研究検査 掲載内容は、2024 年 7 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 健常者参考値 (単位) |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
27809 |
コリバクチンcolibactin |
|
指定容器 96 |
冷蔵凍結不可 |
蛍光法 | (-) |
12~21日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
27809 |
コリバクチンcolibactin |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
|
指定容器 96 |
冷蔵凍結不可 |
蛍光法 |
基準値 (単位) |
所要 日数 |
---|---|
(-) |
12~21日 |
備考
項目
- 株式会社ヘルスケアシステムズに再委託しています。
- 抗生物質の服用中、および服用後1週間以内は検査を控えてください。
検体
- 検体は採取当日にご提出ください。
容器
- 糞便の採取は専用の指定容器をご使用ください。
「研究検査」分野共通の特記事項
- [ご注意]「研究検査」として掲げる各項目は研究用のため、定常的には検査を実施していません。詳細は、別冊の『研究検査ガイド』をご参照いただくか、または営業担当者にあらかじめお問い合わせください。
容器
容器番号96:コリバクチン専用採便容器
- 採取量: -
- 培地: Cary-Blair培地
- 保管方法:常温
- 有効期間:容器表示
- 主な検査項目: コリバクチン
検査項目解説
測定意義
一部の腸内細菌が産生する毒性物質を測定する検査である。大腸癌の発症リスク因子のひとつと考えられ大腸癌患者の70 %にコリバクチン産生菌が認められるとの報告がある。
2018年の国内の大腸癌罹患者数は15万人に上り、臓器別のがん患者数でトップであるだけでなく、罹患者数および死亡者数ともに増加傾向にある。大腸癌は進行が遅くステージI,Ⅱの早期であれば90 %程度の患者で治癒が可能であり、検診などでの早期発見が患者のQOLに大きく反映する。大腸癌の発症原因は不明であるが、腸内細菌によってつくり出される毒性物質が原因の1つと考えられている。
コリバクチンは一部の腸内細菌が産生する毒性物質で、炎症に伴い大量に産生される。腸管細胞内に入り込んだコリバクチンは遺伝子に結合し破壊することでがんを誘発する機序が報告されている。実際、大腸癌患者の70 %にコリバクチン産生菌が認められることから大腸癌の発症リスク因子の1つと考えられており、コリバクチンの測定は精密測定受診への動機づけや、新たな研究項目として活用可能である。
掲載論文
- 大腸菌が産生する発がんリスク因子「コリバクチン」の化学構造の全容解明
平山裕一郎, 他: 化学と生物, 60(3),123-130, 2022.[link] - 非常に不安定な天然物を安定な誘導体に変換し作用機序を解析する
平山裕一郎: ファルマシア, 58(7), 724, 2022.[link] - 21世紀における構造未決定天然物 大腸発がんリスク因子コリバクチンの生合成
恒松雄太: 有機合成化学協会誌, 76(5), 490-493, 2018.[link] - Isolation of New Colibactin Metabolites from Wild-Type Escherichia coli and In Situ Trapping of a Mature Colibactin Derivative
Tao Zhou, et al.: J Am Chem Soc, 143(14), 5526-5533,2021.[link]