arbitrary Unit
BU Bethesda Unit
RLU Relative Light Unit
R.U. RPR Units
T.U. Titer Units
U mmol millimole(=0.001mol)
μmol micromole(=0.001mmol)
nmol nanomole(=0.001μmol)
pmol picomole(=0.001nmol)
fmol femtomole(=0.001pmol)
mEq milli Equivalent
FE Fibrinogen Equivalent
BCE Bone Collagen Equivalent
mOsm milli Osmole
sec second
U min minute
h hour
% percent
permill
SI Stimulation Index
cpm count per minute
RBC Red Blood Cell
LogIU Log International Unit

マーク表記の一覧

マーク一覧
倫理対象 遺伝学的検査など倫理的な配慮が必要な項目です。
曜日指定 指定曜日のみ受託可能です。
単独検体 他の項目とは別に,専用の検体としてご提出ください。
溶血不可 溶血検体は検査値に影響を及ぼすため避けてください。
酸性蓄尿不可 酸性蓄尿は検査値に影響を及ぼす場合がありますので避けてください。
開栓不可 コンタミネーション防止などのため,検体採取後は容器を開栓しないでください。
複数検体 ペア検体での出検が必要な項目です。
指定容器 必ず指定容器でご提出ください。
遠心 遠心分離してください。
冷遠 冷却下で遠心分離してください。
遮光 遮光 直射日光や蛍光灯などを避け,遮光した容器でご提出ください。
診療報酬算定における,慢性維持透析患者外来医学管理料の包括対象となる項目です。
診療報酬算定における,手術前医学管理料の包括対象となる項目です。
FAX 緊急報告値が検出された場合に,速やかにご報告する項目です。
総合検査依頼書(弊社の標準的な依頼書)のマークチェックでご依頼が可能な項目です。
指定依頼書 使用する依頼書の種類に指定があります.備考欄に記しています。
専用依頼書 使用する依頼書の種類が通常外です.専用の依頼書があります。
遺伝学依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【遺伝子検査】」です。
先天依頼書 使用する依頼書の種類は,「遺伝学的検査依頼書【先天異常・染色体検査】」です。
本年度版で新たに掲載された検査項目です。

ご利用の手引き

ご利用の手引き

1. 取引のお申し込み

ご利用の際は,最寄りの営業拠点へご連絡ください.営業担当者がお伺いし,ご説明・ご相談させていただきます.全国の営業拠点および連絡先は裏表紙をご参照ください.

2. 検査のご依頼

検査をご依頼の際は,所定の検査依頼書,検体容器および検体ラベルをご使用ください.必要な検査依頼書などは,ご連絡により最寄りの営業拠点からお届けします.

【検査依頼書】

  • 検査依頼書は複写式となっていますので,ボールペンで強くご記入ください.
  • 受付処理をコンピュータで行いますので,折れ曲がったり,破れたりしないようにお願いします.
  • 一部を検査ご依頼元「控」とし,併せて検体受領明細書に代えさせていただきますので,ご了承ください.
  • 患者名,担当医名は必ずカタカナでご記入ください.

【検体の採取条件】

  • 本案内書には,およその採取量・提出量を記載してあります.所定の容器に必要量を採取してください.
  • 容器の種類は検査項目ごとに容器番号で表示してあります.詳細は巻末「容器一覧」の頁をご参照ください.
  • 採血の際は,容器の規定量をお取りください.
  • 抗凝固剤などが添加された採血管では,血液と抗凝固剤との比率が測定値に影響を及ぼすことなどが考えられます.
  • ご提出量は原則として再検査に応じられるよう設定してあります.検体量不足にならないようにご注意ください.

【検体の保存条件】

  • 検査精度を維持するために,検体の採取後,提出するまでの間,所定の保存条件を遵守してください.
  • 本案内書「保存方法」欄をご参照の上,凍結検体の場合は,冷凍庫またはドライアイス中での保存をお願いします.
  • 冷蔵検体の場合は,冷蔵庫で4℃前後の保存をお願いします.

【検体の提出条件】

  • 血清分離の要否など,適正な検査・測定を行うために必要な事項です.
  • 本案内書の「提出量」,「容器」,「備考」の各欄を併せてご参照ください.

3. 所要日数

  • 検体をお預かりした翌日を起算日とし,検査結果をお手元にお届けするまでの日数です.なお,気象状況や交通事情により掲載の所要日数より遅れる場合があります.
  • 依頼検査項目の組み合わせにより,再検査に要する日数は含みません.
  • 再検査の場合や日曜日・祝日の前後は,さらに日数を要することがあります.

4. 検査結果のご報告

  • 検査結果は,弊社所定の報告書にてお届けします.
  • 定量検査では,弊社独自の基準により測定範囲に上限を設け,検査結果が上限値を超える場合,“○○以上”とご報告することがあります.

5. 検査結果のご報告

  • 弊社再検査基準に基づき,再検査を実施します.
  • 最少必要検体量にてご依頼の場合,量不足のため再検査に応じられないことがあります.

6. 検体の保管

  • 検査済み検体は弊社が定める期間および条件下で保管します.
  • 所定の保管期間を経過した検査済み検体は適正な方法にて廃棄します.なお,検査精度維持・向上を目的とした管理用の試料や検討・研究のための試料として,分取してプール化または匿名化を行い,個人情報保護法およびガイドラインを遵守した上で社内規定に則り,十分な管理体制のもとに使用することがあります.

7. 検体の返却

  • 検体保管期間中に検査を委託した医療機関より検体の返却を求められた場合は,速やかに返却します.

8. 検査項目の追加

  • 検査を追加される場合は,最寄りの営業拠点またはインフォメーションにお問い合わせください.ただし,検体の状態によりお受けできない場合があります.各連絡先は裏表紙をご参照ください.

9. 本文の記載内容について

  • 【検査項目名称】
    すでに日本語化しているドイツ語はそのままとし,それ以外のものはアメリカ英語読みに従いました.ただし,アイソザイムのようにほぼ日本語化している検査項目名称については慣例に従いました.また,略号が通例化しているものは,略号をもって検査項目名称としました.
  • 【「保存方法」欄の用語】
    検査項目によっては,検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください. 提出材料の保存条件です(採取した材料そのものの保存条件ではありません).
     検査項目によっては,検査成績が保存状態の影響を明らかに受けるものもありますので,お取り扱いにご注意ください.
必ず凍結(-10℃以下)保存してください.凍結温度指定のあるものは,その旨を記載しています.なお,凍結指定の項目については原則として単独検体でのご提出をお願いします.
冷蔵 4℃前後で保存してください.また,数日以上にわたって保存される場合は,凍結していただくようお願いします.なお,凍結不可の材料については,その旨を記載しています.
常温 常温保存してください(20℃前後).

10. 料金のご請求とお支払い方法

  • 請求書は1カ月分をまとめてお届けします.お支払い方法は契約に従ってお願いします.
  • 請求書の検査項目名は弊社所定の「検査略称」によって記載されますので,ご了承ください.
  • お支払いはできる限り銀行口座振替または振込にてお願いします.
  • 口座振替をご利用いただく場合は,月ごとに振替通知書をお届けします.なお,銀行振込の場合は,振込金受取書をもって,領収書に代えさせていただきます.領収書をご要望の際は,営業担当者にお申し付けください.

11. 検査についてのお問い合わせ

検査内容などのお問い合わせ,ご意見,ご指摘については,最寄りの営業拠点またはインフォメーションへお問い合わせください.
月~土曜日 9:00~17:45(祝日を除きます)
インフォメーション TEL:03-5994-2111