WEB総合検査案内 掲載内容は、2024 年 12 月 2 日時点の情報です。

項目
コード
検査項目 採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法 最低希釈倍率 実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要日数

00324

EBV VCA IgG《FAT》Epstein-Barr virus, viral capsid antigen

5F202-1431-023-162

5F202-1431-041-162

血液
1

遠心

 

血清
0.3

または

 

髄液
0.4

 

 

 

01

 

 

02

 

 

4週

冷蔵

 

4週

冷蔵

FAT

血清 10 倍
髄液 原液

200

D012 44

免疫

3~4日

項目
コード
検査項目

00324

EBV VCA IgG《FAT》Epstein-Barr virus, viral capsid antigen

5F202-1431-023-162

5F202-1431-041-162

採取量(mL)

遠心

提出量(mL)
容器 安定性
保存
方法
検査方法
血液
1

遠心

 

血清
0.3

または

 

髄液
0.4

 

 

 

01

 

 

02

 

 

4週

冷蔵

 

4週

冷蔵

FAT
基準値
(単位)
実施料
診療報酬区分
判断料区分
所要
日数

血清 10 倍
髄液 原液

200

D012 44

免疫

3~4日

備考

検体1

  • 血清EBV抗体価検査(FAT法)を複数項目(2~6項目)依頼する場合の検体量は、採取量:2.0mL/提出量:0.4mLです。

「ウイルス抗体」中分類共通の特記事項

  • 「ウイルス抗体(HI,CF,NT,FAT)検査の留意点」(チャート参照)をご参照ください。
    • 補体結合試験(CF):溶血血清では検査不能の場合もあります。
    • 中和試験(NT):所要日数は一応の目安です(多少遅れる場合もありますのでご了承ください)。細菌繁殖などにより培養細胞が汚染され、検査不能になる場合がありますのでご注意ください。「ウイルス型別」のある項目では必ず「型」をご指定ください。
    • EIA法・その他法:最低希釈倍率は基準値と読み替えてください。
    [ご参考] 「ウイルス抗体検査について」(チャート参照)を掲載しています。

診療報酬

  • 保険名称:感染症免疫学的検査/グロブリンクラス別ウイルス抗体価(1項目当たり)
  • 実施料:200
  • 診療報酬区分:D012 44
  • 判断料区分:免疫学的検査

厚生労働省通知原文「注釈」

■ グロブリンクラス別ウイルス抗体価

  • ア 「44」のグロブリンクラス別ウイルス抗体価は、下記の項目のウイルスのIgG型ウイルス抗体価又はIgM型ウイルス抗体価を測定した場合に算定する。ただし、(ト)のヒトパルボウイルスB19は、紅斑が出現している15歳以上の成人について、このウイルスによる感染症が強く疑われ、IgM型ウイルス抗体価を測定した場合に算定する。(イ) ヘルペスウイルス (ロ) 風疹ウイルス (ハ) サイトメガロウイルス (ニ) EBウイルス (ホ) 麻疹ウイルス (ヘ) ムンプスウイルス (ト) ヒトパルボウイルスB19 (チ) 水痘・帯状疱疹ウイルス
  • イ 同一ウイルスについてIgG型ウイルス抗体価及びIgM型ウイルス抗体価を測定した場合にあっては、いずれか一方の点数を算定する。
  • ウ 「11」のウイルス抗体価(定性・半定量・定量)と併せて測定した場合にあっては、いずれか一方の点数を算定する。

同一検体についてグロブリンクラス別ウイルス抗体価の測定を行った場合は、2項目を限度として算定できます。
同一ウイルスについて「IgG抗体」、「IgM抗体」を併せて実施した場合は、いずれか一方のみ算定できます。

容器

容器番号01:汎用容器(分離剤入り)

  • 容量: 6mL・8.5mL
  • 添加剤: 凝固促進剤
  • 保管方法:常温
  • 有効期間:容器および箱表示
  • 主な検査項目: -

容器番号02:汎用容器

  • 容量: 4mL・10mL
  • 添加剤: -
  • 保管方法:常温
  • 主な検査項目: 血清,血漿提出用

参考文献

日沼頼夫, 他: 臨床病理(特集第35号), 179, 1978.

検査項目解説

臨床的意義

EBVは感染により伝染性単核球症や上咽頭癌などを発症するウイルスである。小児期までは不顕性感染で終わる。

 EBウイルス(EBV)は、口腔内に存在し、主な感染源は唾液といわれている。本邦では、就学前に人口の80 %以上が不顕性に感染し、抗体を保有している。

 EBVの抗体価は、ウイルス自体の性質から、通常3種類の抗原に対して測定される。VCA(viral capsid antigen:ウイルスカプシド抗原)、EA-DR(early antigen-diffuse and restrict complex:早期抗原)、EBNA(EBV nuclear antigen:EBV核内抗原)の3種類である。実際にはEBNAを除いてそれぞれのIgG、IgA、IgMクラスの抗体が測定される。これらの抗体価が一定のパターンで推移することを利用して、EBV感染の進行状況が診断される。

 初感染の場合、一般にVCA-IgG、VCA-IgM、EA-DR-IgGが出現する。特にVCA-IgGはほぼ100 %検出される。続いて数カ月後にEBNAが出現する。

 EBV感染により引き起こされる代表的な疾患は、伝染性単核球症(infectious mononucleosis:IM)、バーキットリンパ腫(burkitt's lymphoma:BL)、上咽頭癌(nasopharyngeal carcinoma:NPC)などである。前述のように小児期までに感染するとほとんどが不顕性に終わるが、思春期以後に感染すると半数程度にIMを発症する。IMの臨床症状はリンパ節の腫脹や発熱であり、検査所見として白血球像で異型リンパ球(atypical lymphocyte)が認められる。

 一般にVCA-IgM陽性、EBNA陰性の場合は初感染によるIMが推定されるが、VCA-IgMの出現率は70 %程度に過ぎず、VCA-IgMが陰性だからといって必ずしもIMが否定されるわけではない。この場合は臨床症状や白血球の所見と併せて診断する。BLとNPCに関しては、ともにVCA-IgGとEA-DR-IgGの著しい高値とEBNAの陽性が認められる。しかし、NPCではVCA-IgAとEA-DR-IgAが陽性になることが多いのに対し、BLでは一般に陰性である。

【陽性を示す疾患】

伝染性単核症上咽頭癌バーキットリンパ腫

備考

  • チャート参照:伝染性単球症におけるEBV特異的抗体の消長と出現

関連疾患

B27.9.3:伝染性単核症 B25-B34:その他のウイルス性疾患
C11.9.2:上咽頭癌 C00-C14:口唇・口腔・咽頭腫瘍
C83.7.1:バーキットリンパ腫 C81-C96:リンパ組織・造血器腫瘍
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.

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