検査項目解説検査項目解説

掲載内容は、2019年4月1日時点の情報です。

入力コード 30235  統一コード 5A141 
項目名 遊離L鎖κ/λ比(FLC)
free-light-chains kappa/lambda ratio
実施料
400
判断料区分 免疫 
健康保険名称  免疫グロブリン遊離L鎖κ/λ比 
検査方法
ネフェロメトリー法
検査材料
血清
 
検体量(ml)
容器番号
保存方法
1 血清 0.4
01
冷蔵
報告所要日数
3~7日
基準値  

κ鎖:2.42~18.92 mg/L

λ鎖:4.44~26.18 mg/L

κ/λ比:0.248~1.804

臨床的
意義 
免疫グロブリンの構成成分「軽鎖」のうち血中に遊離したk、λ鎖を定量。
多発性骨髄腫で治療効果が現れるとκ/λの比率は1.0に近づく。
   免疫グロブリンは液性免疫の主体をなす蛋白質であり、Bリンパ球から分化した形質細胞によって主に骨髄で産生される。成人では血中濃度が高い順にIg G、A、M、D、Eの5つのクラスが存在する。基本形としてそれぞれ、2本1組のheavy chain(H鎖)と、それより分子の小さいlight chain(L鎖)で構成されている。H鎖は免疫グロブリンのクラスにより立体構造が異なっているが、L鎖は各免疫グロブリンに共通で、2本1組の「κ(カッパ)鎖」または「λ(ラムダ)鎖」により構成される。このH鎖とL鎖が1組ずつ結合した形を基本構造として、免疫グロブリンは多クローン性といわれる多様な抗原に反応できる体制を整えている。
 血液系の悪性腫瘍である多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)は、特定クローンの形質細胞が腫瘍性に増殖し、単クローン性(Monoclonal)の免疫グロブリン(M蛋白)を血中に多量に分泌する疾患である。腫瘍細胞の増殖で「骨打ち抜き像」と呼ばれる特徴的なレントゲン所見を呈し、M蛋白のため血清蛋白分画でMピークを、免疫電気泳動でM-bowを認め、末梢血の塗抹像で赤血球の連銭形成が認められる。
 前述のL鎖は、H鎖より40%ほど多く分泌され、遊離L鎖(free light chain:FLC)として血中や尿中に検出される。遊離L鎖は通常、多クローン性であるが、多発性骨髄腫では単クローン性の遊離L鎖が増加し、Bence-Jones蛋白と呼ばれる。
 κ鎖の血中半減期は2~4時間、λ鎖は約6時間である。FLCとして血中でのκ/λ比は約0.25~1.80程度であるが、MMなどの単クローン性の免疫グロブリンを産生する疾患を発症すると、κまたはλ鎖のどちらかが過剰に分泌されてバランスが崩れ、κ/λ比の上昇又は低下が認められるようになる。International Myeloma Working Groupのガイドラインでは、monoclonal gammopathy of uncertain significance:MGUSのスクリーニングに遊離κ/λ比を掲げている。遊離κ/λ比が増大または減少する症例で骨髄腫のリスクが高いという。
異常を示す病態 
多発性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫、形質細胞腫、単クローン性γ-グロブリン血症(MGUS)、高マクログロブリン血症、軽鎖病、POEMS症候群、アミロイドーシス
チャート 

M蛋白血症の取り扱いチャートの例

容  器 
提出容器

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